病院内全体の感染対策と脱臭/設計段階より導入(スペックイン)
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臭気成分
薬品臭、利用者の体臭、汚物・排泄臭
ゴミ臭、排水臭
病原菌(細菌・ウイルス・カビなど) -
発生場所
某大学病院
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導入企業
某大学病院
某大型病院の建築設計段階より、院内全体における臭気対策および感染対策の計画に携わりました。
院内感染主原因菌を始めとする細菌ウイルスの除去と、薬品臭・体臭・汚物排泄臭・生活臭など多種多様な臭気の除去が目的です。
目次
多種多様な臭気対策においての課題
病院内には多種多様なニオイが発生します。
薬品のニオイ・利用者の体臭・汚物臭・排泄臭・ごみ保管室のゴミ臭・排水臭・・・そしてそれらの臭気が混在し、複合臭として存在します。1種類または1か所のニオイのみに効果のある技術では対応できず、幅広いにおいに対する脱臭効果が求められました。
さらに設計段階であり実際の臭気が確認できないことから、病院・医療機関における過去実績が豊富で信頼のおける対策方法が求められました。
大型病院であるため、大規模風量への対応が可能であること、院内感染対策も行いたいこと、患者様の往来が多いため人体への安全性は必須であること、なども条件として加わりました。
今回は、設計会社からのご相談によるスペックイン案件となります。
事例ポイント
- 病院内の多種多様なニオイが対象となり、幅広い脱臭技術を求められる
- 建設計画段階であるが、確実に脱臭できる技術を選定したい
- 院内感染対策も行いたい
- 患者の往来も多いため、人体への安全性が重要
- 大規模風量
設計段階(スペックイン)における計画
対象範囲
院内感染対策としては、院内全エリアを対象とするのが理想です。
脱臭対策としても、診察・治療エリアで発生するニオイ(薬品臭・体臭・排泄臭・汚物臭など)だけでなく、裏設備側の排水処理室・ゴミ処理室なども対象となりました。
対象エリアとしては、ICU・CCU・病理検査・産科病棟・婦人科病棟・検体検査・細菌検査・腎センター・各病棟・霊安室・排水処理室・ゴミ処理室など、、、病院内のほぼ全エリアです。
対策方法として、【酸素クラスター除菌脱臭装置】をご提案しました。
酸素クラスター除菌脱臭装置は、プラズマ放電により空気中の酸素を電荷させて酸素クラスターイオンを生成し、その酸素クラスターイオンの酸化低減力で空気中の悪臭成分や病原菌を脱臭・除菌します。
医療機関への納入実績は1,800台以上に上っており、病院での臭気対策・院内感染対策では定番ともいえる対策技術です。
また本件のように、臭気の種類が様々ではあるものの酸化低減効果を期待できる臭気成分が多い場合には、ニオイ別に脱臭装置を選定する必要がなく、非常にコストパフォーマンスの良い脱臭技術とも言えます。加えて、院内感染主要菌とされる各菌種への除菌効果も有するため、院内感染対策にも対応できます。
100V電源と簡単な設置工事のみの設置据付タイプに加え、空調ダクトに埋め込むダクトインタイプもご提案し、空調ラインに乗せて酸素クラスターイオンを院内へ流入させる設計も行いました。
最適機種の選定
酸素クラスター除菌脱臭装置は、設置据付タイプでは空間容積 15~220m3、ダクトインタイプにおいても処理風量 2,400~7,200m3/h と幅広い商品ラインナップがあります。設置対象設備の条件や予算に合わせて自在に選定および組み合わせることが可能です。
建築基本設計の段階から設計会社とのお打ち合わせを重ね、空調設備の計画風量・換気回数などの指標を元に、最適な機種を選定していきました。
施設オープン後の脱臭効果測定
施設竣工後、実際のニオイが発生する現場において、酸素クラスター除菌脱臭装置の脱臭効果を測定しました。
測定データのみならず、実際の脱臭状況に対して施設ご担当者様からも
「抜群の効果を発揮している」という高いご評価をいただきました。
【においセンサーΣ】によるニオイの強さを測定
設置系統名 | 装置 未稼働 | 装置 稼働中 | 脱臭効率 |
---|---|---|---|
ICU | 658 | 182 | 72% |
CCU | 519 | 202 | 61% |
病理検査 | 530 | 236 | 56% |
細菌検査 | 586 | 213 | 64% |
検体検査 | 367 | 212 | 42% |
腎センター | 536 | 213 | 60% |
霊安室 | 394 | 215 | 45% |
各病棟(平均) | 458 | 206 | 55% |
排水処理室 | 372 | 181 | 51% |
ゴミ処理室 | 590 | 172 | 71% |
※上記数値はにおいセンサーΣにおけるΣ値です。においセンサーは複合臭気におけるニオイの強さを数値化します。
※ 現在「においセンサーΣ」は製造・販売を終了し、より技術・性能を進化させた「携帯式ニオイセンサーPOLFA」をお取り扱いしております。
【携帯式ニオイセンサーPOLFA】についてはこちら
院内感染対策の除菌効果について
酸素クラスター除菌脱臭装置レビオンは、除菌効果も高く有しています。
院内感染主要菌である、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)・大腸菌(E.coli)・多剤耐性緑膿菌(MDRP)・多剤耐性アシネトバクター(MDRA)・有芽胞菌(B.cereus)・酵母様真菌(C.albicans)などに対する殺菌効果実験(第三者機関による)でも、レビオン稼働時における各菌種の減少が確認されました。
酸素クラスターイオンは人体への影響が極めて少ないにもかかわらず、病原体への除菌効果が確認されていることから、有人(人が生活・往来する)空間における継続的な除菌技術として非常に注目されています。
【番外編】院内レストランにおける厨房排気対策
病院内レストランにおける排気脱臭対策も担当いたしました。
調理・厨房臭対策に実績の高い脱臭フィルター【マグセライド】を、設計段階より導入致しました。
1つの施設において厨房排気が発生する場合は、自施設から排出した臭気がすぐ横のOA取入口から侵入してしまい、自施設内での臭気問題となるケースも少なくありません。
カルモアでは幅広い脱臭装置・空気環境技術を有し、本事例のように、設計段階から施設全体のニオイ対策をご支援しております。
※ 現在「マグセライド」は製造・販売を終了し、より技術・性能を進化させた「ゼオガイア」をお取り扱いしております。
【厨房排気用セラミックフィルター脱臭装置 ゼオガイア】についてはこちら
導入製品・サービスについて
従来の技術を一新し、新たな放電素子を搭載したカルモアオリジナルブランド『Levion』のダクト設置タイプです。空調機二次側の給気ダクトに設置し、室内給気口から酸素クラスターイオンを対象室内に供給します。
圧倒的な納入実績を誇る酸素クラスター除菌脱臭装置【レビオン】。 マイクロプラズマ放電により生成された大量の酸素クラスターイオンが、菌・ウイルス・悪臭物質などを除菌・消臭します。
幅広い種類の臭気に対応するため、特に調理臭の除去に適した原材料を数種類配合してフィルター化致しました。臭気苦情の主原因となる焼き焦げ臭に対しても高い除去性能を有しています。
【空調設備向け レビオン除菌脱臭装置】は、空調機二次側の給気ダクトに設置することで、室内給気口から酸素クラスターイオンを供給します。 新型コロナやインフルエンザウィルスなど、ウイルス・病原菌と共存する時代の到来を受け、施設における標準設備として、除菌・感染防止の機能を保有する施設が増えております。