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臭気判定士の激闘

創業30年、実績90,000件以上。カルモア臭気判定士によるニオイの現場レポート。

見えないニオイを数値化する「ニオイの見える化」

この記事にご訪問頂き誠にありがとうございます。

株式会社カルモア海外市場開拓部リーダーの大道(臭気判定士)です。

弊社は、アジア各国で代理店様と共に、その地域の臭気問題に取り組んでおります。

 

 

「ニオイの見える化」の重要さ

今回は、工場から排出されるニオイによって発生する臭気問題を解決する上では、「ニオイの見える化」が如何に重要かをお伝えできたらと思っております。

 

そもそも、ニオイとは、見えないものです。

 

見えないからこそ、ニオイの問題を抱えている世界中の工場は、対応策に右往左往してしまいます。

もし、ニオイが見えていれば、対策方法が見えてくるように思いませんか?

もし、自分の工場のニオイがどこまで飛んでいるのか、そして、ニオイの対策を実施することでニオイはどうなるかが見えれば嬉しくないですか?

 

実は、この見えないものを見えるようにすることに関して、弊社はとても得意です。

この記事では、「見える化」をする方法「見える化」により何が分かるか、そして誰に対して「見える化」を提供できるかを分かりやすく解説します。

 

「ニオイの見える化」の方法

ニオイを見える化するにあたって大切なことは大きく分けて2つ。
それは、現地調査及び、ニオイの拡散シミュレーションの実施です。

ここで言う、現地調査とは、大きく分けて工場内調査と工場周辺の調査に分類することが出来ます。更に分類すると、工場内調査には、臭気濃度測定や工場周辺の臭気状況の確認、排出状況の確認が含まれます。

現地調査

現地調査とは、その名の通り、フィールドワークすることを意味します。

ニオイの問題は、会議室で解決できる問題ではなく、現場に赴いて初めて解決できる手間のかかる問題です。

なぜならば、工場から発生するニオイは、千差万別、十臭十色。一つとして同じニオイは存在しないからです。
さて、現地調査では、どういった事項を実施するのでしょうか。

 

臭気採取

臭気採取とお客様に伝えても、あまり理解していただけないのがほとんどです。しょうがないと思います。ニオイを採取するということは、日常生活では、ほとんど巡り合うことがないですから。
さて、どのように臭気を採取するかというと、
排気口の点検口にチューブを差し込み、ポンプを用いて、サンプリングバックといわれる臭気採取用の袋に、ニオイを閉じ込めて臭気を採取します。

現場に合わせた採取法

排気される気体の温度や湿度、臭気の性質などの条件に応じて、サンプリング方法を変えるといったこともあります。
また、よくある誤解として、工場から排出されるニオイは常に一定の強さを持っていると、現場の方は思いガチです。
しかし、実際には、排出される臭気は、工程の変動、原料の種類などによって、大きく変動するものです。従って、変動を加味した臭気採取がポイントとなります。臭気採取に関しては、多くの注意事項がありますが、そこは、我々プロに任せて頂ければ大丈夫です。ご安心を。

 

臭気濃度測定

ニオイを採取したは良いけど、そのニオイをどうするの?そう思われる方が多いかもしれません。

採取したニオイは、三点比較式ニオイ袋法という方法に則って、複合臭としての濃度を測定することが出来ます。

この測定方法は、アジア各国の国家機関が採用している測定方法となり、日本が先進的に採用しております。

この測定方法を簡単に言うと、段階的に採取したニオイを希釈していき、「どの時点でニオイが無くなるか」を確認する方法です。

 

ニオイが無くなった際の希釈倍率 = そのニオイの臭気濃度 となります。

 

つまり、ここで初めてニオイが数値化される訳です。
この測定を実施することで、排出口から排出されるニオイが数値化されます。

例をあげますと、今までは「感覚としての臭質」や「感覚としての強さ」しか分からなかった事が、数値として算出され、”臭気濃度1000の塗装のニオイ”や、”臭気濃度500の食品のニオイ”、というように、ニオイを形容できるようになります。

感覚は人と共有した場合、認識に差がでやすいですが、数値に対しては認識の差は出ません

排出条件の確認

ニオイが数値化されたら、その数値をどうするかが重要です。

とはいえ、ニオイの強さが臭気濃度として判明したとしても、「工場周辺に対してどの程度影響を及ぼすのか」は、この時点では明らかではありません。なぜならば、工場周辺へのニオイの影響度合いは、排出量(風量)、排出向き(上向き・横向き・下向き)、排出位置、温湿度、周辺の建物の高さなどの条件が大きく影響を及ぼすからです。

 

従って、工場内の調査では、それぞれの排出口ごとに

    • 排出量(風量)
    • 排出向き(上向き・横向き・下向き)
    • 排出位置
    • 温湿度
    • 周辺の建物の高さ

を徹底的に調べ上げます。

 

このデータが、後述するニオイの拡散シミュレーションでとても大切なファクターとなります。

 

工場周辺調査の詳細

工場周辺では、工場の敷地境界線や苦情発生エリアを、臭気判定士が徹底的に嗅覚を用いて確認します。

工場周辺には、工場由来のニオイもあれば、他工場由来のニオイもある事から、

「どういったニオイが苦情発生の原因になっているか」フィールドで確認します。

また、ニオイがあれば徹底的にニオイを追いかけ、「工場由来の臭気がどこまで飛んでいるか」確認します。

すると、当初言われていた苦情エリア以外からの潜在的な苦情発生リスクを確認することが出来ます。

 

敷地境界線での確認

敷地境界線上で、どの排出口のニオイがするのかを確認することはとても大切です。

工場の担当者の方は、工場のニオイに対して慣れてしまっている為に、工場のニオイを感じ辛いことが多いです。嗅覚の特性として、特定のニオイに順応してしまうといったことがあります。

これは、常に、ニオイを検知していては、神経器官にとってはストレスとなる為と言われています。よく他人の家の家のニオイは感じるけど、自分の家のニオイは感じないということがあると思います。まさに、工場の従業員の方もそういった状態になっている場合が多いです。

 

敷地境界線上で「どのようなニオイ」がし、且つ、「どれくらいの強さなのか」を我々のような第三者が工場のニオイを確認することが大切です。

更に、そのニオイに対して、敷地境界線上で臭気をサンプリングし、臭気濃度を算出することにより、各国で定められている敷地境界線上の規制値に対して、現状がどうなのかを確認することも大切です。

苦情エリアの把握

我々でニオイの問題を解決する際は、出来る限り苦情エリアの具体的な場所をお客様に教えて頂くようにしております。実際に、苦情エリアで工場由来のニオイを確認します。その際に、臭質や強さを確認します。

この調査により、対策を優先すべき、排出口を特定したり、他の工場や事業所由来のニオイの有無の確認を実施します。

「ニオイの見える化」で何が分かる?

見える化とは、ニオイという感覚を数値化することを意味します。

ニオイの拡散状況

数値化されることで、ニオイの拡散シミュレーターへ数値を入力することで、ニオイの拡散状況を把握することが出来ます。このシミュレーターでは、排出口を排出源として、360度全方位にニオイがどのように飛散するかが分かります。更に、大気風速や、大気安定度、地形などの環境因子をシミュレーターに入力することでより詳細にニオイの拡散状況を把握することが可能です。

対策優先順位

工場に複数の排出口がある場合は、それぞれの排出口毎に、排出状況の確認を実施し、工場周辺に対してニオイの影響を及ぼしやすい系統を洗い出すことが可能です。

ニオイを採取し、臭気濃度測定を実施し、数値化する。その数値をシミュレーターに入力することで、対策優先順位を決めることが出来ることは、ニオイの問題を解決する上で非常に大きな利点です。

 

数値化をせず、闇雲に、感覚的に、対策するよりも、数字という明確な根拠を元に順序建てて対策を施していくことは、無駄なコストを削減することに繋がります。

必要脱臭効率

必要脱臭効率とは、「どの程度ニオイを削減すればいいか」を示す指標となります。

 

例えば、苦情宅付近で、臭気濃度が50の場合、臭気苦情を抑える為にはどうすればいいか。

 

弊社では、苦情発生の閾値を臭気濃度を10以下に設定しております。従って、臭気濃度10以下にする為には、80%以上の脱臭効率が必要となることを意味します。

実は、ニオイの対策には、様々な方法があります。後述で詳細を述べますが、それぞれの対策方法毎に、脱臭能力が異なります。ここで得られた必要脱臭効率に応じて、適切な脱臭方法を選定する必要があります。

ニオイを消す方法の決定

実は、脱臭には様々な方式があります。物理的にも化学的にもニオイは脱臭することが出来ます。物理的脱臭でイメージしやすいのが、活性炭脱臭となります。化学的脱臭でイメージしやすいのが、弊社のマイクロゲルをはじめとする消臭剤だったりします。

それぞれの脱臭方式に応じて、脱臭効率がある程度決まっていて、前述の必要脱臭効率に応じて、必要な脱臭装置を選定する運びとなります。そうすることで、過不足の無い、脱臭が可能となり、苦情を抑制する目的を達成することが出来るわけです。また、場合によっては、排出口の高さや排出する向きを変更することで工場周辺へのニオイの拡散が抑制される場合もあります。

誰に対して

「ニオイの見える化」は、苦情対策で苦慮されている工場のお客様に向けて実施します。

 

また、臭気採取と臭気濃度測定が出来れば、基本的にはどの国でも対応できます。

現在、拠点のある中国、タイ、台湾、シンガポール、韓国には、臭気濃度測定を実施できるように機材を配置しております。ベトナムに関しても近々機材を配置する予定です。

拠点のある各国に関しては、現場へ訪問し、実態の確認をすることもできます。ニオイの現場は、会議室で打合せするだけでは、状況把握として弱いです。やはり、現場に出てプロが第三者として、現場を把握することが重要です。現場は、各国の工場すべてが該当します。

我々が出向く機会の多い現場は、鋳造工場、ゴム工場、食品工場、自動車塗装工場等、多岐に渡ります。

我々カルモアが出来ること

一つ一つ丁寧に

弊社の特徴は、見えないものを見えるようにするにあたって、そのプロセスを丁寧に実行することです。

30年間ニオイの仕事をしてきた経験をもとにしたこだわりをプロセスに入れ込みます。

海外市場開拓部では、日本市場以上にこの「プロセスへのこだわり」を海外市場に投下していきたいと考えております。

お客様と共に

我々は、お客様と共にお客様の抱えるニオイの問題に取り組んでいきたいと考えております。問題へのアプローチは、一方的な立場からアプローチするよりも、多面的に議論を重ねていくアプローチをとるように心掛けております。ニオイの問題を無くすために、お客様の状況に合わせた提案をしていきます。

現場主義を貫く

ニオイの問題は、現場に行かなければ分かりません。問題の本質をしっかりと見極める為に、足繫く現場に行くことを是として海外市場では取組んで参ります。

まとめ

海外市場開拓部のビジョンは、全人類の当たり前の生活を取り戻すことです。経済が豊かになればなるほど、身の回りにはモノが溢れます。モノを作る為には、工場が必要です。モノを作る過程で工場からは、ニオイが出ます。そのニオイは良いニオイもあれば、悪いニオイもあります。ほとんどの場合が、悪臭です。

 

現在、日本は経済的に豊かな国と言われております。豊かさ保持できている理由は、日本よりも生産コストの低い国々に身の回りのモノを製造して頂いているからです。

モノを製造する過程でニオイが出るのは、生産コストの低い国々でも同じです。我々の身の回りにあるモノ。これらが作られる裏で、悪臭で悩む他国の人々の顔を想像することが出来ます。

そういった人々に対して、私は多少なりとも罪悪感を感じております。弊社の30年間のノウハウを持ってその悪臭で困る人々の顔を笑顔にし、ニオイの無かったころの生活に戻すことが出来たら、我々は幸せです。

株式会社カルモア海外市場開拓部リーダー 大道友也(臭気判定士)
お急ぎの方はこちらへ! 直通電話:090-3203-5722
社歴10年。ニオイ関連の仕事と合わせてロードバイク製品の事業も展開中。

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