工場における臭気対策で、「アンモニアを何とかしたい」というご相談を多く頂きます。
今回は、その「アンモニアって何?」という物質の特性から、
「工場におけるアンモニア対策」までをご紹介します。
アンモニアって何?
さて、今回はアンモニアということで。身近にどんなのがあるか探してみましょう。
身近にあるアンモニア
アンモニアと聞いてまずピンって来るのが清掃が行き届いてないトイレのニオイ。
これはすごく身近ですよね。
あとは虫さされの際のキンカンのツ~ンとしたあのニオイ。あれがアンモニアです。
アンモニアは工業的な利用価値も高い物質で幅広い用途に使われます。
分子量が17でNH3と表記し、空気よりも軽い物質です。
ですので非常に拡散性を良くしてあげるだけで消えてしまう場合も多くあります。
発生源で臭くてもアンモニアが犯人とは限りません。
そうそう、余談ですが海遊びしていてクラゲや海の魚、
例えばゴンズイなんかの毒魚に刺されたときには小便をかけると良いと言われます。
あれはまさにアンモニアの効果です。
この効果を利用しているのがキンカンです。
基本的に虫や魚の毒はタンパク質由来のものが多いです。
つまり、人間のタンパク質に作用しようとする毒タンパクを変性させてしまおうというのが、
何かに刺された時にアンモニアに効果があると言われるゆえんです。
え?何でアンモニアがタンパク質を変性させるかって?
それはアンモニアが塩基性を示すからです。
もちろん小便かけたりするのは一時的な処理です。
だって小便にアンモニアがそんな含まれるわけではないですし。
悪臭物質としてのアンモニア
余談が過ぎましたが、臭気物質としてのアンモニアのお話を。
先ほども書きましたが、アンモニアってのは空気よりも軽く、拡散性が良い。
そして、
「嗅覚閾値(ニオイを初めて感じ始める濃度)が他の臭気物質よりも高い」
=(イコール)
「他の物質と同濃度存在した場合、他の物質よりも臭気濃度に対する寄与率が低い」
と言えます。
つまり、アンモニア濃度が濃くても、悪臭苦情の原因になることは少ない!ということです。
悪臭現場の調査でよくお客様から、「アンモニアがきついんだよ~。何か良い対策ない!?」って言われます。
対外の場合、犯人はアンモニアじゃない場合がほとんどです。
これをお読みの皆様の中にもそんな方はいらっしゃるはずです。。そんな方はぜひご相談を。
悪臭苦情の原因が何なのか?
どんな臭気成分をどれだけ排出しているのか?
どこから対策したらよいのか? などのご相談に幅広くご支援しています。
工場でのアンモニア脱臭対策
アンモニアの対策。
そう、拡散性が良く閾値も高いアンモニアを対策しなければいけなくなった場合の対策方法について少し。
これもいくつかあるうちの二つほど。
薬液洗浄法
これも硫化水素同様、薬液洗浄法が大昔からやられている方法です。
塩基性を示すアンモニアに最適な薬液は、”強酸の硫酸”です。これ王道。
設計次第ではスリーナインも夢じゃない!?(脱臭効率99.9%のことです)
「じゃあそれでいいじゃないか♪!」とお思いでしょうが、世の中そんなにいいことばかりではないです。
硫酸とアンモニアが反応すると硫酸アンモニウムが生成されます。
これが発生し、一定濃度に達すると析出して固形物質となってしまうんです。
こいつがやっかいで、薬液洗浄塔の充填物の閉塞を引き起こします。
これが起こってしまうと非常に面倒。メンテナンスが必要です。
洗浄塔メーカーを呼んでメンテをしなければいけません。
管理が非常に大変です。
これだけではなく、中和設備や排水処理設備が必要となり、
イニシャルコストが掛かるだけではなくランニングコストも多く掛かってしまいます。
ただ、実際に導入しなければいけない場合は、うまく管理していけば問題のない場合もあります。
あとはコストバランスと設備を設置するスペースの問題ですね。
消臭剤スプレー(噴霧)方式
スペースやイニシャルの問題がある場合、そしてあまり高濃度でない場合は、
消臭剤スプレー(噴霧)方式が適しています。
消臭剤マイクロゲルは硫化水素だけではなくアンモニアにもいけます。
S-PAという薬剤であればアンモニアも効果的にとれます。
もちろんあまりの高濃度は薬液洗浄方式の方が適しています。
アンモニアが良く発生してお困りの事業者さんとして、
堆肥化工場や養豚養鶏場などが挙げられますが、
えてしてそのような事業所さんの場合、そんなにコストをかけられない場合が多く見受けられます。
消臭剤マイクロゲルでは、そのような事業所でも対応可能なコストバランスでご提案をすることが可能です。
もちろん、アンモニアが臭気苦情に繋がっているなと弊社コンサルタントが判断した場合のみ、
ご提案させて頂くことになりますが。
産業工場に圧倒的な実績を有する【ニオイ別・無香料】の消臭剤。
低コスト・安全・高い消臭効果を発揮します。
スプレー装置の他、スクラバー、手動の噴霧器でもご使用可能です。お客様の臭気に合わせたカスタマイズ調合も承っております。
まぁ、ものは使いようです。
他にもケースによっては色々な脱臭方法があるので、一度ご連絡下さい。
片山でした。
工場の臭気対策についてお悩みの方は、こちらのページもご覧ください。
対策ノウハウ・注意点・関係法規規制などをご説明しております。
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