鋳物工場の臭気対策2
鋳物工場の臭気対策は、まずは周辺の環境調査から始める事が大事。
鋳造工場から出る臭気物質は、代表的なものはアンモニアとホルムアルデヒド。フェノール類である。アルデヒド類は大量の焦げ臭を伴う。その臭気の配分は金属の種類から、鋳造機の形状や温度、シェル・中子の砂作りの段階で何を入れるか、レジンに何を使うかなどで、大きく変わる。しかし、そこから折っていくのではなく、結局現場で臭気判定士が嗅いで、どの臭気が遠くまで飛んでいるか、それを見極めなければならない。
栗泥棒でもお茶泥棒でも無い。
においを追っかけて行き止まりにぶつかったの図。
続けて、実際の排気口の調査である。
ここは光触媒からマスキング消臭剤、電気集塵機まで様々な脱臭を企てたものが並んでいる。
事前調査の段階で、「ほとんど効果が出ないと思われる」との見解を出していたが、こういうのも理論ではなく、実際に嗅いでもらった方がいいのである。
その結果、光触媒と電気集塵機は全く臭気を取っていなかった。
光触媒脱臭装置 入口4900→出口4900
電気集塵機 入口1600→出口1600
ここだけでなく、こういったケースが本当に多い。
その理由として、光触媒は表面の二酸化チタンに紫外線を当てて励起させて何ぼの世界。個人的にはそんなんで部屋の臭気は取れても産業工場の臭気は取れっこないと思っているが、更に悪いことに、今回の排気はフェノールを伴う。
フェノールは融点が40度であり、常温だと固形化する。飴色玉のフェノールに覆われた二酸化チタンは何もできない。ただ、圧損を増やして電気代を押し上げているだけである。
電気集塵機も答えは一つ。
電気集塵機は100ミクロンとか数十ミクロンの粒子を取るもの。煙とか花粉とかの、いわゆる固体を静電させて、吸着除去させるのである。固体、目に見えるものを取る能力はずば抜けていると思う。
が、臭気はガスである。気体であって固体ではない。分子の大きさもミクロンではなく、オングストローム(Å)である。3桁も4桁も小さいのである。
それが解らないお客さんが多い。
何度も言うが、臭気は目に見えない。
見えないからこそ、しっかりと把握して適切な対策をしないといけないのである。
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