中国の臭気に対する意識について
今月中国のローカル企業をメインに現地訪問して参りました。
現在の中国の臭気に対する意識について、感じたことをご報告したいと思います。
今まで日系企業を中心に対策を実施してきましたが、
今回中国のローカル企業と接触した事で
“臭気”という事に対する認知度が日本と大きく異なることを痛感しました。
特に臭気苦情が起きている場合、日本では複合ガスを定量評価できる、
臭気濃度という指標で評価する事が一般的ですが、中々中国のローカル企業では受け入れてもらえませんでした。
どちらかと言うと、VOCや硫化水素濃度など、単体ガス成分の排出濃度にて評価するべきと考えており、測定の方法もセンサーを用いる事が多く、センサーの劣化度や精度が曖昧なまま評価するところを見ると、精度の高い測定や対策方法にお金を払う意識や文化がまだ日本ほど醸成されていないのかな、と思いました。
人間の感知できるニオイ物質の種類は40万種類存在すると言われており、
その全てを定性、定量する事は現実的に不可能です。
また、人間の鼻はとても高感度で、定量分析の下限値以下でも臭気として感じるものが多く存在する事も上記を困難にしている要因と言えます。
なので、臭気苦情は単ガスで評価するよりも、人間の鼻を用いた臭気濃度で評価すべきというのが、日本的な考え方です。
もちろん中国にも臭気濃度という概念があり、ちゃんと国家標準にも定められています。
測定方法も日本とほぼ同じです。
ただし、その考え方や取り扱い方に慣れていない為、わかりやすいVOCやその他単ガス成分での評価になるのが実情のようです。
ただ、いずれは中国でも臭気濃度という概念に向き合わなければならない時が来る筈です。
法的な整備の必要性を認知させていく事の必要性を感じた出張となりました。
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