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臭気判定士の激闘

創業30年、実績90,000件以上。カルモア臭気判定士によるニオイの現場レポート。

増加する飲食店の悪臭クレーム事例/悪臭苦情に対する法規制

(作成日 2022.2.2)

 

飲食店への悪臭苦情は増加傾向にあり、2019年度で669件、うち185件で行政の立入検査が行われました。(「令和元年度(平成31年度)悪臭防止法施行状況調査報告書」データより)

 

不動産開発・複合施設開発・新築マンションなどでは施設竣工後・入居後にニオイ苦情が発生し、オープン直後から臭気対策に悩まれる事業者様が増えております。

 

今回は、弊社でご相談を受けた「飲食店の住民クレーム事例」をご紹介するとともに、苦情解決にむけた対策方法と、なぜ対策が必要なのかを紐解く「悪臭法規制」についてご説明いたします。

 

 

目次(このページのコンテンツ)

1.飲食店の悪臭苦情・クレーム事例

    • 事例1:複合施設テナント/コーヒー店
    • 事例2:複合施設テナント/イタリアンレストラン
    • 事例3:テナントビル/多国籍料理専門店

2.悪臭クレームに関する法規制「悪臭防止法」とは

3.飲食店の苦情発生数・行政立入数の実績紹介

臭気苦情が起きてから対策することのデメリット

まとめ

飲食店の悪臭苦情・クレーム事例

店舗周辺で住民苦情が発生し、弊社へご相談いただいた事例の中から、3つをご紹介します。

 

【事例1】複合施設テナント/コーヒー店    

・苦情対象   :コーヒー臭    

・苦情主    :近隣マンション住民

・竣工時臭気対策:なし

 

 

コーヒーのいい香りでさえも、近隣住民の生活環境に侵入し常時漂うことで悪臭苦情に発展します。

本件も、複合施設テナントに入居していたコーヒー店のニオイが隣接するマンションに流れ、マンション居住者からの臭気苦情が発生しました。

 

臭気判定士により状況調査と臭気測定を行った結果、敷地境界線(複合施設の敷地境界)では悪臭規制値を下回る臭気レベルであったものの、コーヒー店の排気口においては規制値を達成できていませんでした。

近隣住民からは、規制値を十分にクリアすべく、高性能で信頼性の高い脱臭設備を導入するよう求められました。

 

【苦情解決に向けた対策フロー】

① 臭気測定(法定法)を実施し、排出されている臭気のレベルを把握する。

② 苦情解決が可能となる脱臭目標値(臭気低減目標値)を設定する。

③ 実機導入に先立ち、デモテストで脱臭効果を確認する。

④ 排気ダクト内に、厨房排気用 セラミックフィルター脱臭装置【ゼオガイア】を導入。

 

対策の結果、住民による悪臭苦情を無事に解決することができました。

 

③のデモテストは、実際に導入する脱臭装置の小型テスト機を使用し、厨房排気に対して十分な効果を得られるかを事前テストします。

本件のように、すでに苦情が発生しており失敗が許されない場合には、事前に効果テストを行うことで施設ご担当者様や苦情主様のご安心を得ることができ、非常におすすめです。

 

今回の対策で導入した脱臭装置

厨房排気用 セラミックフィルター脱臭装置 ゼオガイア

「設計への組み込みやすさ」第一に、「コンパクト」「高性能」「メンテナンス性」を追求した厨房排気専用の脱臭装置。累計納入枚数は 27,000枚(※)を超える実力。(平成24年度 東京都オープンイノベーション促進助成を受け、厨房・料理臭専用に開発されました。)

 

 

【事例2】複合施設テナント/イタリアンレストラン

・苦情要因   :ピザ焼成時の焦げ臭・煙のニオイ

・苦情主    :近隣マンション

・竣工時臭気対策:なし

 

 

ピザ焼成時の焦げ臭は、焼き魚や焼き肉と同じように「アルデヒド」という嗅覚閾値が非常に低い臭気物質が多く含まれるため、苦情要因になりやすいニオイです。

加えて、これらの調理は油煙が多く、視覚で捉えやすいため、嫌悪感を助長してしまいます。

中には、健康被害を訴えられる苦情主もいらっしゃり、苦情を放置して地域住民との関係性が悪化してしまうケースも少なくありません。

 

本件も、複合施設テナントから集合排気される排気臭に対して、隣接するマンションからの居住者から臭気苦情が発生し、排気臭の中でも顕著にニオイの強いイタリアンレストランの排気臭が、対策の対象となりました。

 

【苦情解決に向けた対策フロー】

① 臭気測定(法定法)を実施し、排出されている臭気のレベルを把握する。

② 当該地域の悪臭規制値を確認。

③ 「臭気拡散シミュレーション」で脱臭目標値(臭気低減目標値)を設定しする。

④ 3つの対策を実施:

 ・厨房排気用 セラミックフィルター脱臭装置【ゼオガイア】を導入

 ・油煙除去装置を導入

 ・排出口の向きを変更

 

対策の結果、住民による悪臭苦情を無事に解決することができました。

 

本件においては、単に脱臭装置を導入するだけでなく、排気方法を工夫する(排気口の向きを変更するなど)などのアドバイスを行い、最低限のコストでより苦情解決に寄与する対策を行いました。

「臭気拡散シミュレーション」は装置を導入する前に、排気口における臭気レベルがどれくらい周辺エリアへ影響を及ぼすかを予測することができます。

苦情が発生しているなど失敗が許されないケースでは、非常に頼りになる技術です。

 

今回の対策で導入した脱臭装置

厨房排気用 セラミックフィルター脱臭装置 ゼオガイア

「設計への組み込みやすさ」第一に、「コンパクト」「高性能」「メンテナンス性」を追求した厨房排気専用の脱臭装置。累計納入枚数は 27,000枚(※)を超える実力。(平成24年度 東京都オープンイノベーション促進助成を受け、厨房・料理臭専用に開発されました。)

 

 

【事例3】テナントビル/多国籍料理専門店

・苦情臭気   :揚げ物臭・フライヤー臭・スパイス臭

・苦情主    :上階オフィスエリア

・竣工時臭気対策:なし

 

 

食の多様化・著しく変化するトレンドにより、馴染みのないニオイが街中に増えています。

刺激性が強いスパイスや香辛料は、油のニオイと混ざることで不快度を増長させてしまうため、苦情の多いニオイの一つです。

 

本件においては、料理店が入居するテナントビルの上層階より、ニオイが常時漂ってくるというクレームが発生し、火急的な措置を求められました。

 

【苦情解決に向けた対策フロー】

① 排出口の向きを変更

② 他社製の簡易型消臭装置を導入

 

本件においては、価格面の比較検討により他社製の消臭装置が導入されました。

しかしながら効果が不十分のため苦情解決に至らず、高性能かつテナントエリア内に収まる脱臭装置への切り替えを検討せざるをえない状況に置かれていらっしゃいます。

 

周辺からの苦情を解決する場合には、中途半端な対応でかえって苦情主の感情を害し、苦情レベルを悪化させてしまうことが少なくありません。

実力・実績・信頼性のある対策技術を導入することをお勧めします。

 

 

まずはお気軽にご相談ください。

 

悪臭クレームに関する法規制「悪臭防止法」とは

①法規制の対象は?

悪臭防止法は、規制地域内の工場・事業場の事業活動に伴って発生する悪臭について必要な規制を行うこと等により生活環境を保全し、国民の健康の保護に資することを目的としており、飲食店舗や飲食テナントも法規制の対象になります。

 

「悪臭」は環境基本法 第2条で定める「公害」(いわゆる典型七公害)中の一つであり、感覚公害として住民の苦情や陳情を受け行政が対策求められます。

 

>> 環境省:「悪臭防止法パンフレット」

 

②規制方法は?

国が悪臭防止法として定めている規制の他に、各地方自治体が独自で定めているものもあり、地方自治体独自で規制を定めている場合にはそちらに準ずる必要があります。

 

国【悪臭防止法】x 地方自治体【(独自の規制基準を設定した)条例等】

 

③規制基準は?

臭気の排出規制及び敷地境界線での管理濃度の基準値として、臭気指数による規制基準と特定悪臭22物質の各単ガス濃度で規制基準を設ける2通りの方法があり、自治体によりどちらか一方もしくは両方とも遵守する事が求められます。

また、事業所の用途地域(工業、準工業、住居区域など)ごとに基準値が定められています。

 

>> 環境省:「においの評価~臭気指数とは」

>> 環境省:よくわかる臭気指数規制2号基準 パンフレット

 

 

④悪臭防止法を順守しないとどうなるの?

以下のフローで行政措置が取られます。

 

【改善勧告】→ 1年 →【改善命令】→ 1年 →【罰金、営業停止】など

 

 

また、規制値をクリアしていても迷惑防止条例による指導が入る可能性はありますし、苦情に応じないことで企業イメージが損なわれる恐れもあることから、事業主は真摯な対応を求められます。

 

(参考) 臭気苦情は敷地外からとは限りません。飲食テナントの上層に住居エリアがある建物では、飲食店からの厨房排気臭が上層住居へ侵入し臭気苦情が発生する事例が多くあります。 このように同一敷地内からの臭気苦情の場合は、行政はあまり関与せず当事者間で解決するよう促されるケースが多いようです

 

焼き鳥調理中

 

 

飲食店の苦情発生数・行政立入数の実績紹介

88ページ

飲食業への悪臭苦情は、2019年度で669件あり、うち185件で行政の立入検査が行われました。

(「令和元年度(平成31年度)悪臭防止法施行状況調査報告書」データより)

 

 

 

悪臭苦情の多くは、住宅地や生活エリアが隣接している飲食店や飲食テナント店舗から排気される調理のニオイが多く、ひとたび悪臭苦情が発生してしまうと改善措置に追われることとなってしまうので、未然防止として飲食の業態と周辺環境状況を鑑み、オープン前に臭気対策を講じることが重要です。

 

 

飲食業の方の「臭気対策マニュアル」

~地域で愛されるための悪臭対策の事例集~

(環境省水・大気環境局大気生活環境室)

 

まずはお気軽にご相談ください。

 

臭気苦情が起きてから対策することのデメリット

設計段階で臭気対策を検討しないリスクとして、竣工後臭気苦情が起きてから対策を講じようとする場合、どのようなデメリットがあるのでしょうか。

 

①飲食店舗や企業ブランドに傷が付く

今はSNSで悪評が拡散される時代ですので、飲食店が発信するSNSにニオイや改善措置の対応について書き込まれる事もあるようです。思わぬ形でブランドが傷つき、事業継続の阻害になるリスクがあります。

 

②脱臭性能の高い装置を入れられない

臭気苦情の解消には、脱臭性能が確かな設備を選定すべきです。

しかし、設置スペースを確保していないことで脱臭効果を無視した設備を導入せざる得なくなり、不信感を募らせる事態になりかねません。

もしもの事態に備え、脱臭設備を設置できるスペースを確保しておくことで、いざというとき、迅速に最適な設備を導入することができます。

 

③制約が多くなることでコストや納期がかかる

脱臭設備によっては大きな圧力損失がかかるものもあり、装置を大きくしたりファンの入れ替えが必要になるケースもありますし、水や電気などのユーティリティが必要な設備では大掛かりな工事になってしまいます。

また、設置スペースに制約がある場合、収まりを優先した特殊な仕様にならざるを得ないですし、テナントエリア内で対策を講じる場合では天井内のスペースと重量等の制約があるのでやはり容易にはいきません。

 

④労力がかかる

一度臭気苦情が起こると、法規制により事業主は改善措置に向け苦情主や関係各所への対応に追われます。

事態が深刻化すると長期化することもあり、多大な労力とコストがかかります。

 

まとめ

今回は多様化している飲食業において、悪臭苦情に発展しやすい業種(ニオイ)をピックアップしご紹介しました。

 

苦情が発生してからでは適切な臭気対策が不可能なケースもあり、

設計段階から臭気対策を検討することをお勧めしています。

 

目に見えないニオイだからこそ、できる限りのご納得とリスク回避を。

カルモアではお客様にご納得いただける対策を心がけております。

 

 

まずはお気軽にご相談ください。

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