カビ発生の原因はコロナ禍の影響!大型複合商業施設のカビ調査
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臭気成分
カビ
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発生場所
テナントショップ/壁面
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導入企業
大型複合商業施設/都心ビル
ご依頼を受けたのは、大型複合商業施設を運営する企業様。施設のテナントに入るショップから、「急にカビが発生した」との報告が入ったとのことで、カビスクリーニング調査のご依頼をしていただきました。これまでカビについてのトラブルはなかったとのことで、発生原因がわからずに解決できずにいらっしゃいました。
そこで、カルモアでは複数の理化学機器センサーを使い、カビの発生原因を徹底究明。無事にその原因を突き止め、調査結果をもとにすぐに解決策をご提案させていただきました。
課題
発生原因不明のカビを換気対策だけで解決
課題 |
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解決策 |
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お客様の課題と目的
大規模なカビ発生の報告は開業以来初めてで、その原因も対策もわからないので教えてほしい
関東にある大型の商業施設を運営する企業様に、「急にカビが発生した」とテナントに入るショップから連絡が入ったのは2021年の夏 。すでに、施設は開業から何年も経っていますが、これまでに大規模なカビの発生の報告はなかったとのことでした。
カビの発生には、必ず明確な原因があるもの。
空気(におい・カビ・ウイルス・香り・空調)のプロフェッショナル集団であるカルモアは、独自に開発したカビスクリーニング調査手法を用いて、施設のカビ発生原因の調査に乗り出しました。
カルモアのカビスクリーニング調査は、大手ゼネコンと共同で研究したカビデータをベースに、独自の検査機器とノウハウにより実施いたします。
事例ポイント
- 開業から何年も経っているのにカビトラブルは初
- ある特定のフロアのみでカビが発生
- カビ発生の原因が思い当たらない
カビスクリーニング調査によって、発生箇所と発生原因を究明
カビの発生原因を突き止めない限りは、効果的な対策はできません。
カビが増殖するのは「温度」「湿度」「栄養源」の3大条件が揃う時。さらに、気流(空気の流れ)も大きく関わってきます。
そのためカルモアスクリーニング調査では、まず施設の「温度」や「湿度」を測定・調査しました。さらに、専門家による見えないカビの拭き取り採取、経験に基づく目視等による確認を行い、集められた測定データを分析して原因を特定しました。
①複数センサー による測定で結露をミエル化
まずは、スクリーニング専用のセンサー機器を用いて、壁や天井などの結露リスクを測定。
独自の基準値をもとに、各所において結露が発生する可能性をミエル化しました。
その結果、一部の柱壁面部分、空調吹出付近の天井面、バックヤード側の壁面において結露発生レベルが高いことが判明しました。
②温湿度の測定
次に、施設、数箇所の温度と湿度をチェックします。
その結果、天井裏において結露になりうる時間帯が存在していることが確認されました。
③気中カビのサンプリング
各所において気中カビのサンプリングによる菌の測定を行い、空気中にカビ菌が存在しているかをチェック。
この結果、室内においては、空中に存在するカビ菌の量は「通常レベル(ある程度のカビ菌は存在するが人体には影響が出ないレベル)」であることが確認されました。
④ふき取り採取による付着カビの測定
カビ菌は、目では見えなくても胞子が天井や壁などに付着していることがあります。目に見えないカビは、目に見えるようになる(カビの増繫殖が急増している)前段階であり、カビ繁殖の危険度を予測する重要な要素です。
この測定では、綿棒を使って各所の表面をぬぐい、カビ菌の胞子がすでに付着しているかどうかをチェックします。
その結果、目視ではカビが確認されなかった壁面においても、大量のカビ胞子が付着していることを確認しました。
⑤その他、専門員による現場確認
測定機器に加えて、専門家の豊富な経験とノウハウをもとに目視で調査・状況把握を行います。
建築構造的にカビが発生しやすい箇所、さらには運用上の環境変化によってカビが発生しやすい箇所など、カビスクリーニング調査のプロによる厳しい目によって、カビが発生している箇所を中心に、発生原因に関連する情報の収集を行いました。
調査によってわかったカビの発生原因
複数項目における測定結果から、この施設内のカビの発生原因が明らかになりました。 その大きな原因は、なんとコロナ禍の影響によるものでした。
施設ではコロナ感染防止対策として、室内の換気を目的に施設1階の出入り口を開放していらっしゃいました。
これまでは開放していなかった扉から、高温多湿の外気が施設内へと流れこみ、吹き抜け部分において上昇気流となり上階へ上がっていき、結果的に特定のフロアにおいて湿度が上がったため、カビの繁殖条件が整ってしまったことが原因でした。
複数の柱壁面では、カビ発生のしやすい温湿度になっており、さらには断熱処理のされていない天井内の柱を発見。夏場は柱壁部分が外気よりも冷えた状態となっていたため、温度差により結露を起こし、カビの増殖を引き起こしていました。
そして、これらが原因で発生したカビの胞子が気中に放散され、気中に増加したカビ菌が、気流や吸排気の室内エアーフローに乗ってテナント店舗内に広がり、着地した室内の壁面などでさらに増殖したことが、今回のカビ発生の主な要因であると結論づけました。
調査結果をもとにカルモアがお客さまに提案した解決策
上記の調査結果は、お客さまへ口頭での説明とともに後日報告書にて提出させていただきました。そして、カビ発生を防ぐため、以下の対策をご提案させていただきました。
①夏場の1階出入り口の常時開放の停止。
今回のカビの発生は、施設出入り口を通常使用していれば発生していなかった可能性が高いため、高温多湿になる夏場において1階出入り口の常時開放を停止いただくようご提案させていただきました。
②除菌防カビ作業による環境改善
施設内の気中の菌数は多くはありませんが、目視で確認できるカビも発生していることから、カルモアの除菌防カビ作業を行い、カビが発生しない環境へとリセットすることで再発を防止するようご提案をさせていただきました。
上記対策を行うことで、カビ発生のリスクを軽減させ、清浄な環境で運用できることをお伝えし、本件は終了となりました。
今回のカビ発生の要因は、コロナ禍による施設出入り口の開放によるものでした。これは、カルモアの独自のカビスクリーニング調査だからこそ判明したもので、なかなか一般の方ではその原因と対策を見つけることは簡単なことではありません。
今回の事例と同じように、コロナ禍の影響でカビの発生リスクが高まっている商業施設は少なくないことが予測されます。カビのトラブルが表面化する前に、ぜひ一度カルモアのカビスクリーニング調査をご依頼ください。日本全国対応で、海外もご相談に応じます。
導入製品・サービスについて
発生したカビの調査・分析から対策まで、トータルでお助けいたします。