ビール工場の仕込み工程で効果のない脱臭装置の更新の事例
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導入企業
ビール工場
今回は、ビール工場での脱臭装置の導入事例をご紹介します。
ビール工場では、設計段階から臭気対策としてスクラバー(排ガス処理装置)を設置するケースが多いですが、本案件ではそのスクラバーを設置しているにも関わらず必要な脱臭効率を発揮しておらず、臭気問題が発生してしまったとのことでご相談をいただきました。
当社では、この発生してしまった臭気問題を解決するために、スクラバー装置からETO(触媒燃焼方式脱臭装置)に切り替えることをご提案。
脱臭効率の目標値が99.5%と、達成するのが非常に難しい案件でしたが、豊富な経験をもとに。
臭気コンサルティングと、オリジナルのETO(触媒燃焼方式脱臭装置)をさらにカスタマイズすることで無事に目標値をクリアすることができました。
この記事では、その対策について具体的に説明をしていきます。
スクラバーを設置しているもののニオイが心配な工場のご担当者、さらには建設時に設置しているスクラバーの更新時期が近づいている工場のご担当者様は、ぜひこの記事を参考に脱臭装置の見直しをご検討ください!
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ビール工場様の課題と目的
今回ご相談をいただいたのは、関東地方にあるビール工場様。工場の建設当時から、他社のメーカーのスクラバー(排ガス処理装置)を設置していたものの悪臭問題が発生。
工場側で臭気調査を実施したところ、ビールの仕込み工程を行うラインにおいて強いニオイが発生しており、スクラバー(排ガス処理装置)では必要な脱臭効果が発揮できていなかったことが判明しました。
工場としては「どうしてスクラバーが脱臭効果を発揮できていないのか」、「臭気問題を解決するにはどうすればいいのか」がわからなかったため、当社に臭気対策をご依頼いただきました。
スクラバーは万能ではない?
スクラバー(排ガス処理装置)は、工場排気から発生する有害ガスや悪臭ガスを洗浄・脱臭し、安全な状態にするための装置です。
しかし、工場の設備や臭気の種類によっては必要な脱臭効果を発揮できない可能性や、コストが高くなってしまう可能性もあります。
ビールの仕込み工程は、排気の風量は高くないものの、全ての工程の中で臭気濃度が最も強くなる特徴があります。スクラバーは初期費用・維持費用がともに比較的安価ではありますが、他の装置に比べて脱臭力は低い傾向にあります。
本工場のケースにおいても、仕込み工程で排出される臭気濃度が高いニオイに対しては、スクラバー(排ガス処理装置)だけでは必要な臭気効果が得ることができず、ニオイを取りきれずに臭気問題が発生してしまったものと考えられます。
ビール工場においては、「スクラバーを設置しておけば安心」と思われがちですが、全ての工程でどのような臭気の種類が発生し、どれくらいの臭気濃度になるのかを想定した上で脱臭対策を選定する必要があります。もし、設計段階で万全な臭気対策を行いたい場合も、ぜひ当社までお気軽にご相談ください。
また、スクラバーの更新時期の大体の目安は20年ほど。見た目ではわからなくても、部品が劣化し性能が低下している可能性があります。
そうなると、必要な脱臭効果を発揮できなくなってしまうため、悪臭問題に発展しかねません。スクラバー設置から20年以上経っている場合は、他社製品でもぜひ一度当社までご相談ください。
カルモアが行った脱臭対策
ETO(触媒燃焼方式脱臭装置)をカスタマイズ!
臭気調査の分析データから設定された目標の脱臭効率は99.5%。臭気濃度でいうと200万を1万以下にするという非常に高い目標値でした。
また、仕込み工程ではいくつかの釜があり、それぞれの釜では色々な種類のビールが仕込まれていました。
ビールの種類によって臭気濃度が異なるため(臭気濃度が低いもので10万、高いもので200万)、臭気濃度にバラつきがありますが、それぞれの釜の排気は1本の煙突に集約されているため、脱臭装置1台で複数のニオイを脱臭する必要がありました。
これらの状況から、通常のETO(触媒燃焼方式脱臭装置)では必要な脱臭効果を実現するのは難しいと判断。そこで、2つの装置を直列で並べるカスタマイズをした特注品の設置をご提案させていただきました。
カルモアのETO(触媒燃焼方式脱臭装置)の特徴
ETO(触媒燃焼方式脱臭装置)は、カルモアが取り扱う脱臭装置の中で最も脱臭効果の高い装置です。電気ヒーターを熱源とする触媒燃焼方式の脱臭装置で、触媒表面にて空気中の酸素と臭気が反応し、臭気が酸化分解することで脱臭される仕組みです。脱臭処理後の臭気は熱交換器を通って冷却され排気されます。
大きな特徴は、臭気の種類を選ばないこと。様々な臭気に対して高い脱臭効率80~99%以上を得られます。これまでの燃焼法が苦手としていた小風量域1~50m3/minにおいても、燃焼法と同等の性能を発揮し、様々な工場及び事業所の臭気対策に非常に有効です。
また、カルモアのETO(触媒燃焼方式脱臭装置)のメリットはそのままに、電気式により低炭素・省エネルギーを実現し、小・中風量(1~50m3/min)にも対応。
従来の装置よりも環境にやさしい仕様を実現しています。
ETO(触媒燃焼方式脱臭装置)設置後の効果
効果測定で目標数値を達成!
ETO(触媒燃焼方式脱臭装置)が実際に、必要な脱臭効果を発揮しているかをチェックするため効果測定を行いました。
その結果、目標値99.5%を無事に達成できていることを確認。お客様にも効果測定のデータを共有させていただき、大変喜んでいただくことができました。
当社の臭気コンサルティングと脱臭装置を信頼していただき、次の装置更新に関しても発注いただくことができました。
また、「脱臭装置設置後のメンテナンスの手配が面倒」というお声をよくいただきますが、当社の脱臭装置を導入していただければ、その後のメンテナンスはこちらからご連絡をさせていただき、適切なチェックとメンテナンス作業を実施させていただきますので面倒な手間がかかることはありません。
ご予算と工場の臭気状況に合わせ、最適な臭気対策プランをご提案しますのでどうぞご安心ください。
今回のように、ビール工場における臭気対策にお困りの際は、臭気対策の豊富な実績を多く持つカルモアまでぜひ一度ご相談ください。日本全国対応で、海外もご相談に応じます。
<ご参考:工場の臭気対策ノウハウを説明>
導入製品・サービスについて
強力な酸化作用で高い脱臭効率を発揮する燃焼脱臭装置です。対象臭気を特殊なヒーターで300~350℃に暖め、特殊ハニカム触媒フィルターで対象臭気を分解し脱臭します。