順応
持続する同一刺激に対し、その器官の感受性(閾値)が次第に変化してその刺激に相応した値に落ち着くこと。においの「慣れ」の現象である。
嗅細胞の応答性の低下が一因といわれ、におい物質に活性化される陽イオンの透過性そのものが時間依存的に不活性化するためである。
この順応過程には嗅細胞外のCa+2が不可欠で、膜のチャンネルを通って細胞内に流入したCa+2が透過性を不活性化すると説明されている。その際、神経インパルスの頻度は次第に減少してゆく。この順応には、刺激したにおいにのみ順応し、他のにおいには感度を失っていない自己順応と、あるにおいに順応すると一部の他のにおいにも順応する交叉順応がある。