脱臭フィルター
目次
脱臭フィルターには最も有名な活性炭の他にも、セラミック素材のフィルターなどがありそれぞれ特徴が大きく異なります。
そこで本記事では「脱臭フィルターにはどんな違いがあるの?」という方のために、下記の様な内容を紹介していければと思います。
このページで解決できること!
「脱臭フィルターごとの特徴や効果を知りたい!」
「フィルターごとに効果を比較したいと思っている」
「脱臭フィルターはどんな工場や施設で使用されてるの?」
「種類ごとに価格を比較してから検討したい!」
といった疑問や悩みについてお答えしています。まずは脱臭フィルターごとの特徴について紹介しているので、よろしければ参考にしてください。
脱臭フィルターとは
脱臭フィルターとは、「置き型脱臭器・施設のダクト内・工場脱臭装置」などに設置することで臭気成分を取り除くためのフィルターです。
特に脱臭フィルターといえば活性炭を練り込んだ物が有名ですが、現在では様々な用途に対応するために、その種類は増加しています。
臭気の強さや排気風量などに合わせて、フィルターの形状・素材を変更することで最適な脱臭力&コストに調整可能です。
また、脱臭フィルターを設置するだけなら設備工事の必要がない場合もあるため、安く済む可能性が高いところも魅力となっています。
脱臭フィルター商品ごとの特徴を解説
商品名 |
ゼオガイア |
狂着フィルター |
狂着フィルターΦ |
コルゲート ハニカム |
フレックス カーボン |
カルソーブ (破砕炭) |
---|---|---|---|---|---|---|
材質 | セラミック無機繊維素材(不燃性) | 不織布 | 不織布+ 発砲ウレタン |
活性炭ペーパー | 発砲 ウレタンシート |
金属製容器 |
推奨使用風速 | 1.0~3.0m/sec | ~ 2.5m/sec | ~ 1.0m/sec | ~ 2m/sec | ~ 2.5m/sec | ~ 1m/sec |
重さ | 中間 | 軽い | 軽い | 軽い | 軽い | 重い |
脱臭力 | 強 | 弱 | 弱 | 中 | 中 | 強 |
コスト | 高い | 安い | 安い | 中間 | 安い | 中間 |
用途 |
・高濃度排気 ・高温排気に |
・OA対策 ・喫煙室排気 |
・住宅の24時間 換気口 ・アネモの吹出口 |
・各種排気臭 対策 |
・OA対策 | ・大排気量の 本格脱臭 |
ゼオガイアフィルター
|
ゼオガイアフィルターは厨房排気臭に高い脱臭性能を発揮しますが、フィルター自体の性能が高いため工場用としても活用されることの多い脱臭フィルターです。
またフィルターの効果を維持するために、臭気排出のピーク時には強力に脱臭、その後少しずつ臭気を放出する徐放効果があるため、劣化を防ぎ長期間の使用を実現しています。
狂着フィルター
|
主な利用シーンはマンションやビルの吸気や喫煙室の対策用として活用。汎用サイズの角形で通常は100角~600角の正方形で大きさも様々なので設計のしやすい特徴があります。
全面がプリーツ上になっているため、ろ材の展開面積が大きく吸気との接触率が増えることで脱臭効率を高めています。
また、本体自体も軽く活性炭の粉が落ちにくい構造となっているため、メンテナンス性も高いフィルターとなっています。
狂着フィルターΦ
|
オフィスやマンションなどの吸気についている丸形のダクトにそのまま使用できるように、狂着フィルターを丸形に加工しました。
丸形の場合は外側をプリーツ上にすることでろ材の展開面積を確保。中央部分は抵抗が上昇するのでフレックスはカーボンを使用したハイブリット式となっています。
本来対策が難しいとされた「OA取入口(給気口)&アネモ吹出口内部」といった、24時間換気への対策を可能としました。
コルゲートハニカム
|
活性炭原料の有機繊維シートをコルゲートハニカム状にすることで、接触面積を増加。接触率を高め臭気物質が効率よく吸着する構造となっています。
従来の押出成形で製造される6角形のハニカム型と比較しても、早い風速に対応しておりコンパクトになった分、省スペースに設置することができるようになりました。
またフィルター自体も軽量となっていて、自立することができるためフィルターの枠が不要といった点もメリットとなっています。
フレックスカーボン
|
薄く軽いため使用にはアルミ枠が必要となりますが、現在使用しているフィルターがあれば変更して頂くことも可能です。
薄型ですが含有している活性炭は非常に多くなっているので、脱臭力は高く吸気対策として強い脱臭効率を発揮します。
カルソーブ(破砕炭)
|
賦活処理した活性炭を、細かく破砕、もしくは成形した一般的な形状です。多くの活性炭含有量を誇りつつ、比較的安価で対策が可能です。
専用のカートリッジに活性炭を充填して、そのカートリッジをフィルターボックス内に設置することで対策を行います。カートリッジをジグザグに配置することで装置のコンパクト化を図ります。
脱臭フィルターの効果
脱臭フィルターは主に活性炭フィルターとセラミックフィルターで効果が大きく分かれるため、それぞれの効果や導入施設の違いについて解説していければと思います。
脱臭フィルター効果を他脱臭装置比較
排ガス処理装置 | 脱臭力 |
おすすめの施設 |
|
---|---|---|---|
風量 |
小 |
大 |
|
活性炭フィルター | 〇 | × |
香料工場、動物飼育舎、喫煙所、オフィス、ビル、複合施設、マンション |
セラミックフィルター | 〇 | △ |
厨房排気用・食品工場(ニンニク・カレー・スパイス・料理調理・焦げ臭・シロップ臭など)・香料工場・化学工場(有機溶剤) |
活性炭フィルターは小規模の脱臭を得意としており、ビルなどの吸気対策(OA臭気対策)に用いられるなど、施設内外で発生するような弱い臭気に対して効果を発揮します。
また、活性炭フィルターはセラミックフィルターと比べて安価で加工しやすいことから、活性炭フィルターが幅広く採用されていることが多いです。
セラミックフィルターは厨房排気に特化している不燃性の高機能フィルターで、脱臭能力が高いだけでなく、高耐久なのでランニングコストを安く抑えることができます。
用途も厨房の他に、工場などの排気にも使用されるほどの脱臭性能を誇るので、強い臭気に対しての対策や徹底した脱臭対策に適しています。
ただし、風量が大きい場合や臭気が強すぎる場合には、他脱臭装置の方が適している可能性があるので、設備や臭質によっては最適な装置を導入することが大切です。
脱臭フィルターが効果的な臭気や設備
ここまでで他の脱臭装置やどんな違いがあるかまでは理解して頂けたと思うのですが、もう少し具体的に活性炭フィルターが適した臭気や設備についてピックアップしました。
- 厨房や食品工場などの調理臭に特化したニオイ
- 設計や設置のコストをなるべく抑えたい方に」
- 発火性NG、湿式NG、化学薬品NGの混入がNGである製造ライン
- オイルや粉塵といった排気が少ない場所
- タバコや外気の侵入臭気(OA臭気)などの弱いニオイ
- 湿度が低く、ミストが発生しない臭気
- 粉塵などが発生しない臭気
- 排気風量が小さく接触時間が長くなる場合
- 既設の設備を利用して低コストで対策したい場合
といった条件を満たしている臭気や設備に適しており、まとめると【小規模排気設備×湿気粉塵を含まない弱い臭気】に対して、効果&コストパフォーマンスが高くなる特徴があります。
脱臭フィルターの導入事例
セラミックフィルタ―の導入事例
施設・厨房排気への導入事例
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STEP1
臭気苦情を
未然に防ぎたい
STEP2
状況や設置条件の調査
STEP3
厨房排気用の装置選定
STEP4
天吊り省スペースの設計
STEP5
脱臭効果の確認
STEP6
導入完了
工場への導入事例
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STEP1
臭気苦情が
発生
STEP2
状況の調査
STEP3
最適な脱臭方法の立案
STEP4
既設設備の改善を立案
STEP5
装置の設計
STEP6
脱臭装置の導入
活性炭フィルタ―の導入事例
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STEP1
空調から
臭気が侵入
STEP2
状況の調査
STEP3
最適な脱臭方法の立案
STEP4
フィルター
を選定
STEP5
装置の設計
STEP6
脱臭装置の導入
あらゆる施設の臭気に対して最適な脱臭方法を選定。
活性炭フィルターだけでなく、臭気に対して有効な悪臭問題を理論的に解決いたします!
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脱臭フィルターの仕組みを解説
セラミックフィルターの仕組みや特徴を解説
セラミックフィルターも他のフィルターと同様に細孔が臭気分子を強力に吸着することで脱臭する仕組みとなっています。
また、吸着した臭気がそのままだとフィルターの寿命が短くなってしまうのですが、臭気が弱まったタイミングで徐々に臭気を放出するため、効果の持続力が長く交換頻度が少ないためコストパフォーマンスにモ優れております。
脱臭フィルターの仕組みや特徴を解説
活性炭フィルターには細孔という複雑に入り組んだ穴が無数に空いており、「ミクロ・メソ・マクロ」と大~小まで幅広い物質を吸着できる仕組みとなっております。
ただし、臭気物質や有害物質によっては物理吸着との相性が悪く、効果が減少してしまったり、活性炭フィルターの寿命(ライフ)が著しく短くなってしまうため、対策したい物質によって物理吸着と化学吸着を使い分ける必要があります。
脱臭フィルターのQ&A
脱臭フィルターの耐久性と交換頻度は?
脱臭フィルターの種類にもよりますが活性炭の場合だと「1~2年」となっております。
セラミックフィルターの寿命は3年に1回のペースで、1番劣化の激しい1層目のみ交換を行います。
その際には、2層目を1層目に入れ替え、新しいフィルターを1番後ろの層に入れるようにして交換します。
脱臭フィルターの廃棄は可燃?産廃?
家庭用の脱臭フィルターであれば可燃ごみとして排気することが多いのですが、業務用の脱臭フィルターの場合は吸煙している成分により、処分方法が変化します。
業務用であっても危険物や薬品を吸煙している場合は、危険物・薬品と同じように処理する必要があります。
また、業務用のフィルターをご使用の場合は産業廃棄物として処理することが一般的ですが、地域ごとのに条件が変化する場合もあるため、詳しくは近隣の産業廃棄物業者にお問合せ下さいませ。
脱臭フィルターのまとめ
脱臭フィルターにも様々な種類があり、それぞれに適した臭質や臭気濃度があることを解説してきました。脱臭フィルターの特徴をまとめると
- 加工がしやすいので設備工事が簡素で低コスト
- 活性炭フィルターは加工が安価に取り付けできる特性
- セラミックフィルターは耐久性が高く約3年に1回の交換頻度
- 生活臭・タバコ臭・飲食店排気などの臭気が得意
- セラミックフィルターは厨房で発生する
- フィルター自体が安価なので、費用を抑えることができる
- 工場レベルの強力な臭気には対応できない可能性が高い
- 活性炭フィルターの交換頻度は約1年に1回
- 超高濃度排気は十分な脱臭効果を得ることができない。
- 湿度が高い、粉塵が多い排気に対してコスパが悪い
セラミックフィルターや活性炭フィルターにも良し悪しがあり、設備や臭質によっては不向きの可能性もあるため、原因や既設の設備なども調査した上で最適な脱臭装置を選定することがおすすめです。