来店客の記憶に印象づける香りと嗅覚による店舗ブランディング
(更新日 2022.1.14)
皆さんは何かの匂いを嗅いだ時、ふと過去の記憶を思い出したり、懐かしい気持ちになるといった経験はありませんか。
この匂いを嗅ぐことにより
過去の記憶や感情を思い出す現象を「プルースト効果」と呼びます。
プルーストとは、フランス人作家のマルセル・プルーストの「失われた時を求めて」という作品の中で、主人公が紅茶にマドレーヌを浸したときの香りで幼少期を思い出すという描写が由来になっているそうです。
本記事では、なぜ匂いを嗅ぐと過去の出来事や感情を思い出すのか、
また、その匂いの特徴の活用方法を考えてみようと思います。
目次
1.五感で唯一、記憶と嗅覚
では、なぜ匂いを嗅ぐと記憶が思い出されるといったことが起きるのでしょうか。
これは、嗅覚の情報伝達経路が関係しているようです。
人間の脳には、感情・本能そして記憶などをつかさどる「大脳辺緑系」と、
合理的な思考や言語機能をつかさどる「大脳新皮質」が存在します。
触覚や聴覚から得られた情報は「大脳新皮質」へ伝達され、
その後、「大脳辺緑系」の記憶をつかさどる「海馬」という器官に伝達されます。
しかし、五感の中で唯一、
嗅覚によって得られた情報は、「大脳辺緑系」に直接伝達され、処理されます。
「大脳辺緑系」は感情や本能、そして記憶をつかさどる脳であり、
また、そこで情報を直接処理するため、プルースト効果といった匂いを嗅ぐことで過去の記憶や感情が思い出されるという現象が起きるわけです。
2.あの大ヒット曲もプルースト効果
2020年に大ヒットした曲、瑛人さんの「香水」の歌詞の中には、プルースト効果が含まれています。
この曲は「ドルチェ&ガッパーナの香水のせいだよ」という
印象に残るこのフレーズで話題になりましたが、
歌詞の中で『君のドルチェ&ガッパーナの香水が思い出させる』というこのフレーズがあります。
香水の香りで元恋人の事を思い出すというのは、まさにプルースト効果です。
香水の匂いを嗅ぐ度に、元恋人を思い出すのは少々辛いですね。
匂いで引き出される記憶には、その時の風景や感情も
一緒に思い出すことがあるのは面白いです。
ちなみに、私はお味噌汁の匂いを嗅いだ時に、
田舎にある実家と台所に立つ母の姿を思い出すことがあります。
3.記憶をつかった香り活用
瑛人さんの「香水」のように、匂いで別れてしまった恋人との記憶・感情を思い出してしまうなど、匂いと記憶は密接に繋がっています。
この、匂いと記憶・感情との関係は様々な場面で活用できそうな気がします。
例えば、試験勉強をするときに香りを嗅ぎながら勉強し、試験当日も同じ匂いを嗅ぐことで勉強したことを思い出し易くなるかもしれません。
実際、精油にはリラックス効果や集中力を高める効果があると言われています。
勉強と香りの相性は良さそうですね。
また、その他にもビジネスシーンでの活用も期待できます。
例えばショールームや展示会で、爽やかな香りを漂わせておくことで、商品やモノにも爽やかなイメージを演出することが出来ます。
アパレルショップやホテルなどの店舗にも、香りを使った演出が効果的です。
いつも同じ香りを使用することで、
「この香り」=「このお店」といったようにブランディングに活用することができます。
香りを嗅ぐ度に、そのお店を思い出すというのはとても効果的なブランディング手法の一つになると考えます。
是非、香りを使った演出やブランディンに挑戦してみてはいかがでしょうか。
4.まとめ
記憶と匂いの関係を活用することで、五感を刺激する、新たな空間演出やブランディング手法が出来るのでないでしょうか。
弊社シュバリテエールでは、個性的且つ上品な香りを取り揃えております。
微力ながら皆様の香りの活用のお手伝いさせて頂きます。
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