オゾンによる除菌で用いる、CT値とは何ですか?
CT 値 ( Concentration-Time Value )は、オゾンなどの物質が菌やウイルスを不活化する(増殖できなくする)力を表すときの評価指標で、オゾン濃度(ppm)と曝露時間(min)の積から算出されます。定められたCT値と、同一のCT値となるようにオゾンを燻蒸することで、除菌・ウイルス除去の効果が得られます。
オゾン発生器を使って除菌・ウイルス除去を実施する際は、このCT値に基づいてオゾン発生器を運転する時間(オゾン燻蒸時間)を定めることが大切です。運転時間(オゾン燻蒸時間)の計算方法は以下の通りです。
【計算式】
オゾン理論濃度(ppm)※1 = オゾン発生量(mg/h) ÷ 室内容積(㎥) ÷ 2.14※2
理論濃度での運転時間(分) = CT値 ÷ オゾン理論濃度(ppm)
実際の運転時間目安(分) = 理論濃度での運転時間(分) × 2 ~ 3※3
※1 オゾン理論濃度(ppm)は、1時間運転後の室内における目安の値です。
※2 定数“2.14”は、オゾンの分子量(48)を標準状態における体積(22.4 L)で割った値です。
※3 オゾン発生から理論濃度に達するまで室内環境によって一定の時間を要するため、実際では理論値の2~3倍ほど長く運転する必要があります。
なお、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策としては、「CT値330」を運用値として推奨しております。
CT値330は、厚労省PMDAによる医療機器認証の実証実験値であり、奈良県立医科大学等の研究グループにより世界で初めて新型コロナウイルスに対する不活化効果が確認されました。(*)(*奈良県立医科大学,MBTコンソーシアムの研究グループによるプレスリリース,2020.05.14)
■CT値330を用いた場合の運転時間目安例
休憩室を新型コロナウイルス除去対策する場合:
休憩室が面積15 ㎡、高さ2.5 m、
オゾン脱臭機の性能がオゾン発生量1500 (mg/hr)とすると…
(1) 使用条件を調べる
面積:15 (㎡)、 高さ:2.5 (m)、 オゾン発生量:1500 (mg/hr)
(2) 「容積」を計算
容積 (㎥) = 15 (㎡) × 2.5 (m) = 37.5 (㎥)
(3) 「オゾン理論濃度」を計算
オゾン理論濃度 (ppm) = 1500 (mg/hr) ÷ 37.5 (㎥) ÷ 2.14 = 約18.69 (ppm)
(4) 「運転時間」を計算
理論濃度での運転時間 (分) = 330 ÷ 18.69 (ppm) = 約17.7 (分)
実際の運転時間目安 (分) = 17.7 (分) × 3 = 約53 (分)
→実際の運転時間目安:約50~70分
※運転時間と別に換気時間が必要です。
■オゾンを用いたその他の【ウイルス対策事例と運用方法】はこちら。
オゾン発生器【ゲルリッツ】特設サイト