硫化水素の脱臭対策/工場設備の排気
硫化水素対策
この3年間、真正面から真っ向勝負していたとある施設の硫化水素対策。
硫化水素は脱臭が簡単である。
排水処理みたいに硫化水素主体の硫黄化合物だけなら、現場に行かなくたって対策案が組めるし、ライフも計算できる。
が、そこに高濃度の有機溶剤と二酸化炭素が入ると一気に難しさを増してくる。そんな現場がどこに??と聞かれると、石油化学工業としか言えないが、15年もやってて初めての現場である。
苛性ソーダは二酸化炭素と亜硫酸ガスによって、硫化水素との反応余力を奪われ、とてつもなく莫大で費用のかさむ設計になってしまう。
じゃ、硫化水素の時によく使うヨウ素添着活性炭はというと、高濃度の有機溶剤を吸着し、発熱もしくは発火してしまう。
石油化学工場で発火したら、切腹ものである。
最終的に選んだ方式はマイクロゲル+NaOHである。
有機溶剤をマイクロゲルに吸着させ、不活化した状態でNaOHが硫化水素を仕留める。
机上の計算なら簡単だが、実際はそう簡単にはいかない。マイクロゲルのミストが乾燥して消失してしまったり、どろどろの重油成分に噴霧ノズルが詰まったり。
とにかく一つの問題を超えれば次の問題が来る。
最初から我が社が設計していれば、ここまで苦しむことはなかったが、当初目論見の甘い設計で入った主要な装置類がその苦しみを生み出しているのである。
もちろん私どもに責任はないが、改善を請け負った以上、そのミスを克服するために頑張らないといけない。
こういう時はとにかく現場である。
現場で苦しみ、現場で考え、現場で試行錯誤する。
一所懸命にやってれば、ある時、必殺案が浮かぶ。
今回の取り組みでマイクロゲルの9番目のラインナップ商品が完成した。
その商品をひっさげてのファイナル。
結果は、あと一息。
もう少しである。
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