IAQ(室内空気質)とは?指標や施設ごとの導入後の効果を紹介!
IAQ とは「Indoor Air Quality」の略で、室内・空気・質のことをいいます。まずは、最初にIAQの評価基準を知りたい!という方が多いと思うのですが、その他にもこのページでは以下のような内容を解説していきます。
このページで解決できること!
「IAQの基準は?空気の何を改善すればいいの?」
「IAQってなにの総称?それぞれどんな意味があるの?」
「IAQ対策をするとどんな効果がある?その必要性は?」
「IAQを改善するメリットやデメリットは何?」
「IAQって人体や仕事にどんな影響を与えるの?」
「実際にIAQ対策を行った事例を見てみたい」
といったIAQに関しての悩みを詳しく解説していきたいと思いますので、よろしければ参考にしてください。
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IAQ(室内空気質)とは
IAQに指標となる基準値
一般的にはビル管法の評価指標として「浮遊粉じんの量・一酸化炭素の含有率・二酸化炭素の含有率・温度・相対湿度・気流・ホルムアルデヒド」でそれぞれ基準値が設けられています。
しかし、この指標を満たすだけでは最低限の数値を満たしただけとなってしまうので、不動産に新たな付加価値を付けることは難しいです。
IAQを改善するためには、WELL認証(空間づくりの新しいグローバル評価システム)の基準値を参考にすると、何を改善すべきか?が明確になるので、以下を参考にして頂くのがわかいやすいかと思います。
評価項目 | 必須項目 |
加点項目 |
---|---|---|
空気 |
・空気質 ・禁煙環境 ・喚起の設計 ・建設段階の汚染管理 |
・空気質の向上 ・喚起の設計の強化 ・開閉可能な窓 ・空気質のモニタリングと啓発 ・汚染浸入管理 ・燃焼の最小化 ・発生源分離 ・空気ろ過 ・給気の強化 ・微生物のカビの抑制 |
というように、WELL認証の「空気」の評価項目には上記のような必須項目と加点項目があるため、こちらを参考にしながらお取組みになることをおすすめします。
IAQの意味とは?それぞれの要素を解説
「I」Indoor:室内 過ごす場所
これは人が主に暮らす場所を示します。人間は屋外よりも屋内で90%以上を過ごすと言われており、勤務時間の75%以上がオフィス内で過ごすという調査結果もあります。
室内の空気質は建材や内装、外部や人由来の空気汚染物質の影響により2~5倍も汚染度が高いとされているので、それを改善する必要があるという流れから重要な要素となっています。
「A」:Air:空気 摂取する物
人間が空気を取り込む量は水や食事よりも多く、1日で18㎏を取り込む必要があります。
そのため健康への影響を与える要因となる「菌・ウイルス・化学物質」なども多く含まれ、食事や水と同様に空気にもこだわることが重要であるという考えから来ています。
「Q」:Quality:質 改善する要素
空気の質を決めるのは全部で7つの要素があるとされており、基本的に対策済みであることが多い「温度」「湿度」「清浄度」「気流」4要素と、追加で対策が必要な「除菌」「脱臭」「香り」3要素から空気の質が決まるとされています。
4要素については、昔から空調設備で快適性が追求され多くの技術革新がなされてきましたが、3要素については、課題がある場合に部分的に対応がなされているのが現状です。
とこれまで紹介した「I」ndoor、「A」ir、「Q」uality、のこの3つの頭文字をとってIAQ(室内空気質)と呼ばれており、こちらを把握しておくことで、「なぜ改善する必要があるか?」「何を改善する必要があるか?」を理解することができます。
IAQの効果と要素ごとの対策法を比較
IAQが注目されているのは室内空気質改善による、健康への影響だけでなく仕事の効率化やパフォーマンスの向上効果にも注目を集めているからです。
こちらではそんなIAQの改善策として重要な「除菌・脱臭」の要素についての対策方法の比較紹介もしていきたいと思います。
IAQの効果とその必要性
参考文献:ハーバード大学
IAQの効果の高さはハーバード大学の研究によって証明されており、VOCが低い環境での生産性が通常と比べて2.01倍になったというデータがあります。こうした重要性から、ホワイトハウスも室内の換気改善の重要性を強調し、
①空調換気システム
②空気濾過(HEPA・MERV-13)
②紫外線殺菌照射(UVGI)
に対して州・地方自治体:3500億ドル、学校:1220億ドルが提供されるほど、世界的に見てもIAQ(屋内空気質)は注目されており、重要な取り組みとして力を入れている不動産が増加傾向にあります。
IAQの要素ごとの対策法を比較
4要素については、上述の通り対策としては主に空調設備や室内側の空気の吹出口である制気口によって対策されることが一般的です。
一方の空質3要素についてはそれぞれ、対策対象とする物質が異なることから、本来はそれぞれに対して適切な手法を選定する必要があるためそれぞれ解説していければと思います。
ニオイ
脱臭システム | 酸素クラスター |
オゾン発生器 |
活性炭フィルター |
光触媒 |
---|---|---|---|---|
イメージ図 |
|
|
||
脱臭原理 | イオン分解 | 酸化分解 |
臭気を吸着 |
酸化分解 |
脱臭方法 | イオン拡散 |
オゾン拡散 |
吸着式 |
室内循環 |
取付位置 | 天井・置き型 | 天井・壁 |
ユニット内 |
天井 |
脱臭効率 |
70~80% | 70~80% |
スペックによる |
60~70% |
問題点 | 特になし |
・アンモニアに不向き ・人体に影響あり、管理濃度0.1ppmを調整 |
・室内環境の改善にならない ・メンテ頻度が高い |
・脱臭効率が低い ・硫化水素とカビに不向き ・電気代が高い |
人体への影響 | 無し | 有り |
無し |
無し |
備考 |
・排気&室内環境を改善 ・除菌も期待できる ・喚起回数の低減 ・管理費が安い |
・オゾン管理が難しい ・メンテコストが高い ・人体に影響がある |
・多くの臭気に対応 ・ミスト&ダストには不向き ・弱い臭気も脱臭可能
|
・メンテコストが高い ・光触媒表面を清潔に保つ必要がある
|
総合評価 | ◎ | 〇 |
△ |
△ |
室内で対策すべきニオイは、主に室内に発生源がある場合、外部から侵入してくる場合の2通りのケースが考えられます。
室内に発生源がある場合の臭気対策方式の比較について整理してみました。
細菌・ウイルス
感染対策として、いくつかの方式がありますが、対策方法を選ぶ場合は以下の項目に留意する必要があります。
- 人のいる空間にダイレクトに効果を発揮出来ること
- 付着・浮遊している細菌やウイルスの双方に効果を発揮できること
- 人体に対して安全無害であること
香り
ディフューザーにも、噴霧式や気化式といった様々な方法で香りの空間演出をすることが可能です。
ただ、香りの強さや設定などを誤ってしまうと、不快に感じてしまうこともあるためそれぞれ調整が必要となります。
IAQ対策のメリット&デメリット
- 不動産のブランディングに繋がり資産価値が上がる
- 健康経営や人的資本経営に取り組んでいる優良企業をテナントして誘致しやすい
- IAQは低コストでも改善できる可能性が高い
- IAQが向上することで、生産性向上につながり働き方改革への取組みの一助となる
- IAQが向上することで、換気量を増やさずに済み、省エネ&CO2抑制に貢献できる
- 空調まで整備しようとするとコストが高くなってしまう
- 目に見えない物なので、実際に良くなっているか実感しにくい
- 保守保全に維持コストが発生する
IAQ対策がおすすめの施設
IAQ対策は人が長時間利用する施設にも向いていますが、体調を崩してしまうと困る方が 大勢利用する施設にもおすすめのとなっております。具体的には
IAQ対策をおすすめする施設 | ||
---|---|---|
オフィス | ホテル | ビル複合施設 |
病院 | 老健施設 | 大学 |
といった場所でIAQは取り入れられており、大手企業や大手建築会社がウェルビーイングの一環として、取り組くんでおられることが多いです。
IAQに関わる要因と、その影響
室内空気質(IAQ)は空気に含まれるのは、酸素の量や化学物質だけでなく、温湿度やニオイといった人間の感性に関わる部分にも要因があり、呼吸により吸うものだけでなく、感覚的な部分も重要視されています。
では、実際にIAQによって、人や仕事へ実際にどういった影響を与えるか詳しく解説していければと思います。
IAQが与える人体の健康リスク&仕事への影響
空気質 |
主な原因/発生源 |
健康リスク |
---|---|---|
温度 |
天候・空調設備 |
熱中症・脱水症・リウマチ症悪化・呼吸器系疾患、感染症の罹患リスク増大 |
CO2 |
人の呼吸 |
眠気・集中力低下・頭痛・めまい・吐き気・意識消失・失神 |
花粉 |
杉・ヒノキ等 |
くしゃみ、鼻水、鼻づまり等アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎 |
PM2.5 |
大気 |
喘息・気管支炎・肺がん |
黄砂 |
大気 |
眼、鼻、皮膚などのアレルギー症状、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患 |
気流 |
制気口・空調設備 |
不快感・集中力低下 |
におい |
内部から発生 外部からの流入 |
不快感・集中力低下 |
細菌・ウイルス |
人由来 |
各種感染症 |
香り |
人ゆらい・室内設備 |
化学物質過敏症 |
普段あまり気にすることのない、二酸化炭素濃度や湿度だけでも「眠気や集中力の低下」といった仕事へのパフォーマンスを低下させてしまう可能性があります。
また、空気質が悪い空間に滞在し続けると、頭痛や呼吸器系への影響だけでなく、人によってはアレルギー症状(主にシックハウス症候群)にまで発展してしまう場合があるため、長時間滞在する場所の空気質の改善は重要です。
逆に「脱臭・除菌」と「香りの追加」を行った空間では、脳が活性化し問題への正答率が1.3倍まで上昇したという杏林大学との共同研究データもあり、IAQを整備することで健康促進だけでなく、仕事の効率化を図ることも可能です。
弊社IAQ対策事例を紹介
オフィス環境に香りを取り入れることで、ストレスを軽減しリラックスして働ける空間演出がしたいとのことで、業務用アロマディフューザーの導入をして頂きました。
実際に当社では脳科学の第一人者「杏林大学の古賀良彦名誉教授」との共同研究により、脳のパフォーマンスやテスト正答率が向上したことから、ワークライフバランスにも寄与している可能性があると考えられます。
また、香り疲れしにくい高品質の香料を大空間でもフワっと香る高性能アロマディフューザーを使用して拡散するため、オフィス全体に香りを届けることができます。
奈良県庁職員の方からも、ご好評頂いており「いい香りがした。」「リラックスしながら仕事ができる」など嬉しいお声を頂いております。
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オフィス内に、会議やランチ時にフリー利用できるリフレッシュエリアにて、食後のニオイの脱臭や、コミュニケーション推進による除菌対策についてご相談頂きました。
従業員の方の間で1番問題となっていたのは「お弁当のニオイ」。就業時とランチタイムとの切り替えができないことや、社外の方とも会議に利用することから苦情が発生している状態でした。
ただ、設置に関しては「WELL認証」や「健康経営」の観点から、オフィスの景観を損ねず問題を解決しなければいけないという課題があったため、今回は「天井埋め込み型」の除菌脱臭装置をご提案させて頂きました。
今回、導入させて頂いたシルフィードminiには確かな除菌脱臭のデータがあり、有人環境でも使用できる安全な方法となるため、安心してご使用頂けます。
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IAQを向上するための方法を紹介
窓を空けて正しい換気を行う
中間期(秋や春)の場合は2か所の窓を開けて、1時間に2回(5分間)の換気行うことで効率良く空気の入れ替えをすることができます。
空気清浄機や除菌脱臭機を導入する
「温度・湿度・気流」に関しては既存の空調やエアコンなどで解決してしまうことが多いですが、除菌や脱臭機能は付いていないことが多く、コストも安いため効率良くIAQ向上が図れます。
ディフューザーで空間に香りを追加する
香りは大脳辺縁系に直接働きかけるため、集中力やリラックス効果を高めるといった論文なども多く、空気質以外の新たなベネフィットとしても活用することができます。
IAQについてよくある質問
WELL認証にIAQは重要?
WELL認証を受けるには空気質はとても重要な項目です。全分野には、「空気・水・食物・光・運動・温熱快適性・音・材料・こころ・コミュニティ・イノベーション」がありますが、「A:空気」には、この中でも18点の加点項目があります。
室内空気質はなぜ重要視されるようになったの?
感じ方に個人差が大きいことに加えて、計測が難しく見える化が困難な為に客観性のある評価がしづらい為に対策検討が難しいということが背景にあるように思います。
しかしながら、年々これら空質3要素による身体への影響が無視できなくなってきています。
新型コロナウイルスや新型インフルエンザ等の未知のウイルスの影響、カビや花粉によるアレルギー性疾患の影響、香害と呼ばれる人口香料由来の化学物質過敏症の発症など、従来の空調設備だけでは対応しきれない要素の品質向上が求められるようになってきました。