イタリアンレストランのニンニク臭対策
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臭気成分
イタリアンの排気
ニンニク料理の排気
厨房・調理排気臭 -
発生場所
テナントの飲食店厨房排気ライン
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導入企業
イタリアンレストラン / テナント店舗
マンションの1階部分にイタリアンレストランが入居する事になりました。
ニンニクを多用するイタリアンは臭気苦情対策のお問い合わせをよくいただく料理の1つです。
今回は、住民からの臭気苦情発生を懸念された設計施工会社向け、ニオイの予防対策の事例をご紹介します。
脱臭装置の導入では、想定される臭気レベルから、費用を最低限に抑えられるスペックを検討してほしいとのご要望があり、当社臭気判定士の専門的知見から最適な脱臭装置のスペックをご提案いたしました。
テナント店舗/悪臭苦情対策における重要項目
「高性能・コンパクト形状・専門家による検証」の重要性
①苦情対策を可能とする高性能な脱臭能力
ご依頼をいただいたイタリアンレストランは、マンションの1階部分に入居する事になっており、店舗とマンションの近さから、住民からの悪臭苦情を受けるリスクがありました。
おまけにイタリアンはニンニクを多用するので、臭気レベルの高い臭質で、確実な脱臭能力が必要になります。
②設置場所の厳しい制限を可能にするコンパクト形状
テナント店舗における脱臭装置導入で一番の課題は、装置を設置する場所が限られるということです。
既設物件の場合、排気ライン上や排気口エリアにおいて、設計段階で脱臭装置が組み込まれなかったためにスペースが無いケースなど、脱臭装置を設置するスペースの確保が課題になることが多くあります。
加えてテナント店舗の場合には、テナントエリア内で設置工事を完結しなければならないことが多く、設置場所の厳しい制限が条件となります。
今回は、天井裏の限られたスペースへの設置が求められました。
③最適な脱臭装置スペックを検証できる臭気判定士の存在
飲食店を含む事業所は、悪臭防止法や条例などの規制を遵守しなくてはなりません。
ニオイは目に見えない為、施策した臭気苦情対策が本当に効果的かどうかを判断するには、ニオイの数値化が判断材料になります。
今回は、最小限の費用で臭気苦情を抑えられるか検討してほしいとのご要望により、系列店舗のイタリアンレストランで排気されているニオイを参考に、弊社臭気判定士にてニオイの数値化と最適な脱臭装置スペックの検証を行いました。
事例ポイント
- 近隣住民からの悪臭苦情予防対応
- テナント店舗がマンションの1階に入居
- 臭気の強いニンニクを使用するイタリアン料理排気の対策
- 天井裏の脱臭装置の設置スペース制限
- 臭気判定士による最適な脱臭装置の検証
臭気判定士が提案したイタリアンの厨房排気臭向け脱臭対策
「ニオイ対策」と一括りにいっても様々な方法があり、どのようなニオイ対策を実施するかは、原因となっているニオイの特徴・発生状況などに合わせ適切に選定する必要があります。
厨房排気のニオイ対策に最適な方法とは?
当社ではイタリアン料理の排気臭対策として
✓ ニンニク臭を主体としたニオイが強い臭質であること
✓ 近隣の悪臭苦情を予防する必要があること
上記2点を考慮し、厨房排気用セラミックフィルター装置をご提案しました。
それでは、厨房排気用セラミックフィルター装置とは、どのような脱臭方法なのかご説明します。
厨房排気用セラミックフィルター装置とは?
「吸着法」に分類される脱臭方法です。
排気ダクトに設置したフィルターに、においを吸着させて消臭します。
フィルター方式は、臭気成分との接触率が高く、小風量から大風量までの排気風量に対して、変わらず高い効果を発揮しますので、様々な飲食店規模で使用できます。
また、新たな配管工事・計装工事・電気工事の必要がなく、メンテナンス頻度が少ないという利点もあります。(性能維持の為に、フィルターメンテナンスは数年に1度必要となります。)
導入した当社セラミックフィルター脱臭装置【ゼオガイア】の実績と特徴
納入実績
当社の厨房排気用セラミックフィルター装置「ゼオガイア」は、2021年7月現在累計納入枚数 26,000枚を超える信頼性の高い脱臭装置で、近隣の悪臭苦情対策の予防にも実績がある、確かな実力を有しています。
ゼオガイアの特徴
脱臭技術
ゼオガイアフィルターはセラミック無機繊維素材で、表面の細孔(微細で無数の穴)で臭気成分を吸着して排出ピークをカットし、さらにゆっくりと時間をかけて放出する(手放す)ことでロングライフを達成する、という特徴のある脱臭技術です。
この特殊セラミック素材は、吸着力が最大化されるよう、食品・調理系の臭気成分と相性の良い成分を複数種含有させ、厨房調理排気専用のセラミックフィルターとして開発されました。
臭気レベルが高い焼き鳥・天ぷら・唐揚げ・焼肉・中華など様々な飲食排気での導入実績を有しており、イタリアンの排気臭対策にも安心してご提案いたしました。
また不燃性素材であり、厨房排気ダクトに安心して導入可能です。
(※脱臭フィルターとして認知度の高い活性炭フィルターは、可燃性であるため、厨房排気ダクトに用いることができません。)
コンパクトさ
ゼオガイア脱臭装置はゼオガイアフィルターと、それを装填するケーシングユニットとで構成された非常にシンプルな作りです。
設置はこのケーシングユニットを排気ダクト上のどこかに組み込む、ということになります。
悪臭苦情対策に効果的な脱臭装置スペックを選定
一般的に、収益に直接関わらないニオイ対策にお金をかける事は、抵抗を感じることもあるでしょう。
可能な限り費用は抑えたいものです。
今回もお客様より、脱臭装置導入費用を最小限にとどめられないか、ニオイの専門家の観点から検討してほしいとのご要望がありました。
しかし、まだ入居前の店舗では臭気が排出されていない為、最適な機器スペックの検討ができません。
そこで、同じ系列のイタリアンレストランにご協力いただき、調理中に排気されるニオイを基に、臭気判定士にて規制値遵守が可能なフィルター数の算出をおこないました。
悪臭苦情対策に必要なゼオガイアフィルター数の算出方法
フィルター数の算出では、まず、イタリアンレストランで一番ニオイが強く排出される時間帯に厨房の排気臭をサンプリングし、臭気濃度(臭気指数)を算出します。
さらに、規制値を遵守するための臭気濃度目安、ゼオガイアフィルター1層あたりの脱臭能力、排気風量、周辺環境も考慮し、必要なフィルター層数を算出します。
臭気判定士による検証結果
フィルター数算出の結果、店舗の厨房排気口と住宅との距離が近く、厳しい自治体規制値を遵守するには、最大装填数のフィルターが必要であることが分かりました。
仮に、費用を抑える為にフィルター数を少なく設置した場合、臭気苦情必至の臭気濃度(臭気指数)になってしまう事もこの検証で明らかになりました。
脱臭装置の導入
臭気判定士によるニオイの数値化とシミュレーションは、お客様の脱臭装置導入時の判断材料として、非常に有効です。
「臭気苦情を出さないようにする」最適な脱臭装置のスペックにご納得いただき、ご提案内容で脱臭装置を導入する事になりました。
脱臭装置設置では、スペース条件により、天吊り仕様型で天井裏に設置致しました。
≪厨房排気臭対策用ユニット≫
商品名 |
ゼオガイア脱臭装置ZG-7800 最大装填 |
最大装填排気風量 | 7,800m3/hr |
装置外寸 | 988W×1046H×856L |
店舗範囲内で工事を完結する必要のあるテナント案件では、天井裏の他にも建物の狭所スペースに設置するケースが多くございます。
ゼオガイア脱臭装置は、様々な場所への設置が可能です。お気軽にご相談ください。
まとめ
本事例では、臭気判定士による専門的な知見から臭気苦情対策に最適な脱臭装置スペックのご提案ができたことがゼオガイア脱臭装置導入の決め手となりました。
脱臭装置がコンパクト形状で、厳しい設置条件にも設置可能だったことも導入に欠かせなかった特徴でしょう。
一般的に、臭気対策において小規模店舗・個人経営飲食店では、脱臭装置の導入は高いハードルであることも事実です。
環境省では飲食店事業者向けのマニュアルを公開し、事業者の理解を求めると共に支援を行っていますので、そちらも是非参考ください。
❯ 環境省 飲食業の方のための『臭気対策マニュアル』
(環境省のPDF資料へリンクします)
ただ、悪臭防止法において臭気の規制値が定められており、事業主はこの基準値をクリアする必要があるのも事実です。
「悪臭苦情を受けてしまった」
「住宅地から近くて悪臭苦情を受けないようにしたい」
そのような場合は、脱臭の専門家カルモアへお問い合わせください。
ご参考ページ:
導入製品・サービスについて
コンパクトさ・性能の高さ・メンテナンスのしやすさを追求した厨房排気用フィルター。 厨房・料理臭専用に開発したセラミックフィルターは、日本にとどまらずアジア各国に導入されている実力を有しています。