6段階臭気強度表示法
臭気強度表示法の一つ。日本ではもっとも広く使われており、具体的には以下の表現が用いられる。
《6段階臭気強度表示法》
臭気強度 | 判定の目安 |
0 | 無臭 |
1 | やっと感知できるにおい(検知閾値) |
2 | 何のにおいであるかわかる弱いにおい(認知閾値) |
3 | 楽に感知できるにおい |
4 | 強いにおい |
5 | 強烈なにおい |
0.5 間隔で尺度を表すが、0〜1では判別出来ないゆえに0.5 間隔は⽤いないため、全部で11段階となる。
悪臭防止法の「敷地境界戦における規制基準(1号基準)」では、その具体的な基準値(数値)は、都道府県知事・市及・特別区の長がこの6段階臭気強度の「2.5~3.5」の範囲内で定めることとされている。
さらに、基準値に使用される数値尺度は「特定悪臭物質(22物質)濃度」と「臭気指数」の2種類があるが、それぞれの尺度における「6段階臭気強度 2.5~3.5 の範囲内」というのは、以下の通りである。
《臭気強度と特定悪臭物質への換算》
No | 物質名 | 規制濃度範囲 (ppm) | においの種類 |
1 | アンモニア | 1~5 | し尿のようなにおい |
2 | メチルメルカプタン | 0.002~0.01 | 腐った玉ねぎ臭 |
3 | 硫化水素 | 0.02~0.2 | 腐った卵臭 |
4 | 硫化メチル | 0.01~0.2 | 腐ったキャベツ臭 |
5 | 二硫化メチル | 0.009~0.1 | 腐ったキャベツ臭 |
6 | トリメチルアミン | 0.005~0.07 | 腐った魚臭 |
7 | アセトアルデヒド | 0.05~0.5 | 刺激的な青ぐさ臭 |
8 | プロピオンアルデヒド | 0.05~0.5 | 刺激的な甘酸っぱい焦げ臭 |
9 | ノルマルブチルアルデヒド | 0.009~0.08 | 刺激的な甘酸っぱい焦げ臭 |
10 | イソブチルアルデヒド | 0.02~0.2 | 刺激的な甘酸っぱい焦げ臭 |
11 | ノルマルバレルアルデヒド | 0.009~0.05 | むせるような甘酸っぱい焦げ臭 |
12 | イソバレルアルデヒド | 0.003~0.01 | むせるような甘酸っぱい焦げ臭 |
13 | イソブタノール | 0.9~20 | 刺激的な発酵臭 |
14 | 酢酸エチル | 3~20 | 刺激的なシンナー臭 |
15 | メチルイソブチルケトン | 1~6 | 刺激的なシンナー臭 |
16 | トルエン | 10~60 | ガソリン臭 |
17 | スチレン | 0.4~2 | 都市ガス臭 |
18 | キシレン | 1~5 | ガソリン臭 |
19 | プロピオン酸 | 0.03~0.2 | 刺激的な酸っぱい臭 |
20 | ノルマル酪酸 | 0.001~0.006 | 汗臭い臭 |
21 | ノルマル吉草酸 | 0.0009~0.004 | むれた靴下臭 |
22 | イソ吉草酸 | 0.001~0.01 | むれた靴下臭 |
《臭気強度と臭気指数への換算》
臭気強度 | 2.5 | 3 | 3.5 |
▼ | ▼ | ▼ | |
臭気指数(全業種) | 10~15 | 12~18 | 14~21 |
悪臭防止法で定められる「特定悪臭物質」と「臭気指数」の詳細については、以下のページで詳しく説明しています。
なお、「臭気強度」という言葉が使用される場合には、「6段階臭気強度」のほかに「臭気排出強度」という用語をさすことがあります。
臭気排出強度とは
排出⼝から排出される臭気の総量的な排出強度を把握する世界的指標であり、
煙突や排出口等から排出される臭気の臭気濃度に排ガス量(m3N/分)を乗じて求められます。
臭気排出強度(OER) = 臭気濃度 × 乾き⾵量(m3/分。標準状態における排ガス量)
悪臭防止法の排出口規制(2号基準)では、臭気排出強度の算出が求められる場合があります。
【参考資料】
- 環境省/悪臭防止法の概要 サイト:https://www.env.go.jp/air/akushu/low-gaiyo.html
- 環境省:「悪臭防止法パンフレット」
- 環境省:「よくわかる臭気指数規制2号基準 パンフレット」
- 環境省/におい対策 サイト:https://www.env.go.jp/air/akushu/akushu.html
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