2016年某日に改修工事をした部屋で異臭発生。
施設を使用している人が体調を崩すなど、大きな問題となり、調査の依頼が入った。
ビルにおいて、テナントや事業者が変わると、改修工事を行う事はよくある事かと思います。
今回、とあるビルで、旧テナントが退去した後、改修工事が2016年の夏に行われました。
その後、新しいテナントが入居しましたが、そのテナントの方が体調を崩す現象が起きてしまいました。
シックハウスの可能性が疑われたものの、建築側は改修工事後にシックハウス測定を行っており、指定された物質は全て指針値以下である事も確認していた為、原因が分からない状態でした。
そこで弊社に依頼が入り、調査へ伺うことに。
原因調査
まずは異臭の原因と発生源を特定するための調査を実施。
その結果、異臭と言われた臭気は塗装臭と判明しました。
その他、色々調査しましたが、特に問題はなく、
塗装臭に含まれる揮発性有機化合物(VOC)が原因と特定しました。
考察
シックハウス測定では問題なかったのに、揮発性有機化合物が原因?と思われるかもしれません。
実はシックハウスの原因物質として13物質が指定されているものの、その中のホルムアルデヒドやクロルピリホスなどは、現在では殆ど使用されていません。それ以外の指定物質も現在の建築材料では改善されており、塗装や建築材料の臭気はしても、測定結果としては指針値以下になる事が多くなっております。
しかし、指定物質以外にも建築材料から放散する化学物質は沢山あり、13物質以外の物質が影響を及ぼす事も多くあります。
そこで重要となってくるのが、総揮発性有機化合物(T-VOC)の値です。
総揮発性有機化合物(T-VOC)とは、その名の通り、その空間に存在するVOCの総量を指します。厚生労働省でも、指針値(ガイドライン)としてT-VOCの暫定目標値を設定しており、空気質の評価軸として重要となります。
その後のご提案
今回は、お客様の方でT-VOCの測定まではやっていなかった為、T-VOCの測定を追加でご提案する形となりました。
まとめ
今回は、シックハウスの対策として測定を行ったつもりが、単一物質のみの測定ではカバーできていなかったというケースでした。
時代の変化と共に、建築材料や工法は色々変わります。
このような法律としての測定も時代の変遷に伴い、適宜、改正をしないとこのような事が発生しますので、新築、改修工事での測定にはご注意して頂ければと存じます。
カルモアでもシックハウス測定からアドバイス、対策まで行っておりますので、
少しでも困っているようであれば、是非、お問い合わせください。
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