老健施設(介護施設)への除菌脱臭装置導入でIAQを向上!
今回ご紹介する納入事例は、老健施設(介護施設)におけるIAQ(Indoor Air Quality ※室内空気質)対策です。
ご高齢者が入居する老健施設(介護施設)では、一般的な施設よりもさらにIAQが重要になってきます。
この事例では、株式会社マクニカ様とタッグを組み、同社が提供する空気質モニタリングソリューション「AiryQonnect」による調査をもとに、当社で除菌脱臭対策を行いました。
ここでは、その事例の詳細について説明していきます。
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老健施設(介護施設)様のご依頼の経緯
IAQにこだわった次世代の老健施設(介護施設)をつくりたい!
ご依頼いただいたのは、全国各地で老健施設(介護施設)をはじめ、病院、ホテルを展開する企業様。
新たに、老健施設(介護施設)をオープンするにあたり、IAQにこだわった施設にしたいという想いから、30年以上に渡って空気環境の改善に取り組む当社にお声がけいただきました。
IAQとは「I:Indoor・A:Air・Q:Quality」の略で、室内の空気品質を表す言葉です。
浮遊粉じんの量、一酸化炭素の含有率、二酸化炭素の含有率、温度、相対湿度、気流、ホルムアルデヒドなど、それぞれ基準値が設けられています。
評価項目 | 必須項目 |
加点項目 |
---|---|---|
空気 |
・空気質 ・禁煙環境 ・喚起の設計 ・建設段階の汚染管理 |
・空気質の向上 ・喚起の設計の強化 ・開閉可能な窓 ・空気質のモニタリングと啓発 ・汚染浸入管理 ・燃焼の最小化 ・発生源分離 ・空気ろ過 ・給気の強化 ・微生物のカビの抑制 |
お客様はこれまでも老健施設(介護施設)を運営するにあたり、施設内のニオイ問題だけではなく入居者とスタッフの感染対策に悩んでおり、そのどちらも解決することができる当社の技術サービスに魅力を感じ、ご依頼をいただきました。
他社もご検討されたとのことですが、他社製品には除菌機能がなく脱臭のみの対策だったことも依頼の決め手となったようです。
老健施設(介護施設)様の目的と課題
今回対策を行った老健施設(介護施設)は、7階建てで100室以上の居室のある大型の施設です。
お客様の目的としては、上述したIAQの向上という背景から、徹底した脱臭・除菌対策をご希望でした。
以下に、お客様が感じておられた目的と課題を詳しく紹介していきます。
強いニオイの漏れを防ぎたい
施設には、各フロアに各居室の汚れた物を一箇所に集めておく汚物処理室が設けられています。
その中で強いニオイの原因となるのはオムツで、汚物処理室内にニオイが充満することで扉を開閉する度に、廊下へも臭気が拡散してしまうという問題がありました。
それを防ぐために、汚物処理室には設置型の除菌脱臭装置を導入することで、高い脱臭効率を発揮。不快なニオイの漏れがほとんどない状況にすることができました。
センサーによる臭気の官能評価でも臭気強度は「4.1→1.8」快・不快度「-3.2→-0.5」と臭気による不快感を下げることができました。
介護施設のお客さまにも「もう仕方ないと諦めていた臭い」なのに除菌脱臭機の設置部屋及び周辺廊下まで、「においが無くなるのは信じられない!」というお声を頂きました。
居住空間の脱臭を行い居住者や訪問者へ配慮したい
お客様の方は「いい気分で暮らせる」、「いい気分で訪れられる」、そんな施設にしたいというご希望をお持ちでした。
しかし老健施設(介護施設)では、毎日入浴できない方や、治療薬によって発生する独特な体臭など、多種多様なニオイが混在しています。
ですが、居室ごとに発生するニオイの強さが異なることと、全室に装置を導入することはコスト的に現実的ではありません。
そのため、対策が必要なお部屋でのみ酸素クラスター装置を稼働させるため、フレキシブルに対応ができる移動可能な置き型の除菌脱臭装置で対策を行いました。
これにより、スタッフ及び入居者に心地いい空間を提供するということだけでなく、面会しに施設を訪れるご家族も「いい気分で訪れられる」空間を実現いたしました。
感染対策のため除菌まで行いたいと思っている
老健施設(介護施設)のIAQを向上させるためには、脱臭対策では十分ではありません。脱臭対策に加え、除菌対策も非常に大切になってきます。
その理由がご高齢の方にとっては、ちょっとした風邪でも重病を引き起こすきっかけになりかねず、ウイルスや細菌に対する対策には細心の注意を払う必要あるからです。
また、入居者だけでなく施設で働くスタッフの方の感染対策にも繋がるため、施設内でのクラスター感染を予防することで、シフトへの影響や健全な施設運営にも役立ちます。
こういった理由でお客様は脱臭の機能だけでなく、除菌・ウイルス対策ができる機器をご希望されていました。
老健施設(介護施設)様へのご提案の流れ
ヒアリング後に、酸素クラスターイオンの脱臭装置をご提案
お客様の方では、しっかりとした目的がありましたが、実際にどう対策していいかはわからない状態だったため、当社の方でしっかりとヒアリングをさせていただきました。
オゾン発生器による対策もご検討されていましたが、オゾン発生器では脱臭効果のみとなってしまうこと、また低濃度でも「生臭いにおい」、さらには長時間吸い込むと低濃度でも、人体に影響が出てしまうため、当社からは酸素クラスターイオンの脱臭装置をご提案させていただきました。
また、電気代の高騰にも困っていたということもあり、電気代のランニングコストの低い酸素クラスターイオンの脱臭装置をおすすめさせていただきました。
1kWh単価が26.48円(東京電力)であると仮定し、WK-800の消費電力の中間値である16Wの場合だと24時間当たりの価格が1日/10.17円の計算です。月にすると
と1月カ月起動し続けても月額305円程度となっており、ランニングコストを節約できます。
カルモアが実施した対策の詳細
除菌・ウイルス対策として除菌力の高い機器を選定
今回設置させていただいたのは、酸素クラスター除菌脱臭装置。これまでに累計納入台数は15,200台。医療関連施設においても、全国850ヶ所以上の施設において導入いただいている装置です。
当社では、1995年より「酸素クラスターイオン」技術を取り扱っており、今回設置した酸素クラスター除菌脱臭装置においても有人空間における高い安全性と信頼性に評価をいただいています。
オゾンや次亜塩素酸水と比べ、人体への有害性が極めて低いため、今回のような同じ空間に長時間滞在するような施設の対策にも最適です。
オゾンの有害性 | 次亜塩素酸水の有害性 |
---|---|
0.01~0.02 ppm :オゾンの臭気を感じる |
「消毒剤を人体に噴霧することは、いかなる状況であっても推奨されない。これは、肉体的にも精神的にも有害である可能性があり、感染者の飛沫や接触によるウイルス感染力を低下させることにはならない」 |
除菌力が非常に高いのが特徴で、付着ウイルス除去率99.6%、浮遊菌除去率99.96%(※)を達成します。
(※)(株)食環境衛生研究所による試験。25m³ チャンバーにおける4時間後のデータ。
データ詳細はこちら。
可動式のものにしてスライドできるように工夫
そんな酸素クラスター除菌脱臭装置を、各部屋に可動式で設置。
これは、入居者や入居率の変化によりニオイの強弱も変わるので、状況に応じて臨機応変に対応できるようにしたためです。
また、酸素クラスター除菌脱臭装置を設置することで、窓を開閉する換気の必要がなくなります。これにより空調に影響を与えることがなくなるため、冷暖房の使用による電気代を抑えることにもつながります。
今回設置した機種とその特徴とその他製品仕様
抗ウイルス抗菌強化型 酸素クラスターイオン除菌脱臭機「WK-800」
- オゾン特有の生臭いニオイがしない
- 人体への安全性が高く、ご高齢の方も安心して使える
- 実空間での脱臭効果が実証されており、体感でもニオイが減少
- 付着菌・浮遊菌のどちらに対してもテスト済みで論文も掲載
「付着」、「浮遊」両方の菌をモレなく攻撃するイオンバランスコントロール技術で、一般的な空気清浄機(フィルター式)やUV除菌装置より効果が高いのが特徴。付着ウイルス 99.6%、浮遊菌 99.96%(※2)除去を達成します。また、「東京都先進的防災技術実用化支援事業」にも採択されています。
(株)食環境衛生研究所による試験。25m³ チャンバーにおける4時間後のデータ。
データ詳細はこちら。
今回の浮遊細菌測定においても空中浮遊菌数は 未稼働状態と比較すると74.4~76.9%減少となりました。※487.5 (CFU/m3) ⇒ 112.5 (CFU/m3) 、125 (CFU/m3)
※ 採取時間4分間採取空気量160L 測定コロニー数487.5(CFU/m3)
写真2-A装置稼働時(2023.10.17.) 培養培地(コロニー数36個)
※ 採取時間8分間採取空気量320L 測定コロニー数112.5(CFU/m3)
写真2-B装置稼働時(2023.10.17.) 培養培地(コロニー数40個)
※ 採取時間8分間 採取空気量 320L 測定コロニー数125(CFU/m3)
一般的な除菌装置・ウイルス対策装置との比較表をご覧ください。
- 空気清浄機(フィルター式)では、浮遊菌しか除去できません。
- UV(紫外線)装置では、光の当たらない裏側や遠いエリアを除去できません。
- オゾン発生器では、人体に有害とならない低濃度レベルでは、除菌効果が高くなりません。
イオン発生器(WK-800) |
オゾン発生器 | 空気清浄機 | UV-C | 光触媒 | |
---|---|---|---|---|---|
「付着」菌の除去 (表面除菌性能) |
○ (人に優しい) |
低濃度で△ 高濃度で〇 |
✕ |
△ (照射範囲のみ) |
✕ |
「浮遊」菌の除去 |
○ (人に優しい) |
低濃度で△ 高濃度で〇 |
○ |
△ (照射範囲のみ) |
〇 |
生物臭の脱臭 |
〇 (人に優しい) |
低濃度で△ 高濃度で〇 |
× |
△ |
× |
安全性 |
○ |
高濃度で✕ 低濃度で△ |
○ 有人環境使用可 |
△ 機内照射or無人空間 |
○ |
消費電力 |
11-21W |
20-150W 程度 |
15-100W 程度 |
10-50W 程度 | 30-50W 程度 |
設置方法 |
スタンド・壁掛け |
床置きが殆ど |
床置き |
床置きが殆ど |
棚置き・壁掛け 床置きなど |
備考 |
安全性と除菌脱臭力を両立 |
無人空間向きオゾン臭あり |
フィルタ目詰まり に注意が必要 |
人や内装材への影響 |
定期的な紫外光源交換が必要 |
また、脱臭能力も非常に高く、日常生活で発生する生活臭全般に対して非常に高い脱臭効果を発揮。さまざまなニオイが混在する老健施設(介護施設)の脱臭対策としても最適です。
今回の事例の施設では、機器の移動ができるよう可動式を採用しましたが、集合吸排気の空調設備がある場合は、ダクトイン挿入型の設置も可能です。条件・目的・予算に合わせて最も相応しいものをご提案させていただきます。
株式会社マクニカ様とのタッグ
今回の事例では、お客様の目的であるIAQ向上を果たすため、空気質モニタリングソリューション「AiryQonnect」を提供する株式会社マクニカ様とタッグを組んで対策にあたりました。
前述した対策を行う前に、空気質モニタリングソリューション「AiryQonnect(https://www.macnica.co.jp/go/airyqonnect.html)」で温湿度、CO2、TVOCガス、PM2.5など空気環境を計測。その結果をもとに、施設内における最適な対策を考え進めていきました。
老健施設(介護施設)への導入後の効果
IAQの高い老健施設(介護施設)に!
今回、設置させていただいた機器は以下の通りです
場所 | 設置機器 | 機器イメージ |
---|---|---|
汚物処理室 |
WK-800 Piccolo |
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お客様には非常にご満足いただき、今回の老健施設(介護施設)だけでなく、今後は他の病院やホテルなどでの対策もご一緒に進めさせていただいています。
老健施設(介護施設)の脱臭対策・除菌対策でお困りの方は、ぜひ当社までお気軽にお問い合わせください。日本全国対応で、海外もご相談に応じます。
導入製品・サービスについて
酸素クラスター除菌脱臭装置の「ダクトイン型(空調連動型)」です。 空調機二次側の給気ダクトに設置し、室内給気口から酸素クラスターイオンを対象室内に供給します。第一種換気方式で運用される、オフィス、病院、介護施設、実験動物施設、商業施設等の比較的大規模空間の使用に最適です。
酸素クラスター除菌脱臭装置の総合案内です。全ラインナップがご覧いただけます。 室内設置型(置き型)は、有効容積 220㎥まで対応可能。ダクトイン型(空調連動型)は一基の処理風量、 2400, 4800, 7200㎥/hです。