代表的な香りの種類は何種類?合成・天然香料の違いを解説

香りの種類は何種類?代表的な8種類と合成・天然香料の違いを解説

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日常的に感じる五感のひとつ、嗅覚を刺激する「香り」には、実に様々な種類があります。ぱっと思いつくだけでも、レモンの香り・ローズの香り・ハーブの香りなどが挙げられるでしょう。

昨今、香りの効果効能やマーケティングに利用できると注目を浴びているため、改めて香りが気になっている方も多いと感じます。しかし、日常的な感覚だからこそ「香りにはどんな種類があるのか?」と聞かれた際に、明確に答えられる方は少ないのではないでしょうか。

そこで本記事では、数ある香りの傾向そのものを表す「種類」、香り方を表す「ノート」、自然由来の天然香料と、科学的に作り出される合成香料の違いなど、基本から詳しく解説していきます。企業として香りを導入するために、まずは基本知識が知りたいと考えているのであれば、ぜひ参考にしてください。

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代表的な香りの種類

まずは基本でありながら、意識しなければ系統立てて知ることのない「香りの種類」を見ていきましょう。ごく身近な香りであることからすぐに見当がつく種類から、どのような香りなのか想像が難しいと感じる種類の香りまで解説します。

シトラス調(柑橘系)の香り

代表的な精油名 香りの特徴 香りに期待できる効果
(精油によって異なる)
  • レモン
  • オレンジ
  • グレープフルーツ
  • ベルガモットツ
  • さっぱりとした爽やかな香り
  • ほのかな甘さを感じるものや苦みを覚える香りも
  • リラックス
  • リフレッシュ
  • 気分を上向きにさせる

最初に紹介するのはシトラス調(柑橘系)の香りです。文字通り、レモンやオレンジなど柑橘系のフルーツを思わせる香りです。さっぱりとしつつもほのかに甘さを感じさせるシトラス調の香りは、好き嫌いが別れにくいことから、万人受けしやすく様々なシーンで使いやすい香りとされます。

香りの持続時間が短めな傾向があるため、飽きにくいという点もメリットのひとつでしょう。反面、長期にわたって香りを保たせたい場合は、他の香りとブレンドするなどひと工夫が必要です。

フローラル調(お花)の香り

代表的な精油名 香りの特徴 香りに期待できる効果
(精油によって異なる)
  • ローズ
  • ラベンダー
  • ネロリ
  • 甘く華やかな香り
  • 香りの持続時間が長め
  • リラックス
  • 入眠
  • 女性ホルモンに似た効果も期待できる

フローラル調(お花)の香りも、文字通り満開の花を思わせる甘くかぐわしい香りです。代表的な香りはローズやラベンダーなど、基本的に甘さやほのかな青さを覚える華やかな香りを指します。

フローラル調も万人受けしやすい香りですが、男性より女性の方が好ましいと感じる傾向が高い香りといえるでしょう。香りの持続時間が比較的長めであること、優しい香りが多いためオールシーズン使いやすい香りです。

フルーティー調(果物)の香り

代表的な精油名 香りの特徴 香りに期待できる効果
(精油によって異なる)
  • マンゴー
  • ラズベリー
  • 各フルーツの香り

フルーティー調(果物)の香りとは、シトラス調(柑橘系)を除く果物全般の香りを指します。ただ、フルーティー調における天然の精油はごくわずかなメーカーしか扱っていません。理由は、水分量が多い果物からは、従来の方法ではオイルの生成が難しいからです。

ただ、合成香料であるフレグランスオイルであれば、数多くのアロマを楽しめるでしょう。合成香料になるため、香りの持続時間などもある程度調整が可能です。香りの効果・効能こそはっきりとしていませんが、香りそのものを楽しむことは可能になります。

ウッディ調(木)の香り

代表的な精油名 香りの特徴 香りに期待できる効果
(精油によって異なる)
  • ヒノキ
  • ユーカリ
  • シダーウッド
  • 製材所で出会うような、切り出された「木」の香り
  • 水分を含んだシダの香り
  • 香りの持続時間が長め
  • リラックス
  • 抗不安

ウッディ調(木)の香りも文字通り、樹木からくる香りを指します。ただ、木の香りと一言で言ってもアロマの種類によって香りの傾向が大きく異なり、男性的な香りから女性的な香りまで幅広くなっています。

ただ、基本的にはシトラス系やフローラル系の香りほど主張が強くありません。代わりに香りの揮発性が低いため持続時間は長め。他の香りとブレンドすると、香りに奥深さを与えてくれるため使い勝手の良い香りだといえます。

スパイシー調の香り

代表的な精油名 香りの特徴 香りに期待できる効果
(精油によって異なる)
  • シナモン
  • カルダモン
  • ブラックペッパー
  • 個性的な香りが多い
  • 刺激と温かみを感じる香り
  • リフレッシュ
  • 気分を高揚させる

スパイシー調の香りとは、料理に使われるスパイスの香りとほぼ同じです。文字通り刺激を感じるようなスパイシーな香り。スパイスの種類によって香りの特徴が異なりますが、概して個性的な香りといえます。

スパイシー調の香りは基本的に単体で使われることは少なく、他の香りとブレンドすることで真価を発揮します。程よい刺激や奥行きを加え、香りの個性を引き出してくれるでしょう。少し元気がないときなどに効果的な香りとされるため、同じような効果を持つ香りと合わせることで相乗効果も期待できます。

グリーン調(青々している)香り

代表的な精油名 香りの特徴 香りに期待できる効果
(精油によって異なる)
  • ミント
  • レモングラス
  • ローズマリー
  • 青々とした草原を思わせる香り
  • 多くは清涼感を覚えさせる
  • リフレッシュ
  • 気持ちを前向きにする
  • 集中力・記憶力向上

グリーン調の香りは、いわゆるハーブや植物の葉のような香りを指します。人によってグリーン調=ウッディ調とすることもあるため、どの香りを指しているのかを事前に確認しましょう。

香りの特徴に、ハーブや青葉のような一種「青臭さ」があるため、好みが分かれやすい香りでもあります。ただ、ミントのように清涼感を覚えさせるものもあり、一度好きになれば他の香りでは物足りないと感じることもあるでしょう。

くくりが広いため、グリーン調の香りを選びたい場合は、実際の香りを確かめてみるのが一番です。

オリエンタル調(東洋のような)な香り

代表的な精油名 香りの特徴 香りに期待できる効果
(精油によって異なる)
  • イランイラン
  • サンダルウッド
  • フランキンセンス
  • 重め・濃厚な香りの傾向あり
  • 強く香り、香りの持続時間も長め
  • リラックス
  • 集中力を高める

東アジアや中東を思わせる、エキゾチックで濃厚な香りを指します。基本的に重め・個性的な香りが多く、人によって好き嫌いは分かれがちです。ただ、スパイシー系と同じく、他の香りとブレンドすることで、非常に魅力的な香りを作り出せます。

香りの持続時間も長いため、香水のベース香料(ラストノート)として古くから使われてきた側面も。重く甘い香りが多いため、寒い季節の利用がおすすめです。

マリン調(海のような)香り

代表的な精油名 香りの特徴 香りに期待できる効果
(精油によって異なる)
  • 海水や潮風をイメージした香り
  • 調香された香り

マリン調(海のような)の香りとは、文字通り海水や潮風など、海にまつわるものをイメージして調香された香りを指します。主に合成香料を用いて作られているため、一言でマリン調といっても香りの印象は作ったメーカーなどによって様々です。

ただ、基本は海をイメージした香りになるため、爽やかさやみずみずしさを覚える香りといえるでしょう。以前はメンズ向けの香りとされていましたが、昨今ではユニセックスな香りとして根強い人気があります。

香料の種類による違いも紹介

ここからは香りそのものではなく「香料」の種類による違いを見ていきましょう。香料は大きく分けて以下の2つがあります。

  • 合成香料
  • 天然香料

それぞれに特徴があり、メリット・デメリットも異なります。一概に合成だから良くない、天然だから良いと言い切れなくなってきているため、それぞれの違いもしっかり確認してください。

合成香料における香りのメリット・デメリット

合成香料とは人工的に生成された香料を指します。その種類は非常に多く、自然に存在する香料を人為的に作り出したものから、自然界にはない香りを作り出すことも可能です。ごく安価なものは石油系の原料から化学反応を利用して作り出されることもあります。

では実際のところ、合成香料にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。主な項目は以下の通りです。

合成香料のメリット
  • 水を使わないので雑菌の繁殖を抑えられる
  • 水を使わないので手間が少ない
  • アロマオイルそのままの香りを楽しめる
合成香料のメリットーのデメリット
  • アロマオイルを原液のまま使うのでオイルの消費スピードが早い
  • 拡散方式によっては、噴出口にオイルが溜まってべたつくことがある

人工的に作れるため、やはり安定供給や品質の高さに定評があるといえます。

ただ、香料に限りませんが、化学物質を長年体内に取り込むことで、過敏に反応してしまうケースがあることも事実です。安価すぎる香料を選ばないなど、一定の注意は必要といえるでしょう。

天然香料における香りのメリット・デメリット

天然香料は、自然界にある草木や花、果実から取り出されるオイルや蒸留水を指します。「天然香料基原物質リスト」に記載されている約600種類の品目から作られた香料が天然香料といえるでしょう。天然香料のメリット・デメリットは以下のようになっています。

合成香料のメリット
  • 香りに揺らぎがあるため飽きにくい
  • 天然ならではの優しい香り
合成香料のメリットーのデメリット
  • 同じ種類の香料でも品質にばらつきがある
  • アレルギー反応を起こすケースも

合成香料と異なり、天然の香料であれば安全だと考える方も多いでしょう。

しかし、天然だからといって手放しで安全を保障できるとは限りません。材料となっている植物によってはアレルギー反応を起こしてしまうこともあるでしょう。土壌に含まれている成分を植物が吸い上げることで、有害な物質が混ざっていないとも言い切れません。

もちろん、多くの天然香料は、上記のようなことがないよう細心の注意を払っています。ただ、天然だから、オーガニックだから安全だとやみくもに思い込まないことも大切です。

香料の香り方の種類

続いては「香料」の香り方の種類について解説します。

香りの方の種類とは、香水などでよく聞く「トップノート」「ミドルノート」「ラストノート」の3種類のこと。それぞれは時間の経過によって変化する香りを表しています。該当する時間帯や、主に使われる香料の種類など見ていきましょう。

トップノート

香りを付ける、利用し始めてから5分~15分程度の香りを指します。香りを使い始めてすぐに気が付けますが、揮発性が高い香料が使われているため短時間で香りを感じなくなります。香水やフレグランスの印象を決める香りであり、基本的には軽く爽やかな香りを使われることが多いといえるでしょう。

トップノートに使われやすい香りの種類

シトラス・フルーティー・グリーン・マリン

ミドルノート

トップノートが消えた後、30分から1~2時間程度の香りがミドルノートです。香水やフレグランスの中心的な香りであり、揮発性が低い香料を使われるため比較的長時間香りを楽しめます。トップノートからガラッと印象が変わることもあるため、香水やフレグランスを選ぶ際には、少なくともミドルノートの香りまでは確認しましょう。

ミドルノートに使われやすい香りの種類

フローラル・スパイシー

ラストノート

ラストノートは文字通りミドルノートが終わった後、最後まで残る香りを指します。揮発性が非常に低く、香りを感じなくなる瞬間まで残るため、香水やフレグランスの最終的な印象を決める香りともいえるでしょう。また、気温や体温によって香りの傾向が異なるケースもあります。

ラストノートに使われやすい香りの種類

ウッディ・オリエンタル

香料の濃度&持続性の種類

最後はいわゆる「香水」の種類によって異なる、香料の濃度や持続性の違いを紹介します。オーデコロン・オードトワレ・オードパルファム・パルファムの何が違うかを見ていきましょう。

結論から言えば、上記の違いは香料の濃度+持続時間の違いです。パルファム→オードパルファム→オードトワレ→オーデコロンの順で、香料の濃度が高く併せて持続時間も長くなります。単純に言えば、香料の濃度が高いために持続時間が長くなるのです。

併せて香料の濃度が高い順に、値段も高くなります。なお、含まれている香料の濃度によって付け方も異なります。パルファムとオーデコロンを同じような感覚で付けてしまうと、香りが濃すぎたり薄すぎたりするため注意しましょう。

まとめ

今回は基本的な知識として香りの種類について解説してきました。本記事のおさらいは以下の通りです。

  • 香りの種類は主にシトラス・フローラル・フルーティ・ウッディ・スパイシー・グリーン・オリエンタル・マリン
  • 合成香料は比較的安価に安定した香りを楽しめる
  • 天然香料は自然で奥深くナチュラルな香りが魅力

細かく分けていけば香りの種類は膨大なものになります。しかし大まかな種類を把握しておくことで、どのような香りを選べば良いのかを、判断しやすくなったのではないでしょうか。

また、合成・天然香料についても、どちらかだけが良いと決めつけられるものではないと分かっていただけたことと感じます。しかし、どちらかだけが良いと単純に決められないことから、余計に香りを選ぶ際に迷ってしまうかもしれません。

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自社に香りを導入しようと考えているが、どの香りが良いのか分からないとお考えの際にも、ぜひお気軽にご相談ください。