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臭気判定士の激闘

創業30年、実績90,000件以上。カルモア臭気判定士によるニオイの現場レポート。

ビルピッド・排水処理の臭気対策は法律で規制されています!

 

 

今回は、市街地での悪臭苦情ランキング上位に君臨する「ビルピッド」や「排水処理・汚水・浄化槽」などの臭気対策について、対策が必要とされるニオイの法律”悪臭防止法”の規制内容も含めて解説していきます。

 

商業施設やオフィスビルなどの事業所を設計の際にお役立ていただけますと幸いです。

 

 

 

目次

 

  1. ビルピッドの臭気問題と対策
  2. 排水処理等の臭気問題と対策
  3. 悪臭防止法の規制内容とは?
  4. 悪臭規制のまとめ

 

 

1.ビルピッドの臭気問題と対策

 

 

ビルの地下フロアで発生する厨房やトイレなどの排水を一時的に貯留するための排水槽「ビルピッド」。

このビルピッドは適正に維持管理しないと、汚水が腐敗し「硫化水素」を主成分とする悪臭物質が排水中で増加、ポンプで公共下水道へ排出される際に気体化し、道路上の雨水ますや汚水ますなどを伝って悪臭を発散します。

 

 

<対策方法>

排水層内の腐敗を抑えるためばっ気・撹拌する設備を設置し発生するニオイのレベルを低減させる、排水ポンプの停止・始動水位の変更や排水頻度をあげる、特殊例としては槽の縮小や排水の希釈などがあるようです。

 

ビルピットの設置・運用については、ビル衛生管理法・下水道法・建築基準法・都ビルピッド対策指導要綱(東京都福祉保健局)などで定められております。

 

 

詳細は「ビルピット臭気対策マニュアル(東京都環境局)」と新築設計時に役立つ「ビルの新築に伴うビルピッド設計の手引き(東京都下水道局)」をご確認ください。

 

 

 

2.排水処理等の臭気問題と対策

 

地下に鎮座する排水処理・汚水・浄化槽。

これらから排出された排水臭・汚水臭・腐敗臭等の悪臭が近辺にある空調給気ライン取込口から建物内へ流入、臭気苦情が発生するケースが増えています。

 

 

<対策方法>

排気側での対策としては、活性炭等の吸着(結露対策が必須)やオゾンや酸化薬剤等の酸化、燃焼技術など様々あります。

また、給気取込側での対策としては、給気ガラリに活性炭フィルターを差し込むなどの簡易で安価な方法もお薦めです。

 

 

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オフィス、病院、介護施設、実験動物施設、商業施設等の比較的大規模空間の使用に最適です。

 

 

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3.悪臭防止法の規制内容とは?

 

1)事業所が悪臭規制の対象となる理由

 

●「悪臭」は、環境基本法 第2条で定める「公害」(いわゆる典型七公害)の中の一つであり、感覚公害として、住民の苦情や陳情を受け、行政が対策を行う必

要が生じます。

●具体的には、悪臭防止法によって規制されています。

「悪臭規制」とは「悪臭防止法の規制」ということになります。

そして、その規制値として、「臭気指数」や「特定悪臭物質濃度」が定められています。

 

2)悪臭防止法の規制内容を超簡単に説明

 

①特定悪臭物質(22物質)の濃度
②臭気指数

どちらかの尺度により、

●排出口(煙突など) 《2号基準》
●敷地境界線(事業所の敷地の端っこ) 《1号基準》
●排出水 《3号基準》

それぞれにおいて数値基準(規制値)を定め、その値を下回る必要がある。

 

①②のどちらの尺度を採択するのかは、都道府県知事・市・特別区の長が決めるということになります。

 

▶悪臭防止法について知りたい方は、こちら。

 

▶悪臭防止法をザックリ概要だけ見たい方は、環境省「悪臭防止法パンフレット」がオススメです。

 

 

・規制値が「①特定悪臭物質(22物質)の濃度、②臭気指数 のどちらか」というのが特徴的で、これはそもそも悪臭防止法制定当初(昭和46年、1971年)、悪臭物質の規制値しかなかったからです。

・しかしながら特定の悪臭物質濃度による規制では、40万種類以上あるといわれている臭気物質に対応することは当然不可能であり、多様化する悪臭苦情問題の中で、複合臭に対応可能な「臭気指数」という尺度が追加されました。

 

・環境省は臭気指数の採択を現在も強く推進しており、2002年にはいち早く東京都が全市町村における臭気指数の全面導入を決定、2012年の段階では3割の自治体が導入を完了しています。

 

・悪臭対策を実施する必要のある事業所の方は、まずはご自身の市区町村において、悪臭規制が ①特定悪臭物質(22物質)の濃度 なのか ②臭気指数 なのかを、確認する必要があります。

その上で規制尺度における規制値をクリアすべく、まずは現状の悪臭排出状況を測定する流れとなるでしょう。

 

 

3)臭気指数と特定悪臭物質濃度の違い

・臭気指数とは、人間の嗅覚を用いてにおいの程度を数値化した尺度(嗅覚測定法または官能試験法による測定数値)の1つで、具体的な数値算出としては、臭気濃度(=もとのにおいを 人間の嗅覚で感じられなくなるまで無臭空気で薄めたときの希釈倍数)の対数に10を乗じて求めます。

 

  臭気指数=臭気濃度の対数。 臭気指数=10xlog(臭気濃度)
  例)臭気濃度100 の臭気指数は20、臭気濃度10,000 の臭気指数は40

 

・悪臭防止法では、工場・事業場の敷地境界の規制基準(1号基準)を、臭気指数10~21の範囲内で都道府県知事等が定めることになっています。

・排出口(2号基準)における臭気指数規制値は、排出口の高さ等により計算された指数となるため、専門家や該当の自治体に確認するとよいでしょう。

・臭気指数の測定は、法律上は「臭気判定士(国家資格)」が実施することとなっていますので、社外的に臭気指数を公示する場合には、臭気判定士により測定する必要があります。社外の測定機関へ委託する場合には、臭気判定士が在籍している会社を選びます。

 

 

特定悪臭物質とは、

現在は悪臭防止法において以下の22物質が指定されており、各々規制濃度(ppm)が定められています。

アンモニア、メチルメルカプタン、硫化水素,硫化メチル、二硫化メチル、トリメチルアミン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ノルマルブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ノルマルバレルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、イソブタノール、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、トルエン、スチレン、キシレン、プロピオン酸、ノルマル酪酸、ノルマル吉草酸、イソ吉草酸。

 

 

・測定にはガスクロマトグラフ等の分析機器を使用しますが、各対象物質ごとに環境省「特定悪臭物質測定マニュアル」において、試料採取方法や分析方法が細かく指定されているため、社外的に測定値を公示する場合にはこのマニュアルに準拠した測定機関を選ぶと良いでしょう。 また特定悪臭物質の規制対応において注意すべき点は、この規制値をクリアしたからと言って必ずしも悪臭苦情が解決されるわけではない点です。

 

 

ビルピッドや排水処理・汚水・浄化槽からの悪臭は、複数の臭気物質が混在しているため、たとえ自治体の指定する「特定悪臭物質」濃度の規制基準をクリアしていたとしても、苦情が収まらない限りは行政も改善対策を要請する必要が生じるため、住民・行政・事業所の泥沼紛争にもつれ込むケースも少なくありません。

せっかく測定を実施するのでしたら、臭気全体の強さを把握する「臭気指数」も参考値として一緒に測定されることも一案かと思います。  

 

 

 

4.悪臭規制のまとめ

 

上記の法律や規制を具体的なストーリとして要約すると、、、

1.住民の苦情が発生し行政に陳情が上がると、対象事業所は悪臭規制の対象となる。

(行政に苦情が来ない限りは悪臭規制の対象とならない。)

2.規制対象となると、悪臭防止法の規制値をクリアする必要がある。

3.規制値は、①特定悪臭物質(22物質)の濃度、または②臭気指数、のどちらかで定められており、どちらの規制値が該当するかは、事業所の所在する市区町村による。

(自治体が①特定悪臭物質(22物質)の濃度か②臭気指数かを選択して定めている。)

4.規制対象となるのは、排出口・敷地境界線・排出水の3箇所で、この3箇所において特定悪臭物質(22物質)濃度または臭気指数の規制値をクリアする必要がある。

 

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