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納入事例

CASESTUDY

有機溶剤の脱臭装置にはマイクロゲル!自動車工場塗装ラインの臭気対策

  • 臭気成分

    有機溶剤臭(VOC臭)
    塗装の揮発・排気臭

  • 発生場所

    自動車工場、塗装工程の排気ライン

  • 導入企業

    某自動車メーカ/製造工場/関東

工場の塗装ラインや印刷・接着工程で発生する有機溶剤(VOC)の強いにおい。近隣から苦情を受けることもあり、有機溶剤(VOC)の臭気に関する相談は多く寄せられています。

自動車工場の事例をもとに有機溶剤の臭気対策のポイントと実際行った対策、おすすめの脱臭装置を紹介します。

目次

1. 有機溶剤(VOC)の臭気対策における6つの課題点

      • 排気風量が大きい
      • 排気口(排気ライン)が多い
      • VOC排出濃度の変動が大きい
      • VOC排出濃度は薄いが、苦情が発生する
      • シンナーのにおいは人体に悪いイメージがある

2. 自動車工場で行った施策

      • 臭気アセスメント
      • 脱臭装置「消臭剤マイクロゲルスプレーシステム」の導入

3. 有機溶剤の脱臭装置にはマイクロゲルがおすすめ!その理由は?

      • コストが安価
      • VOC除去専用に開発した消臭剤を使用
      • 臭気が再発しない
      • 噴霧量を簡単に調整できる
      • 使用塗料成分などに合わせてカスタマイズ可能

4. マイクロゲル導入後の効果

5. まとめ

事例ポイント

  • 排気風量が大きく、ニオイも強い
  • 大風量だが、脱臭装置のコストを極力抑えたい
  • 工場周辺で苦情が発生しており、解決が求められている
  • 臭いの排出箇所(排出口・漏洩箇所など)が多数あり、どこを対策したら良いかわからない
  • 塗装工程により、臭気レベルが変動する(色換え時にシンナー臭が激しい)

有機溶剤(VOC)の臭気対策における6つの課題点

自動車工場の排気で、最も苦情になりやすいのが吹きつけ塗装ラインから排出される臭気。しかし有機溶剤のにおい対策には様々な課題点があり、適切な脱臭装置が選定されないというケースが多く見られます。

 

実際の事例を見る前に、なぜ有機溶剤の臭気対策は難しいのか、理由を6つご説明します。

 

排気風量が大きい

人体への影響や塗料ミストの飛散防止、労働安全衛生法の順守などの理由から、塗装ラインの排気風量は大きくなるケースが良く見られます。

 

しかし大風量の排気に対する脱臭装置は、多大なコストがかかります。予算があれば臭気成分をほぼ完全に分解できる蓄熱式燃焼脱臭装置や活性炭装置の設置が望ましいですが、燃焼装置や活性炭装置は規模が大きく高価なため、ほとんどの工場では導入が難しいのが現状です。

 

排気口(排気ライン)が多い

作業環境を良くするために、排気風量を大きくするだけでなく排気口(排気ライン)の数を増やして対策する工場が多く、特に古い工場でその傾向が顕著に見受けられます。

 

予算に限りがある中で臭気対策をする場合、どの排気口をいくつ対策すれば効果が出るのか、プロでなければ判断は難しいでしょう。

 

VOC排出濃度の変動が大きい

作業によって使用する塗料の種類や量が変動すると、臭気のピークとそれ以外の時間のVOC排出濃度は大きく異なります。

 

においのピーク時に合わせて脱臭装置をいれると膨大なコストがかかる上、消臭効果がムダになりかねません。

 

VOC排出濃度が低くても苦情は発生する

有機溶剤はにおいを感じる最低濃度が高く、臭気を感じにくいとされていますが、排気量が多いと臭気の濃度が低くても苦情が発生する可能性があります。

 

「風量×濃度=与えるインパクト」となるため、VOC排出濃度が低いからと油断せずに対策しておいた方が安心です。

 

シンナーのにおいは人体に悪いイメージがある

独特なシンナーのにおいが苦手という人や、シンナー臭は身体に悪影響を与えると考える人は少なくありません。 

たとえ悪臭防止法で規定されている臭気指数規制をクリアしていても、ほんのわずかな有機溶剤臭で苦情が発生することもあります。

 

この自動車工場の事例でも、都市の発展とともに工場周辺にマンションなどの住宅エリアが隣接するようになり、住民苦情が一気に増加したという背景があります。

自動車工場で行った施策

難易度の高い有機溶剤の臭気対策。どのように進めればいいのでしょうか。

ここでは実際にカルモアがにおい対策を行った自動車工場の事例をもとに、施策を2つご紹介します。

 

臭気アセスメント

今回の自動車工場は排気口が多かったため、まずは現状把握を行い、過剰コストを避けた脱臭目標値を設定するために、臭気アセスメントを実施しました。 

排気口の臭気レベルを「悪臭インパクト」として順位付けし、排気される臭気をどれだけ低減できれば工場周囲への臭気拡散エリアを小さくできるのかを調査しました。

 

悪臭インパクトを算出するためには、主に以下のような基準を用い、臭気拡散を自動算出する拡散シミュレーションを利用します。

・風量×濃度

VOC成分濃度×嗅覚閾値(人間がニオイを感知する最低濃度)

・排出時間×臭気レベル

・敷地境界線までの距離

・天候・風向き・地形  など

 

調査・シミュレーション結果とお客様の予算を考慮し、周辺への影響度が高い上位10ラインへの脱臭対策を提案いたしました。

 

❮ 自動車工場・塗装排気におけるデモテスト参考例 ❯

希釈倍率 200倍 200倍
噴霧量 5cc/m3 3cc/m3
原臭臭気濃度 4,000 13,000
原臭臭気指数 36 41
処理後臭気濃度 1,300 7,900
処理後臭気指数 31 39
脱臭効率 68% 39%

 

 

脱臭装置「消臭剤マイクロゲルスプレーシステム」の導入

対策をする排気口を絞り込んだとは言え、対策を行うのは10ラインもあります。

10ライン同時に対策を講じるべく、今回は消臭剤マイクロゲルスプレーシステムを提案しました。

スプレーシステムであれば、装置ユニット1つに対し複数本のスプレーラインを敷くことができます。各スプレーラインを対策対象である排気ラインに差し込むことで、イニシャルコストも他の脱臭装置より安価に抑えることが可能です。

 

消臭剤マイクロゲルには、有機溶剤臭(VOC臭)専用に開発された特化版があります。

有機溶剤臭(VOC臭)により効果が高まるよう現場テストを繰り返して開発された消臭剤ですので、非常に高い消臭効果(臭いの除去率)が期待できるのが特徴です。

 

また運用設計においてもランニングコストを抑える提案を行いました。

本塗装ラインでは、塗装の色換え時でシンナーを使用した際に最も臭気レベルが強くなります。

そこで、「色換え時」「通常の塗装時」「停止時」のそれぞれの作業工程に分けて、噴霧稼働するノズル数を3段階で制御し、薬剤の使用量を最低限に抑える運用設計としました。

 

高いコストメリットが得られるということと、これまでの有機溶剤臭向けに導入されたマイクロゲルの実績から十分な脱臭効果が期待できるということが認められ、装置の導入が決定しました。

 

このお客様に限らず、吹き付け塗装の有機溶剤臭対策に消臭剤マイクロゲルスプレーシステムが採用されるケースは非常に多いです。

有機溶剤の脱臭装置にはマイクロゲルがおすすめ!その理由は?

マイクロゲルは日本だけでなく中国やタイ、韓国、ベトナムなどでも使用され、その累計出荷量は1,500トン以上にもなります。(20199月現在)

 

なぜ有機溶剤臭対策に消臭剤マイクロゲルスプレーシステムがよく選ばれるのでしょうか。主な5つの理由を見ていきましょう。

 

コストが安価

VOC対策の脱臭装置では、活性炭や触媒燃焼装置がよく用いられますが、活性炭はランニングコストがかかり、有機溶剤の可燃性がリスクです。また触媒燃焼装置は導入コストがかさみます。

 

消臭剤マイクロゲルスプレーは大きな設備投資がなく、装置を設置したら、消耗品は「マイクロゲル」原液だけ。あとは工場の電気と水道だけで作動するため、安価な点が強みです。

 

またダクト内に噴射することから、排気風量が大きくなるほど費用対効果が高くなります。

 

VOC臭気除去専用に開発した消臭剤を使用

マイクロゲル消臭剤は、対象の臭いや排出成分に的を絞ってニオイ別に開発したカスタマイズ消臭剤で、有機溶剤臭(VOC臭)専用の消臭剤ラインナップがあります。実際の塗装排気ラインなどで現場テストを重ねて開発されました。

 

悪臭分子をマイクロゲル分子が絡めとって消臭する仕組みで、マスキング剤(香りづけする消臭剤)とは異なり無香料で脱臭を達成するため、芳香剤のニオイによる住民苦情も起こしません。

 

臭気が再発しない

吸着系消臭剤であるマイクロゲルは、液体に溶けにくい有機溶剤やVOCを効率よく捕獲、保有し続けます。

 

そのため、マスキング剤で発生する「消臭剤とVOC臭気の再分離」が起こりにくく、排気口から離れた場所で臭気が再発する恐れが少なくなります。

 

噴霧量を簡単に調整できる

装置のON/OFFが容易で、噴霧量を簡単に調整できるのもメリット。

 

塗装工場はVOC排出濃度の変動が激しいため、消臭剤マイクロゲルスプレーシステムなら作業内容や時間帯に合わせて稼働条件、風向風速などを調整できます。

 

使用塗料成分などに合わせてカスタマイズ可能

塗料の配合や成分の割合は工場ごとに異なり、排気に含まれる臭気成分も多岐に渡ります。臭気成分の種類は40万にも及ぶといわれており、ひとつの消臭技術で脱臭することはできません。

 

マイクロゲルはその工場の臭気成分に合わせて反応基や添加剤を変え、カスタマイズすることも可能です。

マイクロゲル導入後の効果

今回の自動車工場では、消臭剤マイクロゲルスプレーシステム導入後、十分な脱臭効果を確認できたため、新設塗装排気7ラインにも増設が決定しました。

 

コスト及び脱臭効果の両面において、お客様に大変満足して頂いています。

まとめ

工場の塗装ラインでは強い有機溶剤のにおいが発生するため、近隣住民から苦情を受けることがあります。しかし有機溶剤の臭気対策をしようとしても、排気風量が大きい、排気口が多い、作業工程によってVOC排出濃度に変動があるなどの問題で、十分な対策ができていない工場は少なくありません。

 

今回カルモアに臭気対策の相談をして頂いた自動車工場では、臭気判定士が臭気の発生状況を調査・記録する「臭気アセスメント」を行った上で、脱臭装置「消臭剤マイクロゲルスプレーシステム」をご提案しました。

 

VOC臭気除去専用に開発されたマイクロゲルは導入・維持費用が安価ながらも臭気が再発する恐れが低い消臭剤です。

 

有機溶剤の臭気対策は難易度が高いため、お困りのお客様はお気軽にカルモアまでご相談ください。

 

 

 

<ご参考:工場の臭気対策ノウハウを説明>

臭気対策支援(臭気測定・脱臭装置選定・苦情解決など)

 

導入製品・サービスについて

消臭剤スプレー脱臭装置 アイキャッチ画像

消臭剤スプレー脱臭装置

小~大風量・低~中濃度臭気対策に最適な、消臭剤マイクロゲルの特徴を最大限に生かした脱臭装置です。

臭気アセスメント

臭気アセスメント(工場臭気対策)

お客様の臭気問題を、調査から対策まできっちりと確実に導くお手伝いをさせていただきます。

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圧倒的な消臭能力とコストパフォーマンスにより、各種産業工場で大きな支持を集めている【マイクロゲル】。2002年発売以来日本のみならず世界11か国での使用実績を誇ります。

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