工場の臭気対策のご相談で、臭気成分として多いものの一つが「アルデヒド」です。
今回は、「アルデヒドの対策」についてご紹介します。
※「アンモニア」「硫化水素」の記事はリンク先をご覧ください。
アルデヒドはどんな物質?
身近なアルデヒド
さて、身近な悪臭シリーズ第三弾は、今もあなたの吐息に隠れているかもしれないアルデヒドです。
昨日飲み過ぎて、今この記事を呼んでいる方は気を付けてください。
アルコールを飲んだあとにはアセトアルデヒドがブ~ンと口から溢れていますよ(笑)
そう、何を隠そうアルコールが酸化されるとアセトアルデヒドになるんです。
二日酔いの時の甘ったるい吐息の犯人はアセトアルデヒドだったんです。
ここでまた余談ですが、
アルコールを飲み過ぎた時に頭がガンガンしたりする犯人は、アセトアルデヒドなんです。
日本人は比較的アルコールに強くない印象があります。
それは人間の体内にあるアセトアルデヒド分解酵素「アセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ」が足りてないんです。
こいつをいっぱい作れる人が「ザル」なんです。
私なんかは飲めませんので、酵素が足りないってことになるんですよね。
まぁ、これは遺伝的な問題もあるので、すぐには直りませんが。
鍛えると直るらしいです。
本当か嘘かは最近実験中なのでご報告致します。
工場の排気におけるアルデヒドと対策方法
さて、工場におけるアセトアルデヒドについて少々。
よく出会うのは、排水処理や堆肥化工場なんかが多いです。
あとは他のアルデヒド類でいうと焦げ臭なんかがアルデヒド類だって言われてます。
アセトアルデヒドはCH3CHOと表記して分子量44。
中性のガスです。
重複になりますが、アルコールが反応することで生成されます。
つまり発酵が起こるところでは付きまとう臭気と言っても良いかもしれません。
硫化水素やアンモニアと違って、pHが偏っているわけでもないので、
薬液洗浄で除去するのも一苦労です。
これで頭を悩ましている方も多いかもしれません。
アルデヒドが難しい、コストがかかる、などと言われるのもこんな理由です。
対策方法その1:薬液洗浄法
じゃあ薬液洗浄でどうやれば除去できるかというと、
こいつを強制的に還元させてあげる必要性があります。
還元は酸化の反対です。
つまりアルコールに戻してあげるってことです。
ただこれは、非常に反応が進みにくいということもあり、薬洗法ではとりにくいです。
洗浄塔内部での反応時間が非常にかかってしまうこともあり、
設計値以上のアルデヒド類が出てしまって、
アルデヒドがバンバン出口で検知なんてこともしばしば。。。
かといって過剰に薬液を添加しても、コストがかかるだけですし、難しいです。
もちろん人間の体内でアルデヒドになるくらいですから、
還元してもすぐにまたアルデヒドに戻ることもあります。
ニオイ袋に採取したあとに反応が進むことだってあると思いますし。
活性炭吸着法
あとは。。そう、活性炭による方法もありますね。
活性炭は中性物質を捕捉しにくい特性があるもので、アルデヒド類は通常炭では除去しきれません。
アルデヒドの場合は通常炭ではなく化学吸着炭というものを使用します。
これは活性炭に化学物質を含浸させたものを指します。
これは効果としては凄く良いです。
ただ、含浸させた化学物質が反応してしまったらそれで終わりなんです。。。
悲しいですが、24時間発生し続けるところですと、濃度にもよりますが、
2,3日で破過してしまうなんてこともザラにあります。
破過という表現が正しいかはわかりませんが、ちょとずつ出てきてしまいます。
ですので、少量のアルデヒドが短時間出る場合は活性炭が適していると言えるでしょう。
ただ、湿度と温度がある条件下では使えませんので、ご注意ください。
消臭剤方式
他には、消臭剤マイクロゲルによる対策方法です。
ことアルデヒドに関しては、消臭剤も、
硫化水素やアンモニアに対する効果と比較すると効果が落ちます。
非常に難しいんです。アルデヒドは。非常に。
ただ消臭剤スプレー装置ですと、イニシャルコストが安いのが利点なのと、
噴霧量を制御できるスプレーシステムを導入すれば、
ランニングコストを抑えての臭気対策することができます。
アルデヒドは非常に難しいので一度ご相談下さい。
消臭剤スプレー装置の場合、排気の温湿度は特には問題ありません。
圧倒的な消臭能力とコストパフォーマンスで、産業工場に高い実績を有する【ニオイ別・無香料】の消臭剤。
低コスト・安全・高い消臭効果を発揮します。
スプレー装置の他、スクラバー、手動の噴霧器でもご使用可能です。お客様の臭気に合わせたカスタマイズ調合も承っております。
ETO脱臭装置
最後に、50CMM以下限定の臭気対策としてETO脱臭装置です。
悪臭特集シリーズ第一弾でご紹介したあの装置です。
イニシャルコストは高いですが、脱臭効果はピカイチです。
温湿度をものともしない脱臭効果は感激の一言です。
最近開発されてまだHPも御座いませんが、素晴らしい装置です。
駆動は200V電源のみです。
興味がおありの方は弊社までお問い合わせください。
化石燃料を使用しない、次世代の電気式高温酸化触媒脱臭装置。
小風量、かつ、活性炭・スクラバーが苦手な臭気成分の対策に適します。
特殊なヒーターで300~350℃に加熱し、特殊ハニカム触媒フィルターで対象臭気を分解します。
と、まぁつらつら書きましたが、
アルデヒドは悪臭物質の中でも非常に難しいってことはご理解下さい。
ただ現在も他の脱臭システムを開発中ですので今しばらくお待ち下さい。ではでは。
「アルデヒド」の排出に関連する参考ページを、以下にご案内いたします。
<工場の臭気対策ノウハウをご説明>
<VOC(有機溶剤)臭の対策をご紹介>
<排水・汚水・汚泥のにおい対策をご紹介>
<ゴム臭・タイヤ臭の対策をご紹介>
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