香りのマーケティング効果は?導入事例や利用施設をご紹介

香りのマーケティング効果は?導入事例や利用施設をご紹介

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比較的新しいマーケティング方法として、昨今注目を浴びているのが「香り」を用いたマーケティングです。

もちろん視覚や聴覚のように、古くから利用されてきたマーケティングも、未だ高い効果が期待できる方法だといえるでしょう。

しかし香り・嗅覚に訴えるマーケティングは、視覚や聴覚では訴求できなかった深度で人の心を揺さぶることが分かっています。では実際のところ、香りを用いたマーケティングにはどのような効果が期待できるのでしょうか。また、嗅覚に訴えるマーケティングとはどのような仕組みによって成り立つのでしょうか?

まだ新しいマーケティング方法だからこそ、疑問は尽きないことと感じます。本記事では、香りを用いたマーケティングの仕組みから、導入事例、おすすめの利用施設まで詳しくご紹介いたします。

香りのマーケティングに期待できる効果
  • 香りマーケティングに期待できる効果はプルースト効果・滞在時間・売上アップ
  • アロマ市場は順調に拡大傾向
  • 香りマーケティングは豊富な施設で利用が可能
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香りのマーケティングとは?

香りを用いたマーケティングでは、主に以下3つの効果と新しい概念があります。

  • プルースト効果
  • 滞在時間のUP
  • 売上のUP
  • ブランドセント

それぞれの効果、効果が得られる仕組みについて見ていきましょう。

プルースト効果

香りを用いたマーケティングにおいて、欠かせない現象が「プルースト効果」です。プルースト効果とは、特定の香りをかぐことで、香りと結びついた記憶や感情を思い出す現象を指します。身近な例でいえば、以下のような経験が挙げられるでしょう。

  • 塩素の香りから小学生時代のプールの記憶を思い出す
  • 通りがかった家から香ってきたカレーの匂いで実家を思い出す
  • 線香の香りで田舎の祖父母の家で過ごした記憶を思い出すなど

懐かしいと感じる香りであればあるほど、記憶や感情も強く結びついていると考えられます。ふとした瞬間の香りで、胸が詰まるようなノスタルジーを覚えたことがある方もおられるでしょう。この強烈に感情を揺さぶる現象をこそ、マーケティングに結び付けたものが「香りマーケティング」です。

店舗やホテルの個室、ラウンジなどに企業オリジナルの香りを用いることで、消費者や顧客に香りと共にブランドを覚えてもらうのです。香りがある空間の記憶が楽しかったり心地よかったりすれば、より深く記憶に刻んでもらうことが叶うでしょう。

02滞在時間のUP

JR東日本企画が運営する「jeki駅消費研究センター」が行った「駅ビル回遊行動調査(※1)」では興味深い結果が出ています。実際に目的を持った購買意欲の高さより、店舗への滞在時間が長いお客様の方が、商品の購入率や購入金額が高いという結果です。

回転率をアップするのではなく、逆に滞在時間を長くすることがポイントになるとは盲点だったのではないでしょうか。しかし、ここで問題になるのが「では滞在時間を長くするにはどうすればよいのか?」といった点です。

一つの答えとして挙げられるのがその場の居心地のよさを上げることだといえるでしょう。居心地のよさを上げる方法としては、清潔さやインテリアなど視覚的な要素も重要になります。しかし、視覚・聴覚的なアプローチはすでに当たり前のものとなっています。

そこで新たな心地よさを演出する要素として挙げられるのが「香り」なのです。プルースト効果による相乗効果を得られれば、大幅な滞在率アップ・再訪率アップの効果も見込めるのではないでしょうか。

売上のUP

上記でも触れたように滞在時間が長くなれば、その分、売上アップの効果も見込めます。実際にアメリカはシカゴに拠点を置く「嗅覚味覚療法研究財団」のアラン・ハーシュ博士が行った実験では以下のような結果が出たとされます。

  • よい香りがする店舗の方がお客様の滞在時間アップ
  • 売り上げも50%以上アップ

香りを含めて心地よい空間を演出することは、売上率のアップにも非常に重要なポイントだと分かる結果ではないでしょうか。

心地よい空間、また楽しい場所では気がついたら時間がたっていた、と感じることも多いものです。実は古くからある現象に、新たにスポットを当てることこそ、マーケティングにおいて重要なポイントなのかもしれません。

ブランドセント

「ブランドセント(Brand Scent)」とは企業やショップが、自社のブランドに合わせて独自に作成した香りのことを指します。香りマーケティングが注目されると同時に、近年誕生した概念だといえるでしょう。

自社を表す香りを独自に作成することで、お客様がふとした瞬間に自社の香りに出会う度、ブランドのことを思い出してもらえるのです。ブランドセントによるマーケティングの基本的な手法は、以下のように考えられます。

オフィスにアロマを導入した際に期待できる効果
  1. 自社ブランドイメージの香りを作成
  2. 店舗・ラウンジなどに香りを導入
  3. 来訪されたお客様に香りを覚えてもらう
  4. 香りを商品化する
  5. 店舗・企業外で香りを覚えてもらう
  6. 顧客がまとう香りを通じてブランドの周知
  7. SNSなど実際の香りがない場所での拡散

自社に合わせた香りの調香など難しい面もありますが、一度定着させてしまえば、香りそのものがお客様の間をつなぎブランドの周知を進めます。従来のマーケティング方法より感覚的、感情面に強く訴えかけられるマーケティング方法だといえるでしょう。

香り・アロマの市場規模

香りによるマーケティングの方法、効果について確認してきましたが、そもそも香り・アロマの市場規模はどの程度のものなのでしょうか。実はマーケティングに有効なことが知られたこともあり、香り・アロマの市場規模は年々拡大中です。

では実際のところ国内での規模はどのようになっているのでしょうか。ここで日本国内の香り・アロマの市場規模と今後の展望について解説いたします。

アロマ(香り)の日本市場

香りマーケティングそのものの市場規模については、いまだ明確なデータは存在しません。しかし国内における「アロマ市場」については、公益社団法人日本アロマ環境協会が2018年(※2)・2021年分(※3)の調査レポートを公表しています。

現在(2023年12月)最新のレポートである2021年分の調査結果では「2021年のアロマ市場規模は約3,973億円」にも上るのだとか。内計としてはアロマテラピーの製品・サービスなどが460億円、精油製品などが3,513億円と推計されています。

2021年の調査結果はコロナ禍の影響による「アロママスク」の人気も、市場規模拡大の一助と考えられています。また上記の内計からもわかるように、国内ではアロマテラピーよりも、精油製品への注目度や人気が非常に高いといえるでしょう。

アロマ市場の展望・推移

2021年のレポートでは3,978億円となっていた調査結果ですが、2018年の段階では約3,564億円でした。わずか3年で前回調査比112%の伸びを見せています。2018年の前回調査比が107%であったことを考えると、需要は拡大傾向だと考えられます。

エッセンシャルオイルの世界市場も、2021年から2028年までの売上高ベースがCAGR7.4%で成長すると予測(※4)されています。国内の需要はもちろん、世界市場を背景に考えると、香りマーケティングはこれまでよりずっと重要な考え方・手法となっていくのかもしれません。

香りのマーケティング導入事例

香りのマーケティングについて、効果や市場規模を確認してきました。ここからはより香りマーケティングを具体的に感じられるよう、実際の導入事例についてご紹介いたします。

ホテルスイートルーム様への導入事例

BIO-RESORT HOTEL&SPA O Park OGOSE
BIO-RESORT HOTEL&SPA O Park OGOSE様が「究極の一棟貸し」と語る、スイートルームへ導入いただいた事例です。

まるで海外旅行に来たような非日常感と共に、どこか懐かしさを覚える安らぎの空間で、よりリラックスできるよう万人受けする香りをセレクトしました。また部屋ごとで香りの濃度調整を行うため、ディフューザーはベッドルームのみに設置。第一印象を深めつつ、飽きない、邪魔をしない香りの演出によって選択いただきました。

ディフューザーの導入効果について

  • 導入フレグランスは万人受けしやすい「スパークリング ピンク グレープフルーツ」
  • 香りの主張はエントランス・寝室をメインに
  • 香りによるリラックス効果で、より上質な宿泊体験を

フィギュアショップ様への導入事例

BIO-RESORT HOTEL&SPA O Park OGOSE
株式会社SOOTANG HOBBY(スータン・ホビー)様の、ショップ内にて導入いただいた事例です。

昨今のフィギュアを始めとするホビーグッズは、精巧な作りも相まってまるで美術品のよう。実際に美術館内を散策するような、おしゃれで心地よい空間を演出したいとのご依頼を受けました。多彩な香り見本を用いた2週間のトライアルを経て、理想の香りを見つけられたことから当社を選択いただきました。

ディフューザーの導入効果について

  • 多彩なフレグランスからお気に入り・リラックスできる香りを選択
  • 中・大規模スペース用のディフューザーを設置することで、ショップ内全体に香りを拡散
  • 心地よい空間演出で、来店されたお客様からも喜びのお声が

ゴルフショップ様への導入事例

BIO-RESORT HOTEL&SPA O Park OGOSE
お客様が手掛けたインドアゴルフ練習場、その一号店となる「ゴルフミラーレンジ」聖蹟桜ヶ丘店内にて、オリジナルフレグランスを導入いただいた事例です。

他のインドアゴルフ場とは、一味違った空間にしたい・店舗を印象深くするためのオリジナルフレグランスが欲しいとのご要望を受けました。お客様の要望を組みつつ、当社が提案した香りは「ビターシトラスグリーン」。また店内の美観を損なわないため、機械室やバックヤードに設置が可能なダクト型ディフューザーをご提案しました。

導入後は香りのイメージ、来店されたお客様からの評判も上々とのこと。香り・機能・コストの3面共にご満足いただけました。

ディフューザーの導入効果について

  • ゴルフ場を連想できるようなオリジナルフレグランスの開発で他にはない香りを
  • 広い空間内でも確実に香るよう、ディフューザーはダクト型をチョイス
  • 嗅覚に訴えることで他店との差別化を実現

香りのマーケティングにおすすめの施設

香りのマーケティングにおすすめの施設
  • ホテル
  • 商業施設
  • 企業・オフィス
  • 病院
  • フィットネスクラブ
  • ショールーム

香りマーケティングの主題は、香りを用い対象の空間を演出することによって、お客様に心地よいと感じてもらうことです。したがってただよい香りを漂わせればOKというものではありません。

例えば上記で紹介している「病院」において、香りは清潔感を演出する際に有効です。また受診することに対する「怖さ」や「不安」を、香りが持つリラックス効果で和らげることも可能になるでしょう。香りの効果は幅広く、少しのアイデアで様々な使い方ができます。したがって香りマーケティングにおすすめになる施設は、上記以外にもまだまだたくさんあるといえます。

まとめ

  • 香りマーケティングではプルースト効果・滞在時間アップ・売上アップ効果が見込める
  • アロマ市場は国内・世界ともに拡大傾向
  • 実際に香りによるマーケティングを導入した事例も豊富

今回は香りを用いたマーケティングについてご紹介いたしました。コロナ禍による影響も相まって、近年、香りマーケティングは非常に注目を集めている手法です。記憶や感情に強く結びつく嗅覚を介するからこそ、マーケティングとの相性もよいといえるのでしょう。

ただ、香りの好みは人によって大きく異なります。また香りの種類だけにこだわるのではなく、心地よい空間を演出するには香らせ方も重要です。香りマーケティングの導入をご検討の際には、創業30年の歴史を持つ弊社にお気軽にご相談ください。