臭気対策をするにあたって
ビールは本当に美味い。
僕はプレミアムモルツが大好物であるが、今回は違うメーカーさんの仕事。
ビールを造る過程で発生する排水の処理プラント。
そこから出る悪臭が苦情を発生させている。
工場の新設時に設置されている脱臭装置がほとんど効いていない。
もちろん我が社ならこんな設計はしない。
が、安ければ何でもいいというこの時代に、非生産性設備の脱臭装置にコストはどうしても削られがちである。
それにしても稚拙な設計である。洗浄塔では国内有数のメーカーがこの程度の設計しかできないことに、がっかりとする。なぜ間違えたのかも設計仕様を見ているとわかるのである。同時に団塊の世代の引退に伴う技術継承問題がちらりと頭をよぎる。
今回の仕事は最終的には脱臭装置の設計を行うのであるが、現状どれだけ臭気が出ていて、どこまで取ればOKなのかを把握するためのコンサルテーションである。完全無臭まで脱臭すればそれはそれで良いことだがお金がかかって仕方がない。
どれだけをどこまで。
それが重要なのである。
工場中を回る。臭気は現場が一番大事である。
これはとある分析をしているところ。内容は特許級なので内緒。
最後に、お客さんに現状がどんな状況でどんな症状があって、どういう対策をしないといけないかを懇懇と解説する。
いつも思うのであるが、臭気は目に見えない。
目に見えないものを見えないままに何で対策をするのか。
まるで、お腹が痛い患者が、自分で胃ガンだと判断して、自分で手術をし、薬を選ぶようなものである。
このお客さんは超大企業なので、その辺しっかりと判断してから対策をしようという社内プロセスがあるが、ほとんどの企業は、病気もわからないままに手術を執行してしまう。
そして、傷だらけ、包帯だらけ、手術費用も使い切って、満身創痍で我が社へ相談に来るのである。
そして、今まで掛けたお金の半分で、対策ができたことを知り、
こんなに素晴らしい技術を持っていて、
なぜ営業に来なかったんだ!!
と激怒するのである(笑)
もちろんおっしゃるとおりなのだが、産業工場のコンサルチームは日々そういうお客さんに追われて、一切こちらから営業を掛けられない状態が続いている。
臭気対策は、まず現状を把握することから。
ここから始めないといけない。
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