企業の研究開発に貢献。ニオイセンサー「リモス」の定点監視機能で薬剤の拡散状況を検証
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臭気成分
薬剤臭気
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発生場所
化学メーカー試験地、農業試験場
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導入企業
大手化学メーカー
薬剤を開発している化学メーカーからのご依頼により、デモテストを実施した事例です。
自社の開発した揮発性薬剤成分が期待通りに拡散しているか、【定点式におい観測システムLIMOS】で検証しました。「嗅覚疲労を起こさない」「定点式」「ニオイ測定を自動化」の特徴をもつLIMOSは、薬剤開発現場でも活躍できるのか!?
測定作業を自動化し、薬剤の拡散情報を収集
カルモアは、創業以来30年ニオイ対策の一環として、ニオイセンサーの開発を手掛けており、これまで累計2,000台のニオイセンサーを販売してまいりました。
【自動化ニオイ測定システムLIMOS】もその1つです。
特に事業所・工場担当者からのニーズが多く、悪臭苦情対策のため、敷地境界まで出向く作業負担を軽減する目的で導入されるケースが多いです。
本件は、薬剤の拡散状況の検証を目的としている為、ニオイセンサーとは結びつかないように感じますが、薄くてもニオイがある薬剤ならば、ニオイセンサーが利用できるのではないか。※
そこで、薬剤=ニオイととらえ、薬剤の拡散状況を【自動化ニオイ測定システムLIMOS】にて検証するデモテストを実施致しました。
※ニオイの種類により、センサーの感応特性が異なる為、事前にニオイセンサーにて検知可能かどうか、確認する事をお勧め致します。
事例ポイント
- 常時観測する為、嗅覚ではなくセンサーを利用したい
- 1m範囲内に薬剤が拡散しているか、定点測定したい
- ニオイの薄い薬剤をLIMOS(リモス)のニオイセンサーで感知できるか確認したい
- 開発方針などを検証する判断材料にしたい
「自動ニオイ測定システム」LIMOSのデモテストの流れ
01 ニオイセンサーは薬剤研究開発に応用できるシステムか?
お客様は次のようなシステムを探していました。
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開発中の薬剤に反応するセンサーを選びたい。
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薬剤の拡散状況を24時間、自動でデータ収集したい。
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試験地に2か所LIMOSを設置し、経時変化をモニタリングしたい。
「定点式におい観測システムLIMOS」が、上記のお客様の要望にお応えできるか、デモ機によるテストを行うことをご提案しました。
02 運用テストをデモ機で実施
自社の開発中の薬剤が、農作物から1m範囲内に拡散しているか検証する為、18日間、化学メーカー様の試験場にて連続測定を実施しました。
子機を2台使用し、1台目の子機の1m範囲内には薬剤を設置し、2台目の子機の周辺には薬剤の設置せずブランクとしました。
デモ機の設置概要
本件では、お客様の希望に沿った検証方法として、親機(デバイス)と子機(センサー)を以下の通り設置する事にいたしました。
親機台数 設置場所 |
1台 試験場敷地内管理棟 |
子機台数 設置場所 |
2台 試験場敷地内(管理棟から100m離れた地点) |
設置期間 | 18日間 |
設置作業 | カルモアにて施工 |
現地テストで検証したのは以下の項目です。
- LIMOSセンサーは、お客様固有の臭いにしっかり反応するか。
- 機器は問題なく稼働するか。
- お客様の敷地内で、親機・子機間の通信は問題なく行えるか。
※敷地内に存在する建造物や地形により通信可能距離は大きく変わるため、実機ご発注前にデモ機による通信確認をご提案しています。
03 システムの仕様とシステム構成図
本件のシステム仕様
親機台数 | 1 |
子機台数 | 2 |
接続距離 | 約100m/台 |
システム構成図
※本事例においては、導入子機(ニオイセンサー)は2機です。
LIMOSのニオイ定点監視機能による測定結果
継時モニタリングとニオイセンサーの反応の結果は?
LIMOSの継時モニタリング機能により、子機のセンサーにて臭気強度の変動が観測されました。
【観測データ1】
センサーが薬剤に反応するかチェックする為、薬剤の入ったボトルを2台の子機センサーに近づけたときの反応
センサー入口
青:1台目の子機センサー 赤:2台目の子機センサー
【観測データ2】
子機2台の内、1台の子機の1m範囲内には薬剤を設置し、もう1台の子機の周辺には薬剤の設置をしないブランクとした時の、継時モニタリングデータ
青:ブランク(薬剤の設置なし) 赤:センサーの1m範囲内に薬剤を設置
LIMOSは、カルモアの30年の現場経験を活かし設計されている為、低濃度の薄いニオイも拾う事ができるニオイセンサーです。
センサー素子の反応原理上、”還元性のニオイ成分”を得意としておりますが、
実は、ニオイ物質(40万種類)のほとんどが”還元性の物質”なので、ほとんどの匂い成分をLIMOSは測定可能なのです。
デモテスト実施の効果
お客様より、デモテストの結果を受け、「薬剤のニオイ成分をさらに強くしたものを再度開発する」などの薬剤の開発方針や試験方法をさらに検討するとのご報告をいただきました。
LIMOSは、研究開発分野でもお役に立てるかもしれません。
デモテストなどをご希望の場合は、弊社までお問い合わせください。
まとめ -現場で使いやすいLIMIOS!その理由とは?-
「臭気管理のしやすさ」に特化して開発
臭気管理・臭気対策ご担当者様の使い勝手をを追求したのがLIMOSです。
✔ 見やすい!
✔ 数値がわかりやすい!
✔ 管理しやすい!
それを実現できたのは、におい対策一筋30年のカルモアが、創業当時から現在まで、臭気の現場で常にににおい測定を行ってきたから。
カルモアにおいセンサーは、においの専門家である臭気判定士により、30年間、改良・開発・現場検証が繰り返されてきたニオイセンサーなのです。
「悪臭問題が発生する現場において、最も使いやすいニオイ測定器」と言えるでしょう。
カルモアが臭気対策をお手伝いした産業工場も、非常に多岐にわたります。
そんな工場の臭気対策担当者、環境管理・施設担当者の方により使いやすい様に、LIMOSも開発されました。
まずはデモ機で使い勝手の良さをご確認ください。
現場に行かずにニオイの動きが一目瞭然!
最大8台の子機(センサー)を親機1台で受信、管理可能です。
データはリアルタイムで親機に送信、蓄積され、親機ではニオイの動きをグラフ化して継続的に変動推移を見ることができます。
アラート機能を使えば、事前に設定した測定値を超えた際に親機上にアラート表示させることもできます。
管理をより楽にするLIMOSのオリジナル機能:
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- データ蓄積記録・時系列のグラフ表示機能
- 24時間リアルタイムのデータ受信
- 異常値アラート機能
- 親機1台に対し、子機8台の受信・管理が可能
特殊工事は不要!
無線通信のため、特殊な工事は必要ありません。
アンカー打ちできる基礎のある場所でしたら、工事は電源工事のみです。
お客様にて、出入りの工事業者・設備業者様により施工頂いても構いません。
データ通信費用(回線導入費・維持費)は、ほぼゼロ!
無線によりデータ送受信を行う仕様のため、お客様の既存の社内通信回線に導入するための設定費用や、クラウド利用などで発生するランニングコストなどは一切かかりません。
導入製品・サービスについて
開発歴30年のニオイセンサーを搭載! センサー測定部を工場敷地境界など屋外に常設し、測定データをリアルタイムで集約。 ニオイを自動で測定し、常に漏洩状況を把握する自動観測システムです。
初代製品より累計2,000台超え (※) の販売実績を有するカルモアのニオイセンサー。 カルモア臭気判定士が日々現場で愛用するポルファは、「持ち運びしやすく」「感度が高く」「臭気管理がしやすい」をテーマに開発した、現場で最も使いやすいニオイ測定器です。