畜産(養豚場)にて住民ニオイ苦情を回避!監視システムによる臭気対策の事例
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臭気成分
畜産の臭気
たい肥の漏洩臭気
養豚場の拡散臭気 -
発生場所
大規模養豚場のたい肥化施設
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導入企業
株式会社ジャパンファーム/養豚施設/九州地区
周辺住民からニオイ苦情が発生している大規模養豚場・たい肥化施設。
臭気対策の日常的管理・監視として、【ニオイ自動監視システム LIMOS】を設置しました。自社工場外へ漏れ出るニオイを常時自動で測定、監視し、地域住民への企業姿勢を示します。
導入企業
株式会社ジャパンファーム/養豚施設/九州地区
養豚養鶏の一貫生産、加工食品の製造販売、発酵肥料の製造販売などを行う、畜産のプロフェッショナル企業です。養豚事業における年間出荷頭数は約200,000頭にも上り、本事例の農場は日本一の飼育頭数を誇ります。
その敷地面積は、東京ドーム約20個分以上。
敷地内には、養豚場のみならずたい肥化施設も有します。
ニオイを監視できるセンサーはないか?
「周辺住民からの悪臭苦情が発生している。ニオイを監視できるセンサーはないか?」
本事業所では、長い期間にわたり地域住民からの悪臭苦情が発生していました。
- 引き続き継続的にニオイの漏洩を監視していきたい
- 地域に向け「ニオイ対策への前向きな姿勢」を示したい
お客様独自のニオイに対してセンサーが有効に機能するようであれば、
- 日々の測定・管理は自動化したい
- 管理人員の負担は増やしたくない
というご希望もありました。
事例ポイント
- 長年にわたり悪臭苦情が発生
- 臭気対策の裏付け・バックアップとして、継続的な測定をしたい
- におい対策実施の姿勢を地域にアピールしたい
- 自社の臭いに対し、センサーが感知できるか知りたい
デモテスト(レンタル試用)をしたい - 測定の手間はかけず、自動化したい
- 臭いの種類が多種類にわたる
ニオイ自動監視センサーを設置する流れ
「自社のニオイに対し、センサーが感知できるか?」
というお客様の不安を解決するには、実際のニオイでセンサーを使ってみるのが一番です。
自社の実際のニオイで、センサー感度を確認する
まずはお客様が、
- 自身でテストしてみたい
- 24時間の臭気の変動を見たい
というご希望があったため、携帯式ニオイセンサーPOLFAを貸し出し、実際の臭気がセンサーに反応するかどうかを継続的にチェックいただきました。
検証の結果、
「お客様の臭いはカルモアのセンサーでしっかりと追うことができる」
という結論となり、そのセンサーを自動想定できるシステム【LIMOS】の導入へと話が進みました。
デモ機でテスト運転を行う
センサー感知が良好となったため、【LIMOS】システムのデモ機を実際の現場に設置し、運用状況を確認しました。
✔ デモテストで確認したこと
- 24時間、屋外での測定ができるか
- 親機(中央制御室に設置するデバイス)と子機(敷地境界線に設置するセンサー)間でリアルタイムで電波通信ができるか
- 親機・子機共にトラブルなく稼働し続けるか
デモテストによる検証結果は以下の通りです。
臭気の変動が継続的に記録されており、敷地境界での臭気漏洩状況がよく把握できます。
親機子機間の通信可能距離は最大1㎞ですが、敷地内に存在する建造物や地形により、距離は大きく変わります。実機を設置する前に、デモ機による通信確認をオススメしています。
実際のシステムと同様のデモ機において、問題なく運用できることを確認し、システム本機をご注文頂きました。
臭気濃度(臭気指数)換算値で表示できる!
カルモアにおいセンサー(LIMOS/リモス・POLFA/ポルファ)の最大の特徴の一つは、、、
「お客様毎の固有のニオイを、
管理しやすく、わかりやすい数値で表示できること」
LIMOSは標準機能として、苦情原因となる「複合臭」の変動をより管理しやすいような内部設計になっています。
加えて、よりお客様が環境管理を行いやすいよう、お客様独自の臭気をベースに算出した「臭気濃度(臭気指数)換算値」の表示が可能です。
悪臭防止法における臭気規制は、この臭気濃度や臭気指数において基準値が設けられています。
「臭気濃度(臭気指数)換算値」は、臭気対策や環境管理の指標目安として非常に有用です。
本件では、
①たい肥化施設の発酵臭
②養豚エリアにおける糞尿臭
の2種類の臭気がメインでした。
この2種類の臭気を、ニオイの強い検体から弱い検体まで複数種類用意し、三点比較式臭袋法による嗅覚測定で臭気濃度を確認、同時に各検体におけるセンサー数値と比較して、 LIMOSセンサー数値と臭気濃度との換算式を算出しました。
①たい肥化施設/発酵臭での「臭気濃度換算値」算出
②養豚エリア/糞尿臭での「臭気濃度換算値」算出
算出した換算式を LIMOSに事前に設定しておくだけで、いつでも「臭気濃度換算値」を表示させることが可能です。
システムの仕様と設置場所
本件のシステム仕様
親機台数 | 1 |
子機台数 | 3 |
接続距離 | 約1km/台 |
敷地面積 | 約1㎞3 |
システム費用 | 200~300万円+デモテスト等費用用別途 |
システム構成図
※本事例においては、導入子機(ニオイ測定器)は3機です。
設置場所
LIMOSの親機・子機の設置場所は下図の通りです。
敷地内で親機と最も距離のある子機(1号機)は、直線距離で約1㎞となりました。これは、本システムの最大接続距離(通信距離)となります。
におい観測システムLIMOS(リモス)は使いやすさバツグン!その理由は?
「臭気管理のしやすさ」に特化して開発
臭気管理・臭気対策ご担当者様にとって、とにかく、
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- 見やすい!
- 数値がわかりやすい!
- 管理しやすい!
を追求したのがLIMOS(リモス)です。
それを実現できたのは、におい対策一筋30年のカルモアが、創業当時から現在まで、臭気の現場で常にににおい測定を行ってきたから。
カルモアにおいセンサーは、においの専門家である臭気判定士により、30年間、改良・開発・現場検証が繰り返されてきたニオイセンサーなのです。
「悪臭問題が発生する現場において、最も使いやすいニオイ測定器」と言えるでしょう。
カルモアが臭気対策をお手伝いした産業工場も、非常に多岐にわたります。
そんな工場の臭気対策担当者、環境管理・施設担当者の方により使いやすい様に、LIMOS(リモス)も開発されました。
まずはデモ機で使い勝手の良さをご確認ください。
現場に行かずにニオイの動きが一目瞭然!
最大8台の子機(センサー)を親機1台で受信、管理可能です。
データはリアルタイムで親機に送信、蓄積され、親機ではニオイの動きをグラフ化して継続的に変動推移を見ることができます。
アラート機能を使えば、事前に設定した測定値を超えた際に親機上にアラート表示させることもできます。
管理をより楽にするLIMOS(リモス)のオリジナル機能:
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- データ蓄積記録・時系列のグラフ表示機能
- 24時間リアルタイムのデータ受信
- 異常値アラート機能
- 親機1台に対し、子機8台の受信・管理が可能
特殊工事は不要!
無線通信のため、特殊な工事は必要ありません。
アンカー打ちできる基礎のある場所でしたら、工事は電源工事のみです。
お客様にて、出入りの工事業者・設備業者様により施工頂いても構いません。
データ通信費用(回線導入費・維持費)は、ほぼゼロ!
無線によりデータ送受信を行う仕様のため、お客様の既存の社内通信回線に導入するための設定費用や、クラウド利用などで発生するランニングコストなどは一切かかりません。
LIMOS(リモス)導入後の効果
本機を導入後は、お客様にて問題なく自動測定・監視を継続しております。
子機センサーは、苦情発生の多いエリアの敷地境界に、わかりやすく目立つ佇まいでそびえ立っております。
今後臭気苦情が発生した際には、お客様にて苦情内容とモニター数値との相関を確認しながら、対策を講じられることと思います。
脱臭装置の導入を検討されることになったら、弊社にて最も低コストで苦情を解決する方法・脱臭装置をご提案いたします。
まとめ
たい肥化施設・養豚場のみならず、周辺住民の悪臭苦情に悩まされている事業場は多くあります。
既に臭気対策は講じている場合でも、しっかりとした対策効果が出ているのか不安、苦情が再び発生した場合に備えニオイの排出状況を常時認識しておきたい、などのニーズは高まっています。
今回ご相談いただいた養豚場でも、自社内で色々な臭気対策を行ったうえで、ニオイ自動観測システムLIMOS(リモス)を設置されました。
敷地境界にセンサー装置を設置することにより、地域住民の方や行政に対して、対策への前向きな企業姿勢をお見せすることにもつながっています。
環境管理の一つとして、臭気対策の補完・バックアップとして、自社工場の臭気の排出状況を継続測定したい、監視したい、そんな場合には、ぜひお気軽にカルモアまでご相談ください。