マイクロプラズマ放電による付着インフルエンザウイルスに対する抑制効果を確認
- 投稿日:2020/09/17
- カテゴリ:リリース
2020年9月17日
マイクロプラズマ放電による付着インフルエンザウイルスに対する抑制効果を確認
株式会社カルモア(東京都中央区。以下、当社)は、東邦大学看護学部・感染制御学 小林寅喆教授らの協力のもと、マイクロプラズマ放電のインフルエンザウイルス(H1N1)に対する抑制効果を検証し、付着インフルエンザウイルスが2時間で99.3%以上不活化することを確認いたしました。
マイクロプラズマ放電は、小型薄型のフラット電極による放電方式で、旧来の放電管(生成菅)を用いた放電素子とは異なり、コンパクトな放電素子ながら省電力・高効率に大量の空気イオンを発生させることが特長です。さらに当社独自の技術により従来の放電方式と比してオゾン生成が少なく、放電音が静かで放電面に汚れが付着しにくいといった長所を兼ね備えています。
これまで当社はマイクロプラズマ放電技術を用いて、脱臭効果や多剤耐性菌に対する除菌効果など、空気環境と衛生環境に求められる多くの効果を公表し、事業活動に活かしてきましたが、ウイルスに対する効果の発表は今回が初となります。
インフルエンザに感染する要因のひとつは、手に付着したウイルスがドアノブ・手すりなどに付着し、別の人の手を介して鼻・口・目などの粘膜から感染する接触感染です。
今回の実験ではそのような感染経路への対策を念頭に置きながら、マイクロプラズマ放電技術が有人空間で安全に使用できる特長を活かし、付着インフルエンザウイルスの不活化効果を確認したものです。
検証実験の結果、空気イオンを供給しつづけた空間(オゾン濃度0.01ppm未満)において、付着インフルエンザウイルスが2時間で99.31%以上不活化することを確認しました。
※小型化空間にて試験を実施したものであり、実空間における効果を保証するものではありません。
これからの季節に向け、皆さまの防疫・衛生環境における安心を高められるよう、さらには喫緊の課題である新型コロナウイルス感染症の拡大防止に役立てられるよう、当社は引きつづき空気環境技術の探求と開発を進めてまいります。
記
■試験内容
・試験協力: |
東邦大学 看護学部 感染制御学研究室 小林寅喆 教授 北海道医療大学 医療技術学部 微生物学 松尾淳司 教授 |
・実施時期: | 2020年8月 |
・病原体: | A型インフルエンザウイルス(H1N1, A/PR/8/34, ATCC VR-95) |
・方法: |
換気用スリットが空いた46.5 Lの試験チャンバーを用意し、チャンバー上部に評価機の吹出口を接続して固定。評価機はチャンバー外部から空気を吸い込み、吹出口からチャンバー内部へ空気イオンを供給した(流通(ワンパス)系)。 付着ウイルスを用いる実験系として、JEM1467「家庭用空気清浄機」付属書E「室内付着ウイルスに対する抑制性能評価試験」を参考にした。 ウイルスを検出する操作方法は「インフルエンザ診断マニュアル(第4版) 国立感染症研究所」に準拠した。 |
・試験結果:
評価機を最大2時間運転し、空気イオンを供給した空間におけるインフルエンザウイルスの不活化効果を、対象(自然減衰)と比較してウイルス感染価の減少率を算出しました。
【対象】A型インフルエンザウイルス
(H1N1, A/PR/8/34, ATCC VR-95)
【ウイルス感染価の対数減少値(減少率)】
1時間後 約93.24%
2時間後 約99.31%
実験の結果、付着インフルエンザウイルスが2時間で99.31%以上不活化することを確認しました。
※小型化空間にて試験を実施したものであり、実空間における効果を保証するものではありません。
以上
付記:
▶「新型コロナウイルス感染症に対する当社の取り組み」についての過去のリリース記事はこちらです。
URL:https://www.karumoa.co.jp/release/viruscontrol/
▶ 資料「マイクロプラズマ放電による付着インフルエンザウイルス及び付着菌に対する抑制効果」はこちらです。
URL:https://www.karumoa.co.jp/wp-content/uploads/f0e30fc28fb58abc6549c838d9bed513.pdf
お問い合わせ先:株式会社カルモア 空気環境事業本部