今回はRPF工場の脱臭装置のお話。
「RPF」とは Refuse Paper & Plastic Fuel の略称であり、
主に産業系廃棄物のうち、マテリアルリサイクルが困難な
古紙及びプラスチックを原料とした高カロリーの固形燃料です。
今までは埋めるしかなかったブルーシートや様々なプラスチックを燃料として再利用できるというこれからの環境ビジネスを引っ張っていく一つのビジネスモデルでもあります。
埋め立て地がいっぱいになる時間は稼げますし、石油燃料の使う量も減ります。
RPF燃料の使用を義務づけた法改正の後押しもあり、近年急激にこの製造工場数が増えております。RPF燃料の元となる不燃ゴミも足りなくて、最近では埋め立て地から引っ張り出してきたりもするそうです。
が、元々RPF工場はそんなに強い臭気が出るところではありません。
臭気成分も、有機溶剤を中心に、アンモニア・低級脂肪酸とアルデヒドが少々といったところ。
ほとんどのケースにおいては脱臭装置は不要かと思われます。
京都府の宮津にあるこの工場の周囲は住宅が立ち並んでいました。
そこで操業を始めた途端に悪臭苦情が出てしまいましたが、近年ではまれに見る豪傑な社長さんの一言でマイクロゲルスクラバーが一発導入。
悪臭対策はお金をけちってはダメです。
安かろう悪かろうの脱臭技術がはびこるこの業界で、それをやっちゃうと泥沼になるし、いつまでやっても解決しない悪臭苦情に、住民の感情も行政のサポートもどんどんと悪い方向へ行ってしまい、最後孤立してしまうのです。
脱臭装置は安いものではないので、最後は経営判断になります。
入れたからと言って、生産性や売上高に何の貢献もしない脱臭装置にどれだけお金をつぎ込めるか。
環境への意識、環境問題でつまづいて苦境をなめてきた多くの企業の歴史から何を学んでいるか。
そんな経営者の価値観とセンスが問われる瞬間でもあります。
決して無駄なお金ではないのです。先にやってしまえば最小の金額ですむ。
それが環境問題全般に言える投資です。
ここでは問題が起きて、2ヶ月後には導入されたために、悪臭苦情が一発で解消。
その一年後の定期点検に来ました。
最初は年間コストも300万円と見込んでいましたが、100万円程度で装置の性能が維持できております。私どもとしてはもちろんたくさん使っていただきたいのが本音ですけど、長いおつきあいをしたいですから、一番コストが安くて、必要な脱臭効果(苦情が出ないレベルの排気)が発揮されるセッティングにします。
性能もバッチリで、相変わらず出口は無臭と言っていいレベルでした。
実は、この日、同業者のお客様の見学も兼ねて行われました。
神奈川からはるばるお越し頂いて、一通り装置を見てから、脱臭装置の入口と出口の点検口に鼻を近づけて、大きく頷いて、「ヨシ!」と首を縦に振っていただきました。
環境ビジネス最前線の一翼を担う臭気対策コンサルタントはとてもやりがいがあります。
工場における臭気対策ノウハウの紹介:
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