香りのリラックス効果は?おすすめのアロマや利用シーンを紹介

香りリラックス

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毎日の仕事や家事、勉強に追われる現代日本人にとって、リラックスできるひと時はとても大切な時間です。そんなリラックスタイムを、より心地よい時間にする方法のひとつに「香りを用いる」という方法があります。

実際に、香りに関する特別な知識がなくとも「眠りが浅いときはラベンダーの香りを使うと良い」「ハーブティーを飲んでリラックスできた」という話を聞いたことがある方もいるはずです。

では、なぜ香りを使うだけでリラックスできるのでしょうか? また、香りであればどのような香りでも、リラックス効果が期待できるのでしょうか?

本記事では、香りによって期待できるリラックス効果にスポットを当てて解説していきます。家庭で用いることはもちろん、仕事に絡めて香りを活用したいと考えているのであればぜひ参考にしてください。

香りのリラックス効果
  • 香りにリラックス効果があるのは自律神経に作用するため
  • リラックス効果がある香りはオレンジ・レモン・ラベンダーなど様々
  • リラックス効果がある香りは寝室や休憩スペース、待合室などでの利用がおすすめ

香りでリラックスできる理由

実際に好きな香りに包まれたことで、気持ちが楽になったと感じた経験を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、好きな香りに包まれるだけで、なぜリラックスできるのか?と聞かれても、明確に答えられる方は少ないはずです。ここでは基本となる、香りによってリラックスできる理由・メカニズムに関して解説していきます。

香りに含まれる芳香成分が作用するため

香りによってリラックス効果が期待できる理由の一つは、香りに含まれる一部の芳香成分が自律神経に影響を及ぼすためです。

自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の2つがあり、副交感神経の方が有意になると、脈拍数が低下したり血圧が下がったりします。この状態が、いわゆる「落ち着いている状態」「リラックスした状態」を指すのです。

そして香りに含まれる一部の芳香成分は、副交感神経を有意にする現象が認められています(※1)。だからこそ、特定の香りをかぐとリラックスができるとされるのです。

なお自律神経に作用する芳香成分の中には、副交感神経ではなく交感神経を有意にする成分も存在します。そのため、すべての香りにリラックス効果が期待できるわけではないことを知っておきましょう。

リラックス効果が期待できる芳香成分

特定の香りに含まれる芳香成分によってリラックス効果が期待できると紹介しました。では、実際にどのような成分によって、副交感神経が有意になるのでしょうか?

主な成分は以下のとおりです。

成分名 特徴
リナロール フローラル調の香りを持ち、不安感を和らげる効果を持つとされる
酢酸リナリル フリナロールに酢酸が付き、エステル類になることで酢酸リナリルになる。リナロールより柔らかなフローラル調の香りを持ち、リラックス効果が高いとされる
リモネン 柑橘類の多くに含まれるシトラス調の香りを持つ芳香成分。神経が正常に働くように促す効果があるとされ、この作用からリラックス効果があるとされる
シトラール レモンのように爽やかなシトラス調の香りを持つ。不安や緊張を和らげる効果があるとされる
α‐ピネン ヒノキや杉などの木材を思わせるウッディ調の香りを持つ。抗不安・ストレス緩和作用によるリラックス効果が高いとされる

リラックスしたい時におすすめの香り

香りをかぐことによってリラックス効果が得られる仕組み、リラックス効果が期待できる芳香成分に触れてきました。しかし、芳香成分だけを見ても、どのような香りにリラックス効果があるのかは判然としないままです。

そこでここからは、リラックスしたいときにおすすめの香りそのものをご紹介いたします。シトラス・フローラル・ハーブ・ウッディ系で分けているので、お好みの香りを見つけてください。

シトラス系(柑橘系)

まずは爽やかな香りで万人受けしやすい、シトラス系の香りから見ていきましょう。ごく身近な香りが多い上に、リラックス効果だけではなくリフレッシュ効果を併せ持つ香りが多いため使いやすさも抜群です。

シトラス系

みずみずしく爽やかさを覚える甘さの中に、一つまみのほろ苦さを感じさせるグレープフルーツの香り。芳香成分にリモネンを含み、リラックス効果と併せてリフレッシュ効果もあるとされます。何となく憂鬱に感じる、元気が出ないと感じるときにおすすめの香りです。

シトラス系

シトラス系特有の爽やかさだけではなく、甘いフローラル調の香りを楽しめるベルガモットの香り。こちらにもリラックス効果があるとされます。含まれている芳香成分が「リモネン」「リナロール」「酢酸リナリル」と、リラックス効果が高いものばかりであるため、リラックス効果にも高い期待が持てるでしょう。

シトラス系

香りだけで酸っぱさを覚えるような、爽やかなシトラス系特有の香りを楽しめるのがレモンです。ただ、アロマや精油になった場合のレモンの香りは、果物のレモンより柔らかに香ります。グレープフルーツと同じく、リラックス効果だけではなくリフレッシュ効果も期待できるため、様々な場所で使いやすい香りです。

シトラス系

甘酸っぱいオレンジの果肉を思い起こさせる、ジューシーさを楽しめるオレンジの香りですが、一言でオレンジといっても「スイート」「ビター」の2種類があります。スイートオレンジは一般的にオレンジと聞いて思い浮かべる香りそのものです。一方ビターオレンジは、一般的なオレンジの香りに苦味を含んだ少し大人の香りになります。リラックス効果に関してはどちらも同じであるため、好みの香りをチョイスしてください。

フローラル系

続いては特に女性に人気が高いフローラル系の香りの中で、リラックス効果が高いものについて紹介いたします。甘く柔らかな香りは、リラックス効果を覚えるとともに特別な空間を演出してくれるでしょう。

ジャスミン

香りの世界で4大フローラルの一つとして挙げられるジャスミン。バラやスズラン、ライラックなどの香り高い花と並んで、華やかで甘い花の香りを楽しめます。リフレッシュ効果の高さが有名ですが、鎮静作用・抗うつ作用があるとされるリナロールが含まれているため、リラックス効果も期待できます。

イランイラン

甘く温かみを覚えるような官能的な香りを持ち、東南アジアでは新婚初夜のベッドに花を敷き詰める習俗もあったとされるイランイラン。甘く濃厚な香りは心を落ち着かせる鎮静効果があるとされ、高いリラックス効果が期待できます。フローラル系の中でも香りの主張が強いため、利用する際には少量から試す方法がおすすめです。

ハーブ系

続いては香りを楽しんだり料理に使ったりもされる、ハーブ系におけるリラックスできる香りを見ていきましょう。リラックス効果と言えばコレ!と思えるようなメジャーなハーブから、初めて知るようなハーブまでご紹介いたします。

ハーブ系

緑の多い雨上がりの公園を歩くような、少し湿り気を帯びた特徴的な香りを持つのがパチュリです。その特徴的な香りから、香りの種類はオリエンタル系とされることが多いのですが、インドネシアなどでよくみられるハーブの一種です。古くから気持ちを落ち着かせる効果があるとされ、特に不安やストレスを抑える効果が高いとされます。

ハーブ系

ハーブでありながら濃く甘いフローラルな香りを楽しめるラベンダーは、リラックス効果が期待できる香りとして非常に有名です。香りに詳しくない方でも、リラックスできる香り・安眠効果がある香りとして一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。フローラルな香りと併せて、ハーブらしいどこか青さを覚える特徴的な香りをしています。

ウッディ系

ウッディ系の香りにもリラックス効果が期待できるものがたくさんあります。ここでは、香りの想像がしやすい身近なものから、少し独特な香りを持つものまで3種類ご紹介いたします。

ウッディ系

花や葉から香りを抽出する多くのアロマと異なり、ベチバーは根から香りを抽出します。湿った土を連想させる香りの中に、スモーキーさやカラメルのような甘さと苦さが混ざった特有の香りをしています。「静寂の精油」とも呼ばれる高い鎮静効果を持つとされるため、不安や緊張によって不安定になった心をリラックスさせてくれるでしょう。

ウッディ系

森林浴、または新築のお宅に伺ったときに感じるような、いわゆる木の香りを楽しめるのがヒノキです。日本人にとっては身近な香りであるため、安心感を覚える面から見ても高いリラックス効果が期待できます。含まれている芳香成分、α-ピネンは、抗不安・ストレス緩和効果が期待できるとされるため、家庭での利用はもちろんオフィスでの利用にも適していると考えられます。

ハーブ系

西洋ヒノキとも呼ばれるサイプレスの香りは、サイプレスの葉や球果から抽出されます。そのため、ヒノキのような木材の香りに合わせて、独特の青さを覚える香りとなっています。サイプレスに含まれる芳香成分の一つ「セドロール」には、心拍数を落ち着かせ副交感神経を有意にする効果があると認められているため、高いリラックス効果が期待できるでしょう。

リラックスする香りがおすすめの利用シーン

リラックス効果が期待できる様々な香りについてご紹介いたしました。香りの種類を理解した後に気になるのは、やはり「どのようなシーンで香りを利用するべきか?」といった点でしょう。

ここでは、リラックスできる香りを使う場合のおすすめ利用シーンについて解説いたします。

寝室のサイドテーブルに

一つ目におすすめとなるのが寝室です。リラックスできる香り、安眠効果が期待できる香りを寝室に拡散させることで、寝付きを良くしたり睡眠の質を上げたりすることができます。

現在、日本人の睡眠時間は年々短くなっているといわれており、厚生労働省が発表した「令和元年国民健康・栄養調査報告(概要)」では、1日の平均睡眠時間は6時間以上7時間未満が最も多く(※3)なっています。

平成18年の「社会生活基本調査」における平均睡眠時間が7時間42分(※4)だったことを見れば、明らかに睡眠時間が減っていることが分かります。現代日本人の睡眠時間が短くなる原因については、シフト制の仕事が増えていることや、日々の生活に追われることで睡眠時間を犠牲にしているなど、様々な理由が考えられます。

しかし、忙しいからと睡眠時間を削ってしまえば、健康被害や日中に眠気に襲われるなどデメリットばかりです。ただ、いきなり睡眠時間を大幅に増やすことがなかなか難しいことも事実だといえます。

だからこそ、少しでも睡眠の質を上げられるように、上記で触れたリラックス・安眠できる香りを寝室に導入することがおすすめになるのです。「不安や考え事があってなかなか寝付けない」「しっかり眠ったはずなのに体の疲れが取れない」このようなときこそ、積極的に香りを活用してみましょう。

オフィスの休憩スペースに

2つ目におすすめになるのは、オフィスの休憩スペースに導入する方法です。休憩時間にしっかりとリラックスできれば、業務の生産性が向上することは昨今よく知られた事実だといえます。

では休憩時間にリラックスをする方法とは、どのような方法があるのでしょうか?一般的には以下のような点に留意すると良いといわれています。

  • 必要十分な広さを確保する
  • リラックスしやすいインテリアにする
  • 体を休めやすい家具を設置する
  • デザインをオフィスと変える
  • リフレッシュ・リラックスできるアイテムを置く

上記のリフレッシュ・リラックスできるアイテムこそ、香りを拡散させるアロマディフューザーなどを指します。休憩スペースにリラックスできる香りを拡散させて、より効率良く社員の精神的・肉体的疲労を軽減していきましょう。

待合室やラウンジに

お客様が利用する待合室やラウンジに、リラックスできる香りを拡散させる方法もおすすめです。クリニックの待合室やホテルのラウンジは、お客様が訪れた際に一番に過ごす場所です。

その場所にリラックスできる香りを活用することで、様々な効果が見込めるのです。

クリニックの待合室の場合、これから診断や治療を迎える患者様は憂鬱な気持ちになっていることもあるでしょう。だからこそリラックスできる香りを用いれば、憂鬱な気持ちを抑えることが可能になります。また、香りを拡散させることで、清潔感を演出することもできます。

一方、ホテルのラウンジであれば、リラックスできる香りに包まれた場所でくつろげることは、単純に気持ちが良いものです。「あのホテルのラウンジはなぜか他のホテルよりリラックスできた」と感じてもらえれば、リピート率を上げることにもつながるでしょう。

ただ香りを使うだけで…と考えられがちですが、香りは強く記憶に結び付く感覚です。上手に活用してリラックス効果はもちろん、様々な効果を実感していきましょう。

まとめ

今回は香りとリラックス効果の関係性、リラックスできるおすすめの香りについて解説いたしました。香りは直に脳に届くこと、リラックス効果が実証されている芳香成分が豊富にあるなど、驚くような情報も多かったのではないでしょうか。

以下、本記事を軽くおさらいしておきましょう。

  • 香りでリラックスできる理由は、芳香成分が自律神経に影響を及ぼすため
  • リラックスできる香りはグレープフルーツ・オレンジ・ラベンダーなど様々
  • おすすめの利用シーンは寝室・休憩スペース・待合室やラウンジなど

リラックスできる香りには非常に多岐にわたるため、自身や場所に合うと思える香りをチョイスすることが可能です。ただ、種類が多いからこそ、いざ選ぼうとした際に迷ってしまうことも事実です。

「社員の生産性向上のために香りを導入したいが、どの香りを選べば良いのか分からない」
「香りの種類も迷うけれど、そもそも香りをどう拡散すれば良いのか?」

上記のようなお悩みがある方は、ぜひ香りのプロフェッショナルである弊社にお気軽にご相談ください。長年にわたって消臭・香りと真摯に向き合ってきた弊社のスタッフが、香りの選定から効果的な拡散方法まで詳しくご案内いたします。