ホテル・旅館の除菌・ウイルス感染症対策
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臭気成分
ウイルス感染症対策
除菌作業
客室に残存するニオイ -
発生場所
ホテル・旅館の客室/清掃作業にて
新型コロナウイルス感染拡大を受け、除菌作業・感染症対策の必要が迫られました。
業務用の高性能オゾン脱臭機を数台導入し、客室清掃のタイミングで「素早く」「手間なく」オゾン燻蒸を行うことで、除菌作業の負担を大幅に軽減しました。
除菌作業を軽減・ニオイの消臭も一緒に!
新型コロナウイルス感染拡大により、宿泊施設において営業の継続には感染症予防策が不可欠となりました。
しかし、除菌作業に割ける人員・時間・予算は限られています。
その解決策として、清掃作業時間内にオゾン脱臭機を用いて除菌施工を行う方法が、多くの宿泊施設で実施されるようになりました。
しかしオゾン脱臭機の性能や除菌効果は、商品によってさまざま。
オゾンは新型コロナウイルス除去効果が学術的に証明されていますが、正しい濃度と時間管理を行わなければ、限られた清掃時間内でウイルスを除去することはできません。
事例ポイント
- 清掃時間内に収まるよう、短時間で除菌したい
- 除菌処理の作業モレを防止したい
- 作業人員・コストを最小限にしたい
- 専門知識なく、どの作業員でも操作できるものがよい
オゾン脱臭機を活用した除菌法
除菌・ウイルス除去の方法としては、アルコールなどの除菌剤による拭き取り、空気清浄機の運転などがあります。しかし薬剤で室内をくまなく拭き取ることは大変な手間ですし、空気清浄機では付着菌の除去ができません。
そこで、客室の脱臭機器として親しみ深く、空間と物体表面の両方を同時に除菌できる「オゾン脱臭機」を活用した除菌法を実施しました。
オゾンの除菌効果とは
オゾンは酸素原子3個(O₃)から成る、強い酸化力を有する物質です。様々な物質を酸化する性質から、水道水の処理などに用いられます。除菌や抗ウイルスにも有効で、先日には新型コロナウイルスの不活効果が学術的に確認されました*。
オゾンは菌やウイルスに対し、細胞膜や細胞壁を損傷させることで除菌、不活化します。空気中の飛沫はもちろん、什器など物体に付着した菌やウイルスにも効果的です。
(*奈良県立医科大学,MBTコンソーシアムの研究グループによるプレスリリース,2020.05.14)
オゾン脱臭機の運用方法
オゾンが除菌・抗ウイルス効果を発揮するには、決められたオゾン濃度で一定時間曝露させる必要があります。そのため、オゾン脱臭機を使って除菌する際には、室内の容積に合わせて運転(オゾン燻蒸)時間を調整して運用する必要があります。
最適な運転時間は機器の性能や部屋の容積、除菌対象により異なりますが、簡単な計算で求めることができます。
除菌に必要な運転時間の計算
運転時間は、部屋の「容積」、オゾン脱臭機の「オゾン発生量」、除菌対象の「CT値」から計算できます。 CT値は除菌・ウイルスを不活化する力を示す指標で、オゾン濃度(ppm)と接触時間(分)の積で表わされます。
今回は新型コロナウイルスを不活化できる基準として、厚労省PMDAによる医療機器認証の実証実験値であるCT値=330*を採用し、運転時間の算出を行いました。
【計算式】
オゾン理論濃度(ppm) = オゾン発生量(mg/h) ÷ 室内容積(㎥) ÷ 2.14※1
理論濃度での運転時間(分) = CT値 330 ÷ オゾン理論濃度(ppm)
実際の運転時間目安(分) = 理論濃度での運転時間(分) × 2 ~ 3※2
※1 定数“2.14”は、オゾンの分子量(48)を標準状態における体積(22.4 L)で割った値です。
※2 オゾン発生から理論濃度に達するまで室内環境によって一定の時間を要するため、実際では理論値の2~3倍ほど長く運転する必要があります。
【例】ホテル客室(シングルルーム)を除菌する場合
ホテルの客室シングルルームが、面積25 ㎡、高さ2.5 mとします。
オゾン脱臭機「ゲルリッツ(Goerlitz-zero)」を使った場合はオゾン発生量が1500 mg/hrなので、 除菌には理論濃度で約30分の運転が必要と分かります(右図参照)。
実際は、その2~3倍の時間である60∼90分ほどを目安に運転してください。 また、より短時間で除菌したい場合は、複数台の併用もおすすめです。
所定時間の運転を終えたら、1時間程度の換気(オゾン回収)を行います。ゲルリッツのタイマー設定を使用した場合は、自動でオゾン回収モードに切り替わるため、運転開始から2∼3時間後に脱臭機を片付けて作業終了です。
オゾン脱臭機の注意事項
- 高濃度のオゾンガスは、貴金属(精密機器)、ゴム、革製品を劣化させる可能性があります。作業時は室外に出す、あるいは養生を施してください。
- 高濃度オゾンの長時間の吸引は人体に有害です。運転中は人や動物が立ち入らないようにし、植物などは室外に出してください。
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