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臭気判定士の激闘

創業30年、実績90,000件以上。カルモア臭気判定士によるニオイの現場レポート。

食品工場にカビが生える原因と対策!発生しやすい場所も紹介

食品工場のカビ対策

食品工場ではカビが発生しやすい条件が揃っているため、カビの被害に頭を悩ませている事業所も少なくありません。食品工場におけるカビ被害には、以下のようなものがあります。

 

  • 製品へのカビの混入(異物混入)
  • 建物の景観を損ない劣化を進める
  • 悪臭の原因になる
  • 監査時の評価が下がる
  • 従業員に健康被害が発生する可能性がある

 

カビによる被害により、上記のような問題が発生する場合があるため、原因の究明と早期対策が欠かせません。

 

この記事では、食品工場のカビの原因と対策、発生しやすい場所について解説していきます。トラブルを未然に防ぐためにも、適切な対策をすることで予防に努めましょう。

 

食品工場でカビが発生する原因と場所

食品工場でカビが発生してしまうのは、カビが生えやすい条件が揃っているからです。以下の3つの条件が揃った環境下でカビは発生します。

 

  • 「温度」:25~30℃はカビの至適温度とされている
  • 「湿度」:湿度が70%以上になると増殖しやすい
  • 栄養」:食品やそのカスや汚れが栄養となる

 

工場内には、上記の条件が揃った場所は多く存在します。そのような場所は、特に注意するとともに対策が必要です。

食品工場の施設や設備へのカビ

 

食品工場では、具体的にどのような場所でカビが発生するのでしょうか。

 

調理・加工時に水蒸気の影響を受ける天井

調理や加工エリアは、作業時に発生した水蒸気が天井に当たり、多湿になることでカビが発生しやすいです。天井にカビが生えると、その下にいる作業員や製品にもカビが降ってくる可能性があります。

 

湿度が高くなる作業エリアでは、できるだけ空気を循環させるために、換気扇などの設備を利用して、湿気が溜まらないようにする必要があるでしょう。

 

食品を保存している保管庫

食品を保存している保管庫内でカビが発生してしまうケースがあります。保管庫に入っていた原材料や製品にカビが付着していた場合、その養分や水分を元に、カビが繁殖してしまうことも少なくありません。

 

保管庫の温度や湿度によっては、ひとつでもカビが付着した製品が保管庫内にあれば、そのほかのものにまで被害が及ぶ恐れがあります。

 

食材&調味料が飛散する製造ライン

 

食品を加工する製造ラインでは食材や調味料といった細かい粒子が飛ぶことでカビの栄養となってしまいます。またタレや醤油には、麹菌または酵母と呼ばれる発酵食品には常在的含まれているカビが存在するので、他にカビ原因が無くてもカビが発生してしまう可能性があります。

 

シンクなどの水回り

特に水回りは高温多湿になりやすく、カビが発生しやすいです。常に湿度が高く、食品などのカスや汚れが溜まりやすいため、カビにとっては格好の繁殖場になります。

 

シンク下も時々開放して、汚れや水分の掃除をしましょう。カビ取りシートやカビ抑制剤などのよる防カビ対策は必須です。

 

食品工場にカビが発生した時の対策

食品工場においてカビが発生した場合は、原因を調査した上で対策を講じること、発生したカビはしっかり除去して、再発を防止することが大切です。

 

カビの原因を調査する

食品工場においてカビが発生した場合は、どこから、どんな理由で、どうやって広がったのかについて調査し、それに応じた対策を講じることが大切です。

 

カビが食品工場に侵入する経路は無数に存在します。カビ胞子は土壌をはじめとする自然環境の中で多く存在しているものです。

 

空気中に浮遊したカビ胞子は、工場の窓や扉から風にのって侵入するだけでなく、従業員や資材などに付着して持ち込まれるケースもあります。

 

工場内にカビがどのくらい存在するか調査するためには、2つの測定方法があります。

 

浮遊菌測定法

浮遊菌測定法は、空気中の浮遊菌を採集して測定する方法です。エアサンプラーで集めた定量の空気を吹き付けたシャーレを培養し、微生物の菌数を測定します。

 

落下菌測定法

落下菌測定法は、シャーレを下に置き、一定時間内に落下した菌を培養して測定します。浮遊菌のうち、大きさと重さのあるものは落下します。

 

ただし、捕集に時間がかかるだけでなく、カビの胞子は基本的に空気中を漂っているため、浮遊菌を測定することができません。

 

発生したカビコロニーの数、カビが発生した位置(汚染箇所の推定が可能)の確認も、汚染原因の推定に重要な情報となります。

 

製造現場でカビを制御するには、発生したカビの種類の絞り込みをし、現場の状況に合わせた対策の構築が必要です。

カビを除去する

 

カビの除去の順序

カビの除去は次の手順で行います。

 

手順1

カビを除去する際は、まず表面の胞子を死滅させます。カビにアルコール(適正濃度は70~80%)をスプレーしたら、そのまま10分程度放置しましょう。そのあと、しっかり絞った濡れ雑巾などでしっかりと拭き取ってください。

 

手順2

胞子を死滅させたら、取り切れなかった部分のカビを除去します。雑巾やペーパータオルなどに次亜塩素酸ナトリウムを染み込ませ、カビの生えている箇所に当ててください。

 

ポンポンとカビの箇所だけを叩くようにするのがポイントです。カビの除去ができたら、その箇所を水で洗い流します。溶剤が残っていると、材質の劣化に繋がるので、しっかり洗い流してください。

 

手順3

最後に洗い流した箇所を乾燥させれば完了です。湿った状態のままでは、せっかく除去したカビが再発してしまう恐れがあります。カビは再発しやすいため、乾燥後は防カビ対策も行いましょう。

 

 ✔ カビ除去における注意点   

カビを除去する際は、デッキブラシや雑巾などでゴシゴシ擦って落とそうとしてはいけません。

 

カビの元になる胞子を空気中に飛散させてしまったり、擦った箇所にできた傷にカビが生えてしまったりする可能性があります。カビを除去する際は、溶剤を染み込ませたタオルなどで行ってください。

カビの再発を防止する

カビを除去したとしても、ほったらかしにしておけば、再発してしまいます。そのため、カビの除去後は、再発防止のために、カビが発生しにくい環境を保つことが大切です。

 ✔ カビの発生しにくい環境を保つためのポイント 

 

  1. 湿度管理を行う:水回りや保管庫などのある部屋には除湿器などを設置。
    ※食品工場では、温湿度管理は適切な状態に保つだけでなく、定期的な記録が必要です。
  2. 防カビ材や防カビの素材、コーティングで対策;カビが発生しにくく汚れが付きにくい
  3. こまめに清掃を行う:壁や床を清掃して付着したカビの元を増殖する前に除去

 

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食品工場の徐カビ・防カビの弊社事例

 

食品工場の原因不明のカビ調査から除菌・防カビの事例

 

食品工場でカビが発生!原因調査から除カビ・防カビ作業の事例

お問い合わせの際、食品工場様からは「製品の品質担保のために、カビが発生しない状態にしたい」というご依頼を頂きました。

 

本事例では、そんな食品工場様への除菌・防カビ施工だけでなく、カビの繁殖状況の調査や、施工から半年後の再発チェックまで行うことで、長期にわたり製造ラインでの衛生環境を整えた事例を紹介できればと思います。

 

課題
  • 食品工場の天井に目視で確認できるようなカビ発生
  • 製品へのカビ臭が移らないように徹底した脱臭が必要
  • 食品衛生上カビ発生が許されない環境

 


 

導入事例の効果
  • 付着しているカビだけでなく、浮遊しているカビを測定
  • 薬剤だけでなく、オゾンを使用して除菌&脱臭作業を実施
  • 作業完了後の半年後に測定を行ってもカビが減少している状態

 

 

まずカルモアでは、現場のカビの繁殖状況を調査するために付着・浮遊したカビを採取後に分析にかけた結果、目視で確認できた天井のカビ以外にも空間にカビが拡散していることがわかりました。

 

この結果から、徐カビだけでなく再発を防止する対策をご提案。薬剤による除菌だけでなく、オゾンによる空間除菌も実施。

 

大手ハウスメーカー様へも標準採用されている、持続力の高い高性能の防カビ剤を噴霧することでカビの再発を防ぐ長期的な対策を行いました。

 

除カビ&防カビ後の作業前と作業後の写真

 

実際に半年後の再繁殖チェックの際もカビ菌の繁殖はみられず、生産ラインを衛生的な状態に保つことができています。

 

 

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食品工場のカビ調査後の防カビ塗装(コーティング)の事例

 

食品工場の原因不明のカビを調査!防カビ塗装コーティングの事例

ご依頼頂いたは「衛生管理を徹底しているのに、なぜか原因不明のカビが発生してしまう・・・」とお困りの大手飲食チェーンの食品工場様。

 

カルモアではカビ菌の採取後に、培養による分析を行い文献データと照らし合わせることで80,000の菌種の中から1つの菌種を特定。

 

その菌の特性から「ある物」がカビの原因となっていることを特定し、その対策として防カビコーティングを行なった事例となります。

 

課題
  • 既に厳重な衛生管理を実施している食品工場でカビが発生
  • カビ除去後に再発しないように原因調査~対策を行いたい
  • 食品工場でも使用することのできる薬剤であることが必須

 


 

導入事例の効果
  • カビの測定分析によって1種類のカビが原因であることが判明
  • 原材料の飛散が原因だったため床面を防カビコーティング
  • MSDS(安全データシート)保有していることで安全性を提示

 

大手チェーンの食品工場様は、工場に入るだけで徹底したチェックが行われており、実際にカビが発生するとは考えにくいほど衛生管理が行き届いた環境でした。

 

カビの原因調査には、温湿度計・含水率センサー・結露計など独自の測定機器を複種類使用。それとは別にカビの菌種を特定するために培養後、文献を1つずつ確認しました。

 

その結果、確認できたカビ菌は1種類であることと、発酵食品に常在的に含まれているカビであることが判明。カビの原因は原材料に含まれているカビ菌が清掃後の水溜まりで繁殖し、黒色斑点として目視で確認できるようになったという結論にいたりました。

 

カビは床面に原材料が飛散することで繁殖していたため、除去後に弊社製品の耐水性の高い防カビ剤でコーティングを行うことで問題の原因を解決するにいたりました。

 

 

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食品工場カビのFAQ

ここでは、食品工場でよくあるカビの疑問についてお答えしていきます。

食品工場で多く見られるカビの種類は?

食品工場でカビの汚染の主流とされているのは、次の3種類です。

  • クロカビ(クラドスポリウム属)
  • アオカビ(ペニシリウム属)
  • コウジカビ(アスペルギルス属)

ちなみに、カビの黒色や青色は胞子の色で、色が判別できるものは既に胞子を飛ばして増殖している状態です。

 

食品工場でカビが繁殖しやすい湿度は?

食品工場でカビが繁殖しやすい湿度は、70%以上とされています。食品工場には、高温多湿でカビが繁殖しやすい条件が揃っている場所が多いです。

 

カビの発生しやすい箇所には、空調機や除湿器などを活用して、適切な温湿度管理を行う必要があります。

食品にカビが発生する条件は?

カビは湿度が70%以上であれば少ない水分でも発育できるとされており、乾燥した食品にも生えることがあります。

 

特にデンプンや糖分を含んだパンや餅、菓子類などの食品に発生しやすく、カビの種類によっては、野菜や果物、米や麦、ナッツ類などにも発生します。

 

また、カビは温度が5℃くらいから増殖可能です。どんな食品でも、冷蔵庫内に長期間保管していると、カビは増殖します。

まとめ

食品工場はカビの生育条件が整っているため、カビが発生しやすい環境にあります。製品への異物混入や健康被害の問題もあるため、カビ対策が必要です。室内や空調機などのこまめな清掃、温湿度の管理、防カビ材の塗布などにより、カビ対策を行いましょう。

 

また、工場内にカビが発生した場合は、カビの種類や発生箇所を特定するために調査や分析を行い、殺菌をしてカビを除去すると共に再発予防することが大切です。

 

カビが生えにくい環境づくりを意識すれば、製品はもちろん、従業員の仕事や健康を守ることに繋がります。安心安全で衛生的な環境を保つためにも、カビ予防と対策をしっかり行っていきましょう。

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